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プロット完成度/8割・9割・10割問題<小説・脚本書き方プロット講座⑧>

福岡で「作家塾」という小さな小説・脚本講座を14年以上、運営していく中で「プロット」を重視したおかげで多くの実績が出ましたというお話の第8回目。

本日は、<プロットの完成度>についてご説明します。

「作家塾」では、生徒さんに“プロットを完成させてから本編(小説や脚本)執筆に移行して下さい”とお願いしています。

プロットの完成度にも段階がありまして、リライトを重ねる事で少しづつ完成度の段階が高まっていく感じです。

そして、プロットの完成度が本編を執筆する際の苦労の度合いを左右します。

それでは、プロットの完成度の段階について解説します。

<4割〜7割 完成>
主人公の設定が曖昧、物語の始まりが雑、物語が途中までしか書けていない等……そういう場合は、完成度・4割〜5割。

物語が結末まで書けていても物語の構成が緩ければ……完成度・7割。

初心者が書くプロットの完成度は、概ねこんな感じです。

<8割 完成>
主人公が概ね書けていて、物語の始まりから結末まで物語全体の大体の構成が出来ているが、クライマックスやオチの盛り上がりが不十分……これで完成度・8割です。

「作家塾」では、プロットの完成度を少なくとも8割まで高めてから、本編に執筆しましょうとお願いしています。

しかし、完成度・8割で本篇執筆に移行するとクライマックスあたりを書く時に苦労する事になります。

クライマックスが上手く盛り上がらず、何度も長い文書を書き直し続ける効率の悪い作業を強いられます。

本来は、プロットでクライマックスもきちんと完成させてから本篇執筆に移行するべきなのです。(プロットならば短文ですので、効率良くリライト出来ます)

「作家塾」では、本篇執筆に早く移行したいと生徒さんが強く訴えて来た場合に、完成度・8割で本篇執筆の許可を出していますが、そういう生徒さんは、大抵、本篇執筆で苦労しています。

<9割・完成>
物語全体の構成が出来ていて、クライマックスもオチも良く書けている状態で完成度・9割です。

ここまでプロットの完成度が高まっていれば、本篇も順調に書けます。

そして、それだけ早く本篇を書き上げる事が可能になります。

ここまで頑張ってプロットを書けたなら、安心して本篇執筆に移行して下さい。

<10割・完成>
物語の完成度・9割から更に粘ってリライトを続け、作家自身にも思いもよらない様な、発見や独自性があり、かなり感動的なクライマックスやオチが書けた場合が完成度・10割です。

完成度・10割は、ベテランの作家が目指す領域であり、プロでも難しいです。

ただし、9割まで完成した後、10割に少しでも近づく事を目指して更に努力する姿勢は大切です。

作家初心者の方は、まずは完成度・9割を目指せば十分です。

(花野組福岡「作家塾」)

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