秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し20…

秋月春之介

佛弟子。メディア企業で30年以上記者・特派員・カメラマンなど報道セクションに従事し2021年に別部署へ異動。2023年に定年退職してシニアスタッフに。趣味の読書はミステリー、佛道、ノンフィクション、人文系など。仕事を離れた文章を書くことの楽しさに目覚めてnoteデビュー。

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「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

「文は人なり」といいます。定年を間近にして、これから会社以外の世間さまで出会うであろう人々に「私はこういう者です」と言えるような記事を書いていきたいと思っています。しかし・・・ 苦労した駆け出し時代サラリーマン記者として昭和の終盤からニュース原稿を書いてきました(キャリアの中ではカメラマンなどもやりましたが)。大きな枠としてはこれも「文章を書くこと」ですが、宿命として取材と執筆を両立させる必要があり、常に時間に追われる作業になります。もちろん趣味で書く物ではないし、上司(デ

    • 身近なテーマについてじっくり読む【感想文】「定年準備」楠木新

       感銘を受けた「定年後」の続編的な一冊。  テイストも内容も前著と大差はない。やはり我が事としてしっかり読ませてもらったが、自分にとって内容が濃密であること、文章が必ずしもストレートに伝わるものではないことから、ページ数以上の歯応えを感じる読書体験になった。  突き詰めて要約すると「何をやってもよく、何もやらなくてもいい。自らの個性にあった働き方、生き方をすればよいのだ。大切なのは退職後の一日一日を気持ちよく『いい顔』で過ごせることだ」。これを自分で考えろ、ということだと

      • 「壮にして学べば」

         先日も書いたことではあるが、Wordのアウトライン機能がすばらしい。  担当するプロジェクトごとに「やることリスト」を作成する。アウトライン機能は、どうしても長くなるリストをサブ項目ごとに小分けができて、しかも折りたたむことができる。このため全体を一覧したうえで必要なサブ項目だけを展開できる。  また、それぞれの項目もドラッグ&ドロップで簡単に移設できるし、サブ項目の追記も容易だ。  これによって担当しているプロジェクトの「毎年やるべき汎用リスト」が完成、あとはそれを

        • 紅茶も美味しい

           先日家族と訪れたレストラン。タルトが評判の店だが、パスタなどの軽食もなかなかのもので、たっぷり堪能できた。  私はもう5年以上も断酒が続いていていまや「飲みたいな」とも思わないが、次男も積極的にアルコールに手を伸ばすことはない。この日はアールグレイティーをオーダーしていたのである。  ひとくち味見をしたが、これがとても美味しかったのである。長男も「紅茶ってこんなにおいしいんだねえ」と感心しきりである。  「そういえばスタバにもあったな、アールグレイ」と思い立ち、先日久

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        「文章を書く」愉しみ~自己紹介と過去記事(抜粋)

          財布の紐をユルませる“仕組み”

           昨夜の我が家の献立は炊き込みご飯だった。炊き込みご飯といえばお沢庵がよく合う。  出てきたのは先月の業務の帰路に立ち寄った海老名サービスエリアで購入した沢庵だ。正確な値段までは憶えていないが、なかなかお高かっただけにとっても美味しく、ご飯がどんどん進む。  そういえば私は小田原駅で乗り換えがある際にも改札近くの土産物店で七尾たくあんを買う習慣がある。こちらは900円程度だったように覚えている。  しかし。  冷静に考えてみると沢庵1本で900円という値段はど

          財布の紐をユルませる“仕組み”

          Wordの「アウトライン機能」をやってみる

           業務上のメモは会社の自分のアカウントにフォルダごとに分けて残す毎年担当する社内行事は前年のメモを参照しながら組み立てることになるので、特にしっかり残しておく必要がある。  メモを残すのはワープロソフトWordだ。もしかするともっと適切なものがあるのかもしれないが、なにしろワープロソフトは長年使ってきたし、このデータが使えなくなるシチュエーションがやってくることは考えにくいだろうと思っている。  項目の数が増えて数ページにもなると、スクロールだけでも煩雑になる。このため見

          Wordの「アウトライン機能」をやってみる

          おぢの人格形成にもなっている⁈【感想文】「読書は格闘技」瀧本哲史

           「2020年6月30日にまたここで会おう」の瀧本哲史氏によるブックガイド。原著が6年も前なのでディテールで古さを感じてしまうところは仕方がないが、読書案内として十分に楽しんだ。  特に「Round11 国語教育の文学」「Round12 児童文学」の章が秀逸、膝を叩いた。私の読書は単なる娯楽でしかないが、やっぱり人格形成につながっていることに気づいて、救われた気分になったよ(^^;;読メでのアウトプットも少しは向上につながっているのか? (22/1/2読了)

          おぢの人格形成にもなっている⁈【感想文】「読書は格闘技」瀧本哲史

          顔つきが変わってきたようだ

           「禅寺に入って修行をしている雲水は、“顔立ち”は簡単には変わらないものの、“顔つき”は1カ月で大きく変わる」という話を聞いたことがある。なるほど、精神が変われば外面に滲み出るものも変化するのが人間なのかもしれないな。  ことし大学を卒業した次男。末っ子のオタク体質というかなりユニークな性格とあって「本当に自立してやっていけるのだろうか?」と親として心配ばかりしている。  2週間の座学を経て、4月中旬からは埼玉と千葉の県境付近にある研修センターに泊まり込みで溶接やフォーク

          顔つきが変わってきたようだ

          「世が世なら切腹だ」

           詳細は書けないが、身近でこんなできごとがあった。  関連会社が主催するイベントに皇族のおひとりがご臨席されるものがある。段取り・警備・接遇、、、とにかく大騒ぎになる。 そのイベントの今年のこと。 皇族用にお見せするために用意していた「式次第」で、あろうことかごあいさついただく段取りの記載がすっぽり抜け落ちていて、当日それをご覧になったご本人から「私のあいさつはないのですか?」と聞かれてしまったという。諸般の都合で去年はなかったごあいさつがことしは復活していたもので、前

          「世が世なら切腹だ」

          拷問の責苦のような・・・

           2泊3日の出張に出た。業務自体は中程度の負担にすぎないし、結果的に満足する成果を得て帰京した。  なんとも閉口したのが相方の壮絶な鼾である。  慣れないベッドに呻吟しているうちに相方はすぐに寝入ってしまった。その素早さにも驚くが、あの鼾のすさまじさはどうしたことか。寄せては返す轟音が続くのである。  不思議なのは、この盛大な鼾は2晩とも未明には静かになることだ。鼾にも波があることを知った。  うーん、来年以降、どうやって彼と別部屋にするのか。思案のしどころである。

          拷問の責苦のような・・・

          シンプルな文章で独白を丁寧に綴る【感想文】「ブラックボックス」(群像2021年8月号)砂川文次

          (ネタバレあり)芥川賞候補作「ブラックボックス」読了。芥川賞はまったく守備範囲ではないのだが、作者の砂川文次氏は元自衛官という経歴が気になって前回ノミネート作「小隊」から注目している。本作前半はメッセンジャー業務についてのあれこれが丁寧に描かれて面白い。後半は刑務所に入った主人公の内省と独白に磨きがかかって、さらに読み応えがあった。徹底的に刈り込まれた文章が心地よい。他の候補作は未読だが、芥川賞選考ではどう評価されるのか。ところで、p265上段「シフトを大目にいれていたから」

          シンプルな文章で独白を丁寧に綴る【感想文】「ブラックボックス」(群像2021年8月号)砂川文次

          カネで買える時間と優越感

           「東京のラーメン店に有料で予約を取るサービス」とテレビニュースで見た。「インバウンド需要を取り込むために」というくくりである。  予約の手数料はひとりあたり390円。ホテルのコースではない1杯1000円程度のラーメンではなかなか割高に見えるが、客はインタビューに対して「カナダドルで3~4ドルだし、時間がをかけずにすぐに食べられるので気にならない」と答えていた。こんなところにも円安の“効果”が現れているのだな。  店にシステムを提供している会社の担当者は「観光客は時間に対

          カネで買える時間と優越感

          採血の朝の憂鬱と愉しみ

           血糖値が高いので、会社の診察室で定期的に採血をしている。  けさも10時に採血とあって、朝食を摂ることができなかった。腹は減るし、なによりジョギングもできないので朝にやることがなく、手持ち無沙汰である。「それならギリギリまで寝てればいいじゃないか」と思うものの、自動的に目が覚めてしまうのが還暦なのだ。  採血後は会社そばのマクドナルドに駆け込んでの朝食だ。これだけが楽しみという残念な朝。 (24/5/7)

          採血の朝の憂鬱と愉しみ

          コンテンツの争奪戦

           ボクシングの井上尚弥の強さはおそろしいほどで、登場する試合はいつも大注目。そして今夜は元2階級王者で現WBC1位の“悪童”ルイス・ネリ戦だ。東京ドームのチケットがほぼ完売というのだから、すごい。  井上戦については地上波テレビに出てこないのがアタリマエになった。きょうはAmazonプライムの独占中継だ。たまたま加入しているから楽しませてもらうが、「つまり課金がいやなヒトは見られない時代になったのだな」と思う。  放映権料がものすごいのだろう。そして制作費を絞りに絞ってい

          コンテンツの争奪戦

          ことしのGWの思い出

           還暦ともなると大型連休だからといって疲れる外出は滅多にしないし、新しいこともやらない。前半も後半も基本的に本を読む幸せにどっぷり浸っているだけだ。  それでもあとになってことしのGWを思い出すなら、こんなことになるのだろうか。  長男がきょう入籍をする。披露宴をやらずに両家の食事会だけだったので、きょうが結婚記念日になるのだろう。「おい、記念にきょうの新聞の朝刊を取っておいたらどうだ?」とアドバイスした。そういえば次男が生まれた日、駐在していたバンコクの読売新聞をキープ

          ことしのGWの思い出

          粗製乱造本

           カレンダー通りの勤務体制なので、本日は連休後半の2日目。相変わらずの読書三昧になる。  今週はとんでもない駄本に当たった。  医者を名乗りながら自己啓発系書籍をたくさん書いている方が、読書の効能や技術を説いているもの。これが酷い。ダラダラと同じことを繰り返すだけでなく、自分がいかにスーパーマン的な業務量をこなしているか、自分の過去の著作がいかに評判になったかを延々と綴るだけだ。  この方の著作は過去にも少し読んで「こりゃ、ダメだ」と見切ったにもかかわらずまた手にしてし