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第13話 ストーマ閉鎖手術

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小学校6年生の夏休みに、おへその両横にあるストーマを閉じる手術を受けました。

そして、練習して自己導尿(自分で尿道に管を入れて、尿を出すことです。私の膀胱はポンコツなので、膀胱に尿がたまっても自力で全部出し切る事が出来ないのです。)をマスターし、それで大丈夫か様子見することになりました。

でも、それがなかなかの苦行。

導尿して出し切る為に、膀胱の真上を手で押すのですが、かなり痛い!!

でも、初めて人工物の無い普通の体になれた喜びは、本当に嬉しかったです!

普通の体!!!初めての普通の体!!!

来年は皆と水着を着て、プールに入れるんだ!
水着も買ってもらい、チビなので母に肩を少し縫い縮めてもらい、準備万端です!

本当に幸せでした!

シャスタデイジーです。
ドラッグストアに行く道に咲いていました。

自宅でストーマを閉じた傷を管理していたのですが、1ヶ所治るのが悪くジュクジュクしていました。

ある日の外来で、それを長屋昌宏医師に告げると

長屋先生
糸が残ってるかもしれん。取るか。華なら、麻酔無くても大丈夫だな。


え?。。。。。!?

ノウボン
ガーゼ
セッシ
が用意され、私は診察台に寝転びました。

看護師さんがペンライトで照らし、いざ、セッシが体に入る直前!
私は手を伸ばし、父の親指を握りました。

痛みとともに強く!強く!

糸は3本ほど取れたと思います。
私は父のお陰で、うめき声も出さず乗り越えられました。

外来を出た後、父に
指がちぎれるかと思った。

とニヤリとした顔で言われました。


父はもう他界していていませんが、父の親指の感触は、今も私の手に残っているんです。

そして、今だから分かることは「感触」とは、幸せを確かめる行為なんだ、ということを悟りました。

風邪をひいて高熱が下がらなくて、結局緊急入院する時、立てなくて父に抱き上げられてる時の感触も。

どれだけ辛い事が起きても、感触を忘れないで生きていける。

私には大切な思い出です。

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