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おもしろブラック企業、(株)カネックス総集編

わたしは転職回数の多い人間で、本当ならいろいろな会社のネタを書けるはずなのだが、これまで書いた記事のなかで(株)カネックスの話が異様に多い。
わたしはカネックスを愛しているのではないだろうか。

いや、戻りたいとは思わないし、被害に巻き込まれない位置で眺めるから面白いというのはあるのだろうが。

細かなことを考えず、カネックスのことを心のまま表現するなら「とにかく面白い」。強欲、無能、プライド……。ダメ人間が本能のまま、何の統制もなくぶつかりあうと、とんでもない面白いケミストリーが生まれる。

本当に変人が多かった。無能で性格も悪い。社会性もない。
どこの会社にもそういう人はいると思うのだが、変に隠して、陰で悪いことをするから面白くないのだ。
カネックスの人たちは、アホ過ぎて自分を隠せない。強欲、プライド、怠惰――あらゆる人の業がぶつかり合い、顧客からのクレームのもと、行き場を失ったエネルギーがスパークし、極上の笑いへと変質する。

たとえば、遠野妖怪と不良外人のバトル。

わたしはこの話が大好きなのだが、外界からまったく反応が得られない(まあ、誰も読んでないのだろう)。

なぜそんなに変な人が多いかというと、社長が誕生日辞典で採用をするからだ。そして、お金が大好きすぎるため、企業理念がとんでもないことになっている。企業理念は「諸行無常」らしいのだが、正解がけっきょくよくわからない。この不思議な感覚をぜひ共有したい(↓)

ブラック企業らしく、労働環境が非常に悪い。残業代が出ないのは言うまでもなく、福利厚生は職場の片隅に置かれたぶら下がり健康器だ。
人間関係は劣悪。常に誰かが叫び声をあげている。社内で、カネックス動物園と呼ばれる現象だ。

まあ、やばい人がやばい人と仕事をすれば、そりゃ関係が良くなるわけはないでしょ、ということなのだが、わたしの観察では、職場に窓がないことが原因ではないかと思っている(正確には、隣のビルとの距離が近すぎて窓が機能しない)。
部長は、職場に音楽がないことが原因ではないかと言い出した。それがとんでもない悲劇を招くことになる(↓)

シャーマンソングソングというアイテムが出てきたが、社長がスピリチュアルに傾倒していることもあり、ときどき不思議なアイテムが登場する。
総務のおばちゃんが教えてくれた霊薬もそれにあたる。
先日、近所の内科で、この漢方を飲んでいるのだけど、胃がなかなか良くならないという話をしたら、「それが何かよくわからないから何とも言えない」と言われた。信じる者は救われる。

社長は誕生日に加えて、血液型も重視する。そのせいか、カネックスは血液型も偏っていた。今の時代、血液型で性格を語ることは流行らないかもしれないが、事実としてB型とAB型の割合が高かった。
社員たちは、社長と部長をたいへん嫌がっていたが、B型パワーでわたしは乗り切った。

ちょっと駆け足になる。
後輩ともランチに行った。わたしはもう少しで天狗バーを滅ぼすためだけに残りの人生を捧げそうになった。

社員旅行にも行った。
わたしは企画する側だったから、罰ゲームで埋め尽くされたバス旅行を楽しんだが、冷静に考えれば完全にブラック企業のテイストだったのではないだろうか。「バス内のカラオケで、サビを少し知っているくらいの洋楽を無理やりぜんぶ歌う」とか、かなりエキセントリックなお題もあった。

社内には死神もいた。

恐妻家もいた。

最後はメガネバトルで締めたいと思う。

カネックスよ、永遠に。
笑いの絶えない大好きな会社でした。端から見るぶんには!

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