先住民教育としての放送大学学芸員資格

人生や時代の変わり目に人々は新しい生き方をもとめる。この新しい生き方を実現するには教育がかかせない。この教育は福祉でもある。その中で常に近代化により先住民・少数民族が取り残され地位向上や過度な開発による地域の環境破壊、貧困の脱却には先住民「主体」の教育が求められている。
先住民教育はニュージーランドの先住民教育が四半世紀前に始まった。それに対し日本では10年前にアイヌの教育が始まり40年も遅れている。その中で先住民の国連宣言などに従い彼ら主体の大学経営をゴールとしている。その第一歩として、様々な人々に教育を提供する博物館が求められている。日本ではアイヌ国立博物館ウポポイや在日外国人の文化活動を支援してきたリトルワールドがある。昨年2023年から北海道平取町にアイヌ教育を専門とする高校のコースができた。沖縄では2010年代から学童保育の琉球語教育が開始されNHK「日本語で遊ぼう」の琉球語版「うちなーぐちで遊ぼう」が放送されるようになった。日本においてこれらの教育活動を地域で束ねるのは教育委員会や学芸員や社会教育主事である。とりわけ私が学ぶ先住民教育向け学芸員資格は北海道や沖縄、大阪の「民博」の大学を除けば放送大学である。

放送大学は基本的人権の「学習権」を体現するために1980年代初頭千葉県幕張に創設された通信制大学である。このため無試験大学で、高品質な教育を提供しコストを抑えるために通信制となっている。文化人類学において2000年代にボルネオ島先住民の宗教に基づく生命倫理と彼らの迫害としてのプランテーション農園開発を伴う環境破壊、イヌイットと地球温暖化が研究されてきた。また1990年代には後に2011年のタイ、バンコク郊外クレット島のモン族の文化財を守り古老の私営博物館経営を支援したタイ国立通信制大学STOUの研究や2010年代文京学習センターへのSTOU職員の視察といった交流が行われた。
近年では近代化を伴う地球温暖化を「人新世」と位置付け先住民の宗教に基づく生命倫理や文化と生態系の接点を研究し、その研究成果をもとに博物館学芸員資格を提供している。ただし放送大学は教養学部なので理系の学生もおりプラネタリウム、植物園、動物園を扱いこれら向けの学芸員資格にも配慮している。

実は放送大学の教育のデメリットが一つだけある。中間試験も期末試験も大学センター入学試験と同じくマークシートであり、東大入試の浪人と同じ学習方法をしなければならなく卒業には最悪10年かかる。通信のため学んだことを話す機会もすくなくアウトプットが乏しい。そこでよその大学のインカレサークルに訪問し史学部生らと交流しつつ、ブログに過去問をもとに学芸員資格で教わった内容のまとめ、思念プリンとを記載する。


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