夏山でも遭難はする

本日ポルトガルはオエイラシュは朝から好天。夏の終わりを惜しむかのように気温はやや高め。なだからに丘状の斜面を登っていく遊歩道風公園。頂上付近から見下ろすテージョ川の水面は穏やかこの上ない。

しかし夕刻以降強風が吹き始める。頂上にある『詩のお寺』が閉鎖した時刻以降によりによって風が強まるとは。 #野良博士 はなるべく風当たりの弱い地点を探し、防風林風に育った植木の陰に隠れる。風は弱いとはいえ、絶えず晒されながらPCに向かってじっとしていると、ウインドブレーカーを着込んでいるにもかかわらず、手先足先が感覚を失っていく。

これはいかん。

PCを畳みしばし丘陵を歩く。防風林を出ると猛烈な風。気温はそれほど低くないのに体感温度はかなり低い。

時折吹き付けてくる突風に、細い尾根でなくて幸い、と夏山登山で時折起こる遭難事故に思いを馳せる。

冷えるからって少々歩いてもあったまらないもんだな。テントを張れるなら張ってビバークが賢明だ。

物陰で寒さを凌ぐのにも限界を感じ、仕方なく近接のショッピングモールへ逃げ込む。作業場(フードコート)が混雑して使えない時間帯だったのでできれば近付きたくなかったのだが。

ショッピングモール閉鎖前まで粘り外に出ると風は若干弱まっていたが、前日のようにピタリとは止んでおらず、再び吹き付けられることを覚悟する。しかし覚悟のわりに体の芯にまではこたえない。気温はやはりそれほど低くない。風が少し弱まるだけでこの違い。

自然が残酷なまでに冷酷に規定するルールのチカラ、あるいは、人体のデリケートさを感じる。

夜空は前夜同様極めてクリア。さそり座のアンタレスがはっきりと赤く見えた。

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