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「一生同じ歌を鳥のように」のあらすじといきさつと

これから投稿する架空日記をどういういきさつで書いているのか、まずは初見の方に説明しつつ、あらすじもうっすら伝わればと思います。

「一生同じ歌を鳥のように」は2006年に札幌で上演した演劇だ。
私は高校から演劇を始め、北海道・江別にある酪農学園大学(ラクダイという縁起でもない通称)に進学、演劇部という名の運動部に所属し、1998年から同演劇部の同期数名と演劇ユニットを立ち上げ、2年に一度公演を行っていた。奇抜なファンタジー作品ばかり作っていたのだが「一生同じ歌を~」はユニット初・現代日本を舞台にした作品だった。
企画会議で、「1999年~2000年の日本のとある山奥の小さな村が舞台で、癌で余命宣告を受けたおばあちゃんが生まれ育った家で過ごす最後の1年間の話。」と、あらすじを伝えるとメンバーたちは難色を示した。まあ、これだけ聞いたら暗い話だけれど、「おばあちゃんは魔法使いで飼い猫は化け猫、死んだじいちゃんもお盆に帰省し、有象無象の親族・ご近所さんが押し寄せ、家中の家具から食器に至るまですべてが付喪神。」と付け加えると興味を示してくれた。結局ファンタジーだった。
主催も兼ねていた私はこの頃どうしてもやってみたいことがあった。台本をエチュード(即興)で作ることだ。いきなりエチュードやれというのも乱暴なので、たたき台となる1年間の日記を私が書き、役者と演出が台本に組み込むエピソードを抜粋。エチュードを行い、そこから演出がセリフを拾い集め台本にすることになった。役者の拘束時間は長いし、演出家の交通整理の腕も問われたが、彼らはやってくれた。感謝。

投稿するのはそのたたき台となった日記だ。公演の2年前から書き始めたのだが、結局365日全てを書ききることはできなかった。何故なら付喪神化した万年筆がこっそり書いている日記という設定だったから。意識を持った無機物視点の架空日記。難易度MAXだった。主な登場人物の人となりを補完できるエピソードとイベントをとびとびで150日分ほど書いてギブアップ。それでも電話帳並みの紙束になった。当時はまだタブレットなどなく、紙媒体で渡していた。・・・1年分書かなくて良かったのかもしれない。コピー代的にも、役者の移動的にも。

投稿にあたり、加筆・修正をすることにした。読み返してみるとディテール凝りすぎてゴテゴテしい文章だったから。セリフをできるだけ書かないようにしていたのでこうなってしまったと思われるが、もはやそんな配慮は不要だ。あとは17年前と同じカロリーで書ける自信がないというのが正直なところ。削いでいく方向で。長丁場になるので無理なくゆっくり書いていこうと思う。

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