139話 コール&レスポンス②
そのまま店はBarタイムに入る。ほとんどの参加者が楽器を黙々としまい始める中、僕を紹介してくれた店員さんだけは、ひとり忙しくドリンクの注文を勧めて回っていた。同じバーテンをやっている僕でも同じだけれど、この時間からが彼の本業なのだ。
僕はようやく自分らしい音が出せたのが嬉しくて、先ほどコール&レスポンスで絡み掛けてすぐに終わってしまった黒いトランペットの参加者に話し掛けようと近づいて行った。 彼は自分のトランペットを布できれいに磨き、他の参加者同様に、楽器をケースにしまい込む