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AIで「精神なき専門人」が淘汰?

今日、日経でこんな記事が上がっていたようだ。

AI進化による危機感に貫かれた記事であるが、その中で、開業医やマーケティング専門家、翻訳者といったわりと高度な専門職が危機に晒されるという議論があった。

技術のインパクトに比例し、生じる光も影も強くなる。米インディアナ大の推計では126の専門職のうち開業医やマーケティング専門家、翻訳者など75%に相当する95職種はチャットGPTにより多くの業務が代替される。工場勤務者や小売店員の5〜9%より格段に高く、幅広い知的労働で雇用の減少につながる可能性がある。

「AI進化、人類の真価問う 比類なき言語能力10年で獲得」/日経新聞

専門職ほどAIで置き換えられるという予測についてポジティブに解釈すると、専門家を各種の利害関係から解放して、「精神なき専門人」(ウェーバー)が淘汰される可能性があるということだ。

精神なき専門人、正確に言えば「精神をなくしてるのに利害はある専門人」だが、これをAIが置き換えてくれれば、純粋に魂がないだけの専門人(機械)になってくれるので、世の専門的言説からポジトークとか利益相反的な濃度が薄まり、結果的に住みやすい世の中になっていく可能性もある。専門家の気まぐれな思惑で変なレバレッジがかからなくなれば、専門的言説との付き合い方もよりsoberなものになりうる。

専門的とはknowing more and more about less and lessなので、早晩人間の手には負えなくなる。CPU的にも流石にキツいと。ならばAIに任せるしかない。任せるべきか否かとかじゃなく、任せる他ないという仕方で引導が渡される。そして人間は各々「自分自身の専門家」つまり動物になっていく。

いずれは、専門的言説だからこそ、人間ではなく機械がやった方がいいというのが常識になるかもしれない。


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