【展覧会】大吉原展
『大吉原展』を観に、東京藝術大学大学美術館へ行ってきました。トーハクより更に奥ですので、たまにはJRで。東京メトラーなもので、地上を走る電車は眩しく感じます。
上野公園の桜は、見頃は過ぎたでしょうがギリギリ今週末ぐらいまで?
トーハクの前で左折しようと思っていましたが、途中に小径があったのでショートカットしましょう。お花に誘われたとも言います。木陰はホッとします。
さて、到着です。
第一部 入門編:吉原の文化、しきたり、生活など
第二部 風俗画や美人画を中心に、吉原約250 年の歴史をたどる
まず地階から。高い位置に吊るされたスクリーンに投影するのは、横切って奥へ行くのも視線の邪魔にならずに楽ですね。展示物の拡大映像が上に映っているのも、実物と比較したり、細部を見たり、わかりやすいです。
面白かったのは、1日を時間別で描いた喜多川歌麿の《青楼十二時》。起きて、身支度して、客を迎えて見送って。
第二部は修復後初お披露目の重要文化財、高橋由一《花魁》(1872年)が目玉でしょうか。モデルにこんな顔じゃないわっと泣いて抗議された話もさることながら、花魁を描いた初の油絵と解説があったのも気になります。それまでは木版画で多少デフォルメはあったでしょうからね。
途中で放送が入って11時から1階で何か(演奏?)催しがあるようでしたが行かず、少し空いた展示室を満喫しました。さて、エレベーターで3階へ上がりましょう。
第三部 展示室全体で吉原の五丁町を演出
ここは面白い造りでした。仲之町の両側に引手茶屋が軒を連ねていて、茶屋の一軒一軒が展示室になっています。仲之町に桜の木を植えて花を愛で、咲き終わると撤収するのは歌舞伎でもお馴染みですが、そうした年中行事についても順を追って知ることができます。
知らなかった(or 覚えていなかった)のが、酒井抱一と廓の関係でした。
この会場の奥にある《江戸風俗人形》が素晴らしい!ここだけ撮影可です(フラッシュ不可、動画不可)。下の3枚は正面からですが、周囲をぐるりと観ることができます。
約2.5×2.5メートルの巨大な模型は檜細工師・三浦宏さんによる総檜造(!)二階建ての妓楼で、文化・文政(1804~1830)頃の大見世の再現だそうです。
人形師・辻村寿三郎さんの創作人形23体と、江戸小物細工師・服部一郎さんの精緻な調度品400点あまりが配置されて、中を覗き込むと酒宴の支度などが見えるという……海外の方も多く訪れていましたが、一言でドールハウスとは説明できないですね、これ。
さて。仲之町の逆側に戻ります。こちらはファッションなどだったでしょうか。お正月に新たな衣装でご挨拶、などという絵を前にすると、でもこれで花魁たちは新たな借金を抱えるのよねぇ…と歌舞伎を思い出すのでした。
最後の方には火事の話がありました。吉原は22回は全焼したらしく、半数は遊女による付け火だとか。待遇が悪かったので、実力行使だったようです。火事のどさくさで逃げられた人もいたのかな……。
再建の間は他の街で仮営業が許されていて、吉原の時よりも規則が緩くなるため却って儲かることもあったそうです。せっかくの実力行使だったのに、守銭奴雇用主が儲かるのでは逆効果だったでしょうか。
アイエム(インターネットミュージアム)のレポートに動画があり、少し会場の様子がわかります(→こちら)。
炎上について
開催前にSNSで炎上していた話だけ聞きましたが、なぜでしょうね。チケットに同封されたチラシと、どこかの美術館で私が事前に入手していたチラシが違いました。
新しい方は『二度とこの世に出現してはならない制度』とか『本展に、吉原の制度を容認・美化する意図はありません。』とありますが、古い方も別に吉原文化礼賛というわけではありません。
ポスターがポップだったから?『江戸アメイヂング』がふざけてる?
この展覧会に「ジェンダーが」とか「人身売買が」とか言ってしまうと、歌舞伎もアウトということになってしまいそう……中身を読まずに本の帯だけ見て批判しているような印象も受けてしまうのですが。
お座敷で歌い踊る男たちの後ろで、クールに佇む遊女たちの絵を見ながら、むしろ言いたいのはこっちだったりして?などと思うのでした。
帰りがけのお花見
行きにも見かけたのですが、低い枝がなくてよく見えませんでした。帰りに違う道を通ると、手の届く位置に咲いていました。
園里黄桜、長野県で見つかったそうです。黄緑色の八重咲きが豪華で美しい……フリルみたいですね。
足元にはオオイヌノフグリやキュウリグサ、青い小花が咲いていたのも可愛らしいです。
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