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近々退職する人が、かなり厳しい口調でメールしてきました。
何もそこまで言わなくても……と思いつつも、長年勤めた人ですし、グループ会社の人ですし、せめて気持ちよく退職してもらえるように対応してきたつもりです。

休暇を取った翌日、同僚から伝言メールが入っていて、
「その人から〇〇の件で電話があったが、意味不明だった。年寄りに接すると思って一から教えてあげて欲しい」
と書いてあったので、その日は在宅勤務だった同僚に電話で様子を聞きました。心の準備のためです。

このコ〇ナ禍での本国の対応も良いとは言えず、不満は持っていたと思います。コ〇ナがなければ、定年までもう少しあった人です。
退職の件でちょっとメンタルにきちゃっているのかも……が同僚の感想でした。

メールでやり取りしたことはありましたが、電話は初めてです。心して(ちょっとドキドキしつつ)明るく、歯切れよく話すことに努めました。

本来、社員にはセルフサービスでやってもらっている事も、もう退職だからいいかと譲歩して、こちらでやりますと提案したのも良かったのかもしれませんが、意外と気さくな人で、話す中で色々と知らなかった事情がわかりました。

グループ会社とはいえ、本社のある国が違うのです。
「こちらはこうですが、そちらはそのようなご事情だったのですね」
「そこはお国柄の違いかもしれないね」
などとだんだん打ち解けてきました。

同僚が意味不明と言ったことも、背景がわかれば納得です。
カウンセリングの際には傾聴が大事ですが、相手が物事を考える枠組みを理解した上で、その枠組みを通してみると、なるほどそう思うのも頷けるな、という体験でした。

それが相手に伝わって打ち解けて話してもらえるようになったのだったとしたら、傾聴がうまくいったということなのでしょう。

「あの国の人たちはガツンと言わないと動かないから。それで東京支社へのメールもちょっと強い口調にしたけど」
確かに、本社が動いてくれなくて同僚も私も苦労していますが。
「東京はガツンと言われると凹みますので、お手柔らかにお願いします…」
とお願いすると笑ってくれました。

その後、背景についてもう少し詳しいメールがありました。
人数の多い部署で、どうも世代間の壁のようなものもあったらしいです。その壁に対する取扱い方のアドバイスもありました。

数か月後には退職ですので残念ですが、心強い味方を得ました。
最初はどうなることかと思いましたけどね!

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