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記憶に残る日

 奈良県で安倍元総理が銃撃され、亡くなった。近年でも少ないビックリ具合、記憶に残る1日になった。

 きのうは通常通りに仕事をしていたところにNHKアプリの速報で事件発生を知った。「安倍元首相が倒れる。銃声のような音」というような内容だった。11:42頃だったと思う。

 あわててNHK総合にチャンネルを合わせたところ、発生時刻は11:30頃だったという。なんという素早さだ、NHK。ちゃんと現場に記者を出していたからできる芸当で、巨大組織の底力はこうしたところに発揮される。朝日新聞も、すくなくともカメラマンは現場にいたようだが、ほかのマスコミ各社はどうだったのだろう。

 みんながスマホでカメラを持っている時代。銃撃の瞬間の動画も出回った。安倍氏が倒れたのは2発目だったようで、テレビ各社はさすがにその瞬間は編集でカット、放送に載せていない。

 動画を見ると、山上容疑者は1発目を撃ったあと冷静に数歩近づいて2発目を撃ちに向かったように見える。安倍氏の心臓に大きな穴があったという。あの腰だめの射撃姿勢から目的をしっかり果たすとは、さすがは海上自衛隊で訓練を受けただけのことはある。

 ろくに練習もしていないヤクザや右翼のチンピラがやったらこうならないことが多い。ま、彼らにとって「銃撃すること」に意味がある行為なら、それでいいのだろうが。

 「殺されちゃいけない」のは、一般人であっても同じこと。それでも、元首相とはいえいまだに政界に大きな影響力を持つ安倍氏である。警察にしてみれば皇族・総理の次に警護をしなくてはならない対象だった。

 各社の報道は警護していた私服の警察官についてすべてまとめて「SP」と表現しているが、警察内部的には「SP」は警視庁警護課の警護官だけ、あとは「私服の警察官」となるようだ。現場に「SP」が何人いたのかは明らかになっていない。
 
 これからは昨日の警備体制に問題があったのかどうかも問われるだろう。犯人は容易に至近距離まで接近することができていた。要人警護は「何も発生しなくて当たり前。なにか発生したら大騒ぎ」となるだけに、大変な苦労だと思う。それでも結果は最悪。奈良県警本部長や警察庁長官、国家公安委員長のラインがどうなるのか。

 結局、きのうは民放各局も含めて昼から夜まで報道特番を続けていた。「参院選2日前」というタイミング。やっぱりテレビ東京だけが“独自路線”を貫いていたことと併せて、長く記憶に残る1日になった。
(22/7/9)

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