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第22話 初めてお付合いした男性

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学校と透析室を行き来する日々に、出会った人がいました。夏休みも終わる頃。

その人の第一印象は(なんで自分の人生なんてどうでもいいっていう笑い方してるんだろう?)でした。ちょうど透析が終わって出てきた時に、長椅子に座って後輩を両手にはベらせて、そんな笑い方をしていました。

思わず立ち止まって見てしまったので
「何?!」
と言われてしまいまして、何でもないと言い、その場は帰りました。

それから、その人の事が気になって仕方無くなったのです。私は高等部1年生、彼は中学部3年生でした。

校舎は同じで高等部は3階、中学部は2階でした。病棟は隣りです。

彼の病気は心身症。悩みすぎて十二指腸潰瘍ができる状態でした。親が複雑で離婚し、母親と暮らしていました。彼の事を中ちゃんと言います。皆から男性ですが、ちゃん付けでした。

親が複雑なのは私も同じですし、余計に目が行きます。私は2階の図書室によく通っていて、廊下にいる彼をチラッと見たり、透析室から帰る時に見たり。

ちゃんと笑っているのかが気になるんですよね。

キンギョソウ
ご近所の畑に咲いていました。

自分の人生なんてどうでもいいという笑い方、それを察知してしまう私も私ですが。。
もっと知りたくなるし、ちゃんと嬉しそうに笑ってほしい。その思いは強くなりました。

それが恋心に変化していくのに時間はかかりませんでした。
秋の日のこと、私は隣の病棟の中ちゃんの病室へ行き、告白しました。受け入れてくれて、お付合いしだしたのです。

でもまだ高等部1年生の私だし、両親からとんちんかんな愛情な私です。愛し方が下手くそで、彼を苦しめる事になります。ですが、親の離婚問題や色々な中ちゃんの過去を知っていきました。

バイクで赤信号をぶっちぎり、警察に止められ年齢詐称したり、14歳までに30人以上の女の子を抱いていることも。だから、いつか刺されて死ぬかも。。と言ってましたね。私とはかけ離れた世界と心の叫びでした。

私達は5ヶ月くらいしか、お付合い出来ませんでしたが、心の奥深くをだいたい話せる友人として、長く付き合っていく事になります。

AもBもCも、彼から教えてもらいました。在学中はAのみでした!
あ、Bはすっ飛ばしたか(笑)て、どういう事?!


きっと永遠に大切な人になる。
心の大切なアルバムが出来ました。

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