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頭の中に浮かんだ言葉を文章にする練習。 本業はフリー校正者です。 みんなのフォトギャ…

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頭の中に浮かんだ言葉を文章にする練習。 本業はフリー校正者です。 みんなのフォトギャラリーを利用しています。ありがとうございます。 永井華子で、「小説になろう」にいくつか投稿しています。https://mypage.syosetu.com/2393038/

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新築人生

 私の生家、小学校卒業まで暮らした家は築五十年以上経つ土壁に板張りの古い家だった。冬の隙間風にふるえ、夏の湿気に茹だり、家の前の路地にトラックが通れば、建具がガ…

hanaco_nagai
1年前
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山帰来の柏餅とちまき

 西日本育ちの私は、柏餅と言えば山帰来の葉である。  関東に来て、柏の葉を巻いた柏餅を初めて見たとき、「なんだこれ」と声に出して驚いた。それまでは、ずっと山帰来…

hanaco_nagai
1日前

知らない人あてのお礼をされた話

 私は、個人事業主として校正の仕事をしている。基本的に仕事のやり取りはメールと、宅配便だ。すべて電子化されているところもあるとは思うが、少しばかり特殊な分野の仕…

hanaco_nagai
1か月前
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幸せの主体はつねに私

 幸せであるかどうかを決めるのは私。  当たり前のことのようで、実は難しい。  幸せなのかどうか、どうしても人と比べてしまう気持ちがあるから。  けれど、その基…

hanaco_nagai
2か月前
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「させていただかない」勇気

「させていただく」が多用されるようになって、もう久しいと思う。 「させていただく」とは、相手に許可を得て行動することを意味するので、許可を必要としないことに用い…

hanaco_nagai
3か月前
3

「。」が怖いという感覚と、電話だと対応が変わる人

 LINEなどのメッセージで文末に句点があると、威圧感を覚える人が若者に増えているらしい。という記事を見た。 「マルハラスメント」なんて言葉もあるのだとか。  本当…

hanaco_nagai
3か月前
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2月に必ずすること ー手紙を書くー

 明日から2月。  2月中に、親友に手紙を書こう。  メールでも電話でもなく、SNSでもない。手紙が今の私たちの距離感にはきっとふさわしい。  すぐには会えない距離…

hanaco_nagai
4か月前
2

ブームを起こした話

 小学生の頃、クラスでブームを起こしたことがある。  公立小学校だったが、奨励服と呼ばれる制服があった。女子は細い吊り紐付きのプリーツスカート、男子は短パン。ど…

hanaco_nagai
5か月前
3

アポロ計画だったのに、次の計画がディアナ計画ではなく、アルテミス計画になったのはなぜなのか。ギリシャ読みの方が好みではあるけれど。

hanaco_nagai
6か月前
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FB ーフレンドシップブックー の話

 FBと書くと、Facebookの略称と思われるだろう。それとも流行が落ち着いた今なら、そうでもなくなってしまっているのだろうか。  中学生の頃、友人に教えてもらった”…

hanaco_nagai
6か月前
2

note 改行位置問題 ーPCか、スマホか

 私は文字が程よく詰まっている方が読みやすく感じる。  しかし、ネット上の記事やweb小説では、適度な、あるいは過剰なくらい空白行が入っている方が好まれるらしい。 …

hanaco_nagai
7か月前
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ハトムギ化粧水(個人の感想です)

 最近インターネットでよく出てくる「首のイボがポロポロとれます!」という広告。見た目にも気分が悪い上に、作り物に見えるかたまりを綿棒や指先で落とす映像には、なん…

hanaco_nagai
7か月前
9

ご近所づきあいの距離感

 ご近所にお住いの方とのおつきあい。  用事があって訪ねてこられたり、庭仕事のタイミングが一緒になってお話するときにはとても朗らかなのに、道で偶然ばったり会って…

hanaco_nagai
7か月前
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2023 広島東洋カープのベストゲーム

 下馬評をことごとく覆し、ペナントレース2位。  今年のカープはまだ試合がある!  と、幸せな気持ちのにわかカープファンに対して、我が家の生粋のカープファンはまだ…

hanaco_nagai
7か月前
3

読んだ文章が頭の中で映像化する

 私は、小説でもエッセイでもコラムでも、文章を読むとその情景が頭の中に映像として流れる。  誤字脱字があったり、文章の流れが悪かったりすると、その映像が途切れて…

hanaco_nagai
7か月前
12

子どもたちの流行り

 昭和に生まれ、平成に育った世代は、子どもの頃の共通の記憶が、現代の子どもたちよりも多かったのではないかと思う。  テレビはドリフから、漫画は『りぼん』か『なか…

hanaco_nagai
8か月前
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新築人生

新築人生

 私の生家、小学校卒業まで暮らした家は築五十年以上経つ土壁に板張りの古い家だった。冬の隙間風にふるえ、夏の湿気に茹だり、家の前の路地にトラックが通れば、建具がガタガタとなる、そんなボロ家。

 中学生になった年に隣町のマンションに引っ越した。バブル期に計画されながら、着工する頃には泡ははじけており、さまざまにコストカットされた物件であった。
 阪神大震災の少し前だったが、キッチンと洗面所の水栓の止

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山帰来の柏餅とちまき

山帰来の柏餅とちまき

 西日本育ちの私は、柏餅と言えば山帰来の葉である。
 関東に来て、柏の葉を巻いた柏餅を初めて見たとき、「なんだこれ」と声に出して驚いた。それまでは、ずっと山帰来が柏なのだと信じて疑ったこともなかった。

 山帰来、あるいはサルトリイバラと呼ばれる葉は、つるつるした手触りにつやがあり、まるで柏餅のための葉であるかのように大きさもちょうどよい。

 柏の葉で作る場合は大きな柏の葉を整えているのだろう。

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知らない人あてのお礼をされた話

知らない人あてのお礼をされた話

 私は、個人事業主として校正の仕事をしている。基本的に仕事のやり取りはメールと、宅配便だ。すべて電子化されているところもあるとは思うが、少しばかり特殊な分野の仕事のせいか、紙のやり取りが続いている。

 依頼のメールを確認し、内容と期日が可能なものであれば、お引き受けする。実際の校正紙のやり取りは宅配便やメール便。
 ほとんどの仕事がこのやり取りなので、実際に取引先の担当者に会うことはない。一度も

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幸せの主体はつねに私

幸せの主体はつねに私

 幸せであるかどうかを決めるのは私。

 当たり前のことのようで、実は難しい。
 幸せなのかどうか、どうしても人と比べてしまう気持ちがあるから。

 けれど、その基準はやっぱり自分の中にあるもので、人には人の別の基準があることになかなか気がつけない。

 例えば、あの人は裕福そう。若く見える。パートナーが優しそう。友人が多そう。いつも楽しそう。両親が近くにいて頼れることがうらやましい。
「うらやま

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「させていただかない」勇気

「させていただかない」勇気

「させていただく」が多用されるようになって、もう久しいと思う。

「させていただく」とは、相手に許可を得て行動することを意味するので、許可を必要としないことに用いるのは間違い、とまではいわないけれども適切ではない。

「お電話させていただく」「ご挨拶させていただく」「ご報告させていただく」

「させていただく」をつけることで、丁寧な、あるいは相手をより尊重した印象になる、ということだろうか。

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「。」が怖いという感覚と、電話だと対応が変わる人

「。」が怖いという感覚と、電話だと対応が変わる人

 LINEなどのメッセージで文末に句点があると、威圧感を覚える人が若者に増えているらしい。という記事を見た。
「マルハラスメント」なんて言葉もあるのだとか。

 本当かなぁと思っているが、私は若者とコミュニケーションをとることがあまりないのだ気がついた。
 なにごとも自分のものさしだけではかってはいけない。
 少なくとも、そうした感覚を持つ人はいるのだろう。

 仕事柄、句読点がない文章には違和感

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2月に必ずすること ー手紙を書くー

2月に必ずすること ー手紙を書くー

 明日から2月。
 2月中に、親友に手紙を書こう。

 メールでも電話でもなく、SNSでもない。手紙が今の私たちの距離感にはきっとふさわしい。
 すぐには会えない距離。コロナに奪われた時間。
 それでも彼女との縁をつないでおきたいから。

 忙しい彼女は、返事をかえせないかもしれないし、返事はいらないと書いて送ってもいい。返事がほしくて書くわけではないのだから。

 私の人生もおそらくそろそろ折り

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ブームを起こした話

ブームを起こした話

 小学生の頃、クラスでブームを起こしたことがある。

 公立小学校だったが、奨励服と呼ばれる制服があった。女子は細い吊り紐付きのプリーツスカート、男子は短パン。どちらも紺色で、冬には胸元に校章のワッペンが付いた上着もあった。

 そのスカートの吊り紐には、名札がつけっぱなしになっていた。
 昭和から平成へとかわる頃、個人情報なんて言葉はまだ身近で耳にすることはなかった時代。

 学校名の刺繍が入っ

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アポロ計画だったのに、次の計画がディアナ計画ではなく、アルテミス計画になったのはなぜなのか。ギリシャ読みの方が好みではあるけれど。

FB ーフレンドシップブックー の話

FB ーフレンドシップブックー の話

 FBと書くと、Facebookの略称と思われるだろう。それとも流行が落ち着いた今なら、そうでもなくなってしまっているのだろうか。

 中学生の頃、友人に教えてもらった”FB”はFriendship Bookという。

 数枚のメモ帳をホチキス止めしたものに「FB」と書く。そこに英語表記で住所を書いて、外国のペンフレンドへ送る。受け取った相手はまた、住所を書き足して別のペンフレンド送る。書くスペー

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note 改行位置問題 ーPCか、スマホか

note 改行位置問題 ーPCか、スマホか

 私は文字が程よく詰まっている方が読みやすく感じる。
 しかし、ネット上の記事やweb小説では、適度な、あるいは過剰なくらい空白行が入っている方が好まれるらしい。

 紙の書籍であれば、目は文字を追っているので視界に全体が入るのは頁をめくる時くらいだろう。
 それに比べてデジタルでは、基本的に全体が視界に入っている気がするので、文字が詰まっていると圧迫感があるのは否めない。

 web小説を書きは

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ハトムギ化粧水(個人の感想です)

ハトムギ化粧水(個人の感想です)

 最近インターネットでよく出てくる「首のイボがポロポロとれます!」という広告。見た目にも気分が悪い上に、作り物に見えるかたまりを綿棒や指先で落とす映像には、なんだか鳥肌が立ってしまう。

 私のスマホにこれらの広告が表示されてしまうのは、結局首のイボに悩まされる年代だからだろう。情報が収集されているのは仕方がない。

 実際、四十代に入ってから、見た目には変化はないが、触るとぷつぷつとした小さな突

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ご近所づきあいの距離感

ご近所づきあいの距離感

 ご近所にお住いの方とのおつきあい。
 用事があって訪ねてこられたり、庭仕事のタイミングが一緒になってお話するときにはとても朗らかなのに、道で偶然ばったり会って挨拶すると、驚くほどそっけない。

 そっけないときでも会釈はしてくれるし、その後会うと何事もなかったかのように機嫌よく話してくれる。
 ご近所という離れられない間柄だから、できる限り平穏を保ちたい。
 慣れるまでは、もやもやした気持ちを抱

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2023 広島東洋カープのベストゲーム

2023 広島東洋カープのベストゲーム

 下馬評をことごとく覆し、ペナントレース2位。
 今年のカープはまだ試合がある!
 と、幸せな気持ちのにわかカープファンに対して、我が家の生粋のカープファンはまだまだ厳しい。
 特に、自力でクライマックスシリーズ本拠地開催を勝ち取れなかったことには、なかなかご立腹の様子でありました。私は素直に2位おめでとう、クライマックスシリーズももちろん応援します。

 閑話休題。

 今季も、楽しませていただ

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読んだ文章が頭の中で映像化する

読んだ文章が頭の中で映像化する

 私は、小説でもエッセイでもコラムでも、文章を読むとその情景が頭の中に映像として流れる。
 誤字脱字があったり、文章の流れが悪かったりすると、その映像が途切れてしまう。ときには挿絵すら邪魔になることもある。
 私の本業は校正者だが、仕事にこの読み方が役立っていることもある。(文字校正のときにはない方がよいが)

 中学高校の6年間は学校の図書館で、さまざまなジャンルの本を読みその世界にひたっていた

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子どもたちの流行り

子どもたちの流行り

 昭和に生まれ、平成に育った世代は、子どもの頃の共通の記憶が、現代の子どもたちよりも多かったのではないかと思う。

 テレビはドリフから、漫画は『りぼん』か『なかよし』、男の子なら『ジャンプ』、ゲームはファミコンからスーファミへ。

 学校での話題はみな共通で、前日のテレビの人気番組。見ていないと話しについていけないから、と普段は喧嘩ばかりの姉と一緒にチャンネル権の交渉を父に持ち掛ける。

 対し

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