40歳過ぎて「疲れる」「やる気が出ない」「精力減退」は男性更年期かも
◆男性更年期障害の評価
男性更年期障害は、男性ホルモンのテストステロンが減ることによって起きます。
どんな症状なのでしょうか。
17項目からなるAMS調査票をみてみましょう。
①総合的に調子が思わしくない(健康状態、本人自身の感じ方)
②関節や筋肉の痛み(腰痛、関節痛、手足の痛み、背中の痛み)
③ひどい発汗(急に汗が出る、ほてる)
④睡眠の悩み(寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、朝早く目が覚める)
⑤よく眠くなる、しばしば疲れを感じる
⑥いらいらする(あたり散らす、すぐ腹を立てる、不機嫌になる)
⑦神経質になった(緊張しやすい、精神的に落ち着かない)
⑧不安感(パニック状態になる)
⑨体の疲労や行動力の低下(活動が減った、余暇活動に興味がない)
⑩筋力の低下
⑪憂うつな気分(落ち込み、悲しみ、涙もろい、意欲がわかない、無用感)
⑫「人生の山は通り過ぎた」と感じる
⑬「力尽きた」「どん底にいる」と感じる
⑭ひげの伸びが遅くなった
⑮性的能力の衰え
⑯早期勃起(朝立ち)の回数の減少
⑰性欲の低下(セックスが楽しくない、欲求が起きない)
ない:1点、軽い:2点、中くらい:3点、重い:4点、きわめて重い:5点
合計点により以下のように判定します。
26点以下:健康
27~36点:軽症
37~49点:中等症
50点以上:重症
AMS調査票は、「こころ」と「からだ」と「性機能」の3方面から見ています。
それぞれを詳しく見てみましょう。
◆「こころ」に関すること
⑥イライラする、⑦神経質になった、⑧不安(パニック)、⑨何もしたくない、⑪憂うつ(悲しい)、⑫人生の山は過ぎた、⑬力尽きた、どん底
自分の心がコントロールできなくなったり、
生きる気力が無くなったりします。
心はホルモンの影響を大きく受けます。
「やる気がない」「気合いが足りない」のではなく、
「ホルモンが足りない」のです。
◆「からだ」に関すること
①調子が悪い、②関節や筋肉が痛い、③急に汗が出る、④夜、眠れない、
⑤日中眠くなる、⑩筋力の低下、⑭ヒゲがのびなくなった
今までになかった体調の悪さを経験します。
これもテストステロンが減ったせいです。
◆「性機能」に関すること
⑮性的能力の衰え、⑯早期勃起(朝立ち)の減少、⑰セックスの欲求が起きない
「性機能」については、タブー視されるきらいもありますが、
男性更年期障害を正しく診断するには避けては通れない項目です。
「うつ病」や「自律神経失調症」と一線を画すことと言えるかもしれません。
AMS調査票の点数の高い人は、専門の医療機関を受診することをお勧めします。
参考文献
1)堀江重郎:『LOH症候群』,角川新書,2021
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