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Trying 宣誓のバンド会議

バンド会議:わたし(Gt & Vo)、イカ次(Gt)、タコ山さん(Dr)

わ「どうしたんですか、タコ山さん? タコ山さんからバンド会議を招集するなんて」
イ「面倒な話はなしだぜ?」
タ「これこれ(↓)」

わ「う、これはまた……」
イ「ほう、こういうタイプの公募賞があるんだな」
わ「タコ山先生の作品を出品せよ、と」
タ「そうそう。いけるでしょ」
イ「いけるわけねーだろ。あんな三文小説が金になるか!」
タ「もももーー!!!」
イ「ぎゃーっ」
わ「落ち着いてください。しかし……」

わ「タコ山先生の作品は、いったいどれに当てはまるんですか?」
タ「も?」
わ「わたしのエッセイならエッセイ部門に応募できる気がしますが、タコ山先生の投稿中作品は、『魔法少女はメタルを聴く』と『虹をつかもう』ですよね」
タ「うん」
わ「順番にいきましょう。『魔法少女はメタルを聴く』は、あれ、なんなんでしょうね? 魔法少女まどかマギカのオマージュでしょ? それ以外に何か属性ありましたっけ?」

(5分間の沈黙)
タ「恋愛小説……?」
わ「言い切って大丈夫ですか? そういう要素もありますが、半分以上は違う要素で埋め尽くされてませんかね。そういうジャンル設定のミスで、以前受賞目前でひどい目にあいましたよね?」
タ「もも……」
(10分間の沈黙)
タ「ファンタジー小説……?」
わ「わたしもギリギリそれかなと思いました。しかし、『その他』くらいの勢いでの『ファンタジー小説』ですよね。大丈夫かな……」
タ「ざっくり言えば、魔法の話でしょ。そのワードだけでもう大丈夫だよ」
わ「わかりました。オマージュ小説ではありますが、そもそも独自性が強過ぎてオマージュと気づかれない強みもありますしね」
イ「それ、強みか? 失敗さく…」
タ「もももーー!!!」
イ「ぎゃーっ」
わ「次いきましょう。『虹をつかもう』ですね」
タ「タイトルはロックバンドRainbowの『Catch the rainbow』を意識してるよ」

わ「なるほど……。しかし、この作品こそどのジャンルに当たるんでしょう? 青春小説部門とかがあればよかったんですけど」
タ「うーん、ラノベというか、アクション小説でもあるんだけどね」
わ「アクションシーンがほとんど出てきません。前半ずっとアクションがないし、わたしのカウントでは今のところバトルシーンが2回しかないんですが……」
タ「おかしいな……」
わ「この作品はさすがに応募する枠がなくないですか?」
(20分間の沈黙)
タ「……漫画原作部門?」
わ「えらいとこ突きましたね!」
タ「キャラが立ってるからいけるんじゃない? ラノベのつもりで書いたし」
わ「KADOKAWAさんがこんなこと書いてますよ。『作品設定やジャンルは王道でも一風変わったものでも歓迎しますが、ストーリー展開はテンポよく、伏線を張り巡らすよりも起承転結のサイクルを早めることを意識してください』」
イ「終わったな」
わ「タコ山さん、落ち着いて。でも、漫画原作部門は3話で審査するらしいですよ。ほとんど状況説明というか、まったくドンパチがないんですが」
タ「だって、この部門しかないでしょ!」
イ「逆切れかよ」
わ「まあまあ。編集者さんは優秀だから、ピンと来るものがあったら、推してくれるんじゃないですか。可能性は低いと思いますけど……」
タ「それか、ファンタジー小説部門」
わ「ファンタジー小説部門をその他みたいに扱わないでください……」
イ「そうだそうだ」
わ「不良たちとファンタジー小説は、ちょっと合わないんじゃないですか」
タ「むむ」
わ「まあ、漫画原作部門でいきますか」
タ「うん」
わ「あと、わたしのエッセイをいくつかエッセイ部門に応募しておきますね」
イ「ちょっと待った!」
わ「え」
イ「いくつかじゃねえよ。できる限り応募しろ」
わ「それはちょっと……。賞向きかどうかとかもあるんで」
イ「おまえ、過去の文章を全部リライトすると言ったじゃねえか」
わ「う」
イ「いい機会じゃねえか。少ないとは思うけど、読んでくれる読者様がいるんだから、この機会にちゃんとクオリティを上げとけ」
わ「はい……」
イ「あと、俺も応募する!」
わ「はい?」
イ「あの文章があっただろ? 俺の好きなZIGGYの記事。クズのあいつが出てくるやつ」
わ「あれはちょっと……。クズって単語が30回くらい出てくるやつですよね。さすがに審査員さんの心象が悪くなって、他の作品の評価にも影響するんじゃ……」
イ「ガタガタ言うな。絶対に応募しろよ。応募しないと、呪い殺すからな」
わ「…………」
イ「じゃあな。ちょっと、競艇いってくる」
(イカ次氏退場)
わ「そういえば、タコ山さん、昔、出版直前までいったあの作品は出さなくていいんですか?」
タ「……うん、止めておこう。過去の栄光だよ」
わ「そう、ですか」
タ「その代わり、余裕があったら、幽霊とのドライブの話も出しておいてね。じゃあ」
わ「タ、タコ山さん」
(タコ山氏退場)
わ「しばらく、小説をアップデートし続けるだけのアカウントになりそうだ……」

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