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「。」が怖いという感覚と、電話だと対応が変わる人

 LINEなどのメッセージで文末に句点があると、威圧感を覚える人が若者に増えているらしい。という記事を見た。
「マルハラスメント」なんて言葉もあるのだとか。

 本当かなぁと思っているが、私は若者とコミュニケーションをとることがあまりないのだ気がついた。
 なにごとも自分のものさしだけではかってはいけない。
 少なくとも、そうした感覚を持つ人はいるのだろう。

 仕事柄、句読点がない文章には違和感を持ってしまう。
 読点が適切でないと感じたら、鉛筆で書き入れるし、句点が入っていなければ赤字を入れる。

 家族間のメッセージくらいなら急いでいるときなどは、句読点なしで送ることもある。しかし、友人、知人相手には、”外に出す文章”という意識が働くようで、必ず句読点を入れる。

 この話題を目にしたとき、大学時代の先輩のことを思い出した。
 普段は気さくな人柄で、砕けた調子で話す人だった。この人がなぜか、電話で話すときには、ものすごく丁寧な言葉遣いに変わる。まるで会ったことのない人を相手にしているような話し方に、とても驚いたことをよく覚えている。

 理由を聞いたことはなかったけれど、単純に電話が苦手なのかなと思っていた。

 どうして先輩のことを思い出したのかを考えたら、メッセージも電話も、目の前に相手がいないことが共通点なのかもしれない、と思った。

 電話でも、表情が見えない、声だけのやり取りで感情がわからない。メッセージになると声色すらわからない。文字から感情を読み解くのは難しい。
 そうした不安が「。」という記号に、なにか意味を求めてしまっているのかもしれない。

 などと、つらつら考えていたら、歌人の俵万智さんが素晴らしい解決を見せてくださった。

 日本語は優しい。

 それがわかっていれば、大丈夫だ。きっと。

これまでに、頭の中に浮かんでいたさまざまなテーマを文字に起こしていきます。お心にとまることがあれば幸いです。