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#30DaySongChallengeとわたくし

DAY 0:

数年後に2020年の春のことを回顧した時にそういえばあんな時期もあったなあという、ライブもサッカー観戦も当たり前にあった日々を取り上げられ、でも我々には音楽があったよという暗い穴の中の30日間の記録を残しておきたいと考えた(回顧できる程度には平穏な日々に戻ってくれないと困るのだけど)。誰が思いついたか知らないが、30日間なんらかのお題に合わせた曲を紹介し続ける、パブリックドメインとしてのチャレンジ。SNS時代の持たざる者の承認欲求を実にちょうどよく満たしてくれるではないか(自嘲で言ってんですよ)。いい曲しか紹介していないので皆様もしばしお付き合い願いたい。

※DAY 0のHumble PieはTwitterでは紹介していなかった(それはそうだろうDAY 0なんてないんだもの)が、わたくしは学生の頃に先輩方と組んでいたバンドでこの曲をコピーしたことがある。平成初期とはいえ当時の大学生としては渋味あふれる選曲で、いい先輩に恵まれたなと今にして思うところではある。

DAY 1: A song you like with a color in the title

初日の「色の名前がついた曲」は割とすんなり思い浮かんだ。いくらでもある中で最初に思い浮かんだのだからこれは直感に従うべきだろう。まだ冬の寒さが残る4月上旬に聴く、初冬の澄んだ冬の宵闇の音楽。

DAY 2: A song you like with a number in the Title

マイナンバーといえばToots & the Maytals、Toots & the Maytalsといえばマイナンバー。一般的ではないがわたくし内ではそうなっている。そういえばマイナンバーカードないと10万円もらえないんだっけ?(しゃらくさいので意地張ってカード作らなかった過去が今になって効いてきている)

DAY 3: A song that reminds you of summertime

真夏の曲ならアイドルポップスでしょう!たくさんある中でやっぱり一番に思い浮かんだのがRYUTistのこの曲。一般的な夏のイメージというか、青い屋根のクジラがをくぐった向こうにあるパラダイスなので柏崎(鯨波)の夏一択。ローカルアイドルがやるべきことをきっちりやっててしかも名曲なので推すしかない。ジャマイカンクラシックの直後にアイドルポップスを躊躇なくぶっこむこの流れ、今後も頻出するので覚悟してほしい。

DAY 4: A song that reminds you of someone you'd rather forget

他人の忘れられない人のことを無課金で聞けると思うなよ(課金しても聞けると思うなよ)。BBPは2000年前後の東京勤務のついでに夜遊びを極めていた時期を否応なしに思い起こさせるのである。あんな日々はもう来ないとは思うが、夜更かしが出来なくなったというだけでやっていることはほぼ変わらない。

DAY 5: A song that has to be played loud

すべからく音楽は爆音で聴かれるべきものと思っているが、この曲のイントロは世界一かっこいいカッティングなのでひときわデカい音で聴きたい。当方こう見えてHigh Timeがピークの初期ミッシェル原理主義者である(原理主義だからTMGEという略称も使わない)。

DAY 6: A song that makes you wanna dance

フル動画ではなくて恐縮だが(各自検索とかしてほしい。君等の手のひらにあるそれはカマボコ板かなんかかね)Negicco「圧倒的なスタイル」の凄味はこの短い動画に9割方詰まっている。落ちサビから間奏の間の、フロアで左右に揺れるネギライト、ぽんちゃの「ラインダンスやるよ~!」の掛け声から始まるオタク老若男女全員参加のラインダンス。何度見ても泣きそうだし初老の体に鞭打ってでもラインダンスがしたくなる。生で、大勢で音楽を浴びるってこういうことだ。推すしかない。

DAY 7: A song to drive to

車を走らせながら聴くからにはなんらかの疾走感が欲しい。そういった意味でこのORIGINAL LOVE初期の名曲は外せないところだ。余談だがAメロはフリッパーズ・ギターの「午前3時のオプ」にものすごく似ているし、アルバムのジャケ写もAKB48の「ヘビーローテーション」にまあまあ似ているが、いずれもオリラブが先であることは明言しておきたい。

DAY 8: A song about drugs or alcohol

「ドラッグかアルコール」と言うからにはなにがしかネガティブな感情を想起させる曲を選べということだと思うが、お酒の楽しさが分からないなりに楽しいお酒の音楽を今はチョイスしたい。余談だが超個人的なこの曲の思い出として「友達の友達が作ってくれた特選スカコア名曲集カセットテープに曲名もアーティスト名もなく突っ込まれてて、かっこいい曲だな~と思いながら2年近くワントラの曲と知らずに愛聴してた」エピソードがあり、他人に好きな音楽を紹介する手段がカセットテープしかなかった90年代末期のロマンがあると思う。数年後に偶然居合わせたワントラのライブで判明するのもロマンだ。

DAY 9: A song that makes you happy

問答無用の多幸感、それはだいたいライブの記憶とリンクしている。このライブ(Kakubarhythm meets Niw! records 2009)にはわたくしも行っており、多分映像のどこかでタオルを回しているはずだ。あとHOPEでタオル回すようになったのも確かこの時期のライブからだったはずだ。11年前か…

DAY 10: A song that makes you sad

「悲しい曲」の定義は様々なれど、世には「ない記憶」を想起させる悲しい音楽というものが確実にある(そしてスカートの曲は得てして「ない記憶」に刺さるものが多い)。好きな歌をどうやって忘れようか考えるほどの悲しみとはなんだろうかと考える。

DAY 11: A song you never get tired of

以下は通称「エルヴィス」と聞いてピンとくる仲間だけに向けた文章だが、週に1回必ずみんなで歌っていた曲だもの、一生飽きるわけがないですよね。今までもこれからも。

DAY 12: A song from your preteen years

歌謡曲が豊潤な文化だった時代を生きてきた中高年の義務としてこういう音源は折に触れて思い出していきたい。あと職場の人とカラオケスナックなどに行った際にこの曲を歌うととてもウケがいい。(しかし中高年であるが故、DAY13の「70年代の音楽」DAY29の「子供の頃を思い出す音楽」と時期的に丸被りなのだが、インターネット集合知のお題に文句を言っても仕方あるまい)

DAY 13: A song from the 70’s

ギリギリ70年代かと思うが、リアルタイムではないけど後年聴いた時に「えっこれがn×10年前の音楽!?」という新鮮な驚きがあるのでロッククラシックスを掘る姿勢は間違っていない。物知りな先輩に教えられた、いま好きなアーティストがルーツに挙げていた、等きっかけはなんでもいいのである。掘ろうぜ過去を。古い墓を暴こうぜ夜の間に。

DAY 14: A song to be played at my wedding

これもインターネット集合知に文句を言っても…的なお題ではあるが、当面予定のない自分自身はさておいて、列席した結婚披露宴でこの曲が流れたら嬉しいので新郎新婦を全力でハグしに行って式場スタッフに取り押さえられたい。じつに素敵じゃないか。

DAY 15: A song you like that's a cover by another artist

(非公式の野良動画さえ挙がっていない。それでこそインディーミュージック)世界一かっこいいカヴァー曲、それはSUPER JUNKY MONKEYによるTHE WHOの名曲「See me, feel me」であり異論は一切認めない。混沌の極みから踏み出した大サビのユニゾンの力強さよ。SJMを超えるガールズバンドは絶対出てこない、と老害発言覚悟で言い切りたい気持ちが少しでも分かってもらえたら幸いである。

DAY 16: A song that’s a classic favorite

所謂音楽ジャンルとしてのクラシックには当方とても造詣が浅いので、しれっとジャマイカンクラシックを挙げたいと思う。このリズムこのビートで一晩中疲れることなく踊れてしまうのがスカ、レゲエ、ロックステディなど南の国の音楽のいいところである。

DAY 17: A song you’d sing a duet with someone on karaoke

(おっKeishi Tanaka2曲目だね)わたくしはこの曲なら男声パートも女声パートもなんなら間奏のホーンセクション(♪パーパラッパッパッパー)まで全部完璧に歌える自負があるのだが、いかんせんデュエットを求められるカラオケの場において一緒に歌ってくれる人がいない。カラオケ向きかどうかはさておき、パーティにダンスと恋は必要不可欠だなという確信が高まる曲である。

DAY 18: A song from the year I was born

当方1971年生まれなので意気揚々とソウルクラシックを紹介する。みんなが知ってる印象的なフレーズも良いのだが、長い長いアウトロ(と呼んでいいのだろうか)も輪をかけて良い。あと調べたらこの曲は1970年発表だった。こまけえこたあいいんだよ(かっこいいから)

DAY 19: A song that makes you think about life

ああこれも何らかのしがらみで野良動画もサブスク配信もされていない、だが自分の葬式では絶対BGMで流してもらいたいと思っている曲、PLAGUES「眠っているのなら」。参列者みんなお焼香しながらわたくしの人生に思いを馳せるといい。それから自分の葬式セトリはもうちょっと死期が近づいたらspotifyでプレイリスト作るのでちょっと待っててほしい。

DAY 20: A song that has many meanings to you

「いろいろな意味がある」にはその人にとって本当に言外のいろいろな意味があるということだ、無課金で聞けると思うなよ(2回目)。なんと30年近く前のこの曲、そしてこの映像には過剰なほどの情報量があると思っている。一応お若い皆様に説明するけど若き日のコーネリアスさんと小沢健二さんだ、30年前のある種のユース世代が「いろいろな意味で」虜になった理由によかったら思いを馳せてみてほしい。

DAY 21: A song you like with a person’s name in the title

若く美しい歌い手が、その人のキャラクターとは離れたなんらかの物語の登場人物となるMVがとても好きだ。登場人物の名前が歌い手と同じ「カエデ」、みんなの「ない記憶」を想起させる昭和家屋の佇まい、そして新津の国道沿いの電話ボックス…というところで現実と虚構の境目がはっきりしなくなり、聴いた(視た)我々も虚構の中に迷い込む。彼女はきっとよい歌い手になると思う。

DAY 22: A song that moves you forward

世界中がなんらかの絶望と諦念に覆われている今(2020年春)、前を向かせてくれる音楽をひとつ挙げるとしたらこれだと思った。2011年の夏に発表された曲、といえばその意味は分かるだろう。個人的には絶対に生き延びて冬には奈良に行くのだ、という希望が湧いてくる。奈良ほんといい街ですよ。

DAY 23: A song you think everybody should listen to

一時期「全人類が聴くべき!」ぐらい暑苦しくプレゼンしていたが、今もまあまあ本気で全人類が聴くべきだし世界を変える音楽だと思っている。初めて聴いたのが小さなヴェニューでのライブで、一発で虜になったもの。マーケティングやらトレンドやらを一蹴する立ち位置でライブシーンに生きている人達にしか出せない音である。あと関係ないがその時に撮った(ライブ中の撮影の是非には諸説あるが、これはバンド側からSNSでの拡散込みでお目こぼしされていたケースなのでご了承願いたい)TA-1くんの写真がすこぶる現場感が出ているのでみんなもみてほしい。問題があれば削除します。

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DAY 24: A song by a band you wish were still together

KONCOSの次にriddim saunterを紹介するとこのお題の主旨に矛盾が生じそうだが、現在のKONCOS、ケイシ、LEARNERSの活動を素晴らしいと思う気持ちと何かの偶然でriddimの5人が集まって音を出してくれたらいいなという気持ちはさほど矛盾していないと思う。最後のライブとなった中野サンプラザの緞帳が下りて「Blank note -epilogue-」が流れる中、泣き腫らした目でぼんやりと座席の背に腰掛けて緞帳を眺めていたことは恐らく忘れられないし、その時に物販で買ったTシャツは再結成ライブに着ていくつもりなのでまだ封をあけていない。そういう受け手側のロマンもあっていいだろう。

DAY 25: A song you like by an artist no longer living

上田現しかりSJMのムツミしかり、多感な時期に聴いていたアーティストの不在に向き合うことが得意ではない。佐藤伸治という、生きながらにして彼岸との境界をふらふらと彷徨っていた人物だから尚更だ。春なのに25度を越えていこうとするような季節に、何度もその不安定な気持ちを思い出すのだろう。

DAY 26: A song that makes you want to fall in love

(おっNegicco2曲目だね)誰かに対して、だけでなく何か(それはアイドルでも構わない、勿論!)に対して恋に落ちる高揚感は性別年齢問わず覚えがあるものだろう。好きになってもいいのかなと問われたら「イイヨー!」と全力で肯定したい。それにしてもこの曲、ほどよくメンバーの名前をコールできる譜割り、PPPH(パンパパンヒュー)できるBメロ、ケチャうつしかない落ちサビとアイドルポップスの不可欠要素を全部備えていて、そりゃライブ定番曲になるわけだよと納得するし要するに推すしかない。

DAY 27: A song that breaks your heart

この選曲だけはお題の主旨と合致してないなという自覚はあるが「想いを寄せる人が自分以外の誰かに『僕に幸せと言ってよ』と歌う」シチュエーションを試しに思い浮かべて欲しい、立ち直れないほど心が潰れる思いを追体験できるはずだ。はずだ! まあそんなこじつけはさておいても、ラブソングはシンプルであればあるほど胸に響くものだなと思う。名曲。

DAY 28: A song by an artist whose voice you love

わたくしの心のソウルシンガー。このひとの声がスキャフル時代から一貫してとても好きだ。余談だけどこの曲を主題歌にした80年代の架空のドラマがCS(TBSチャンネルあたり)で再放送されていたらとてもイイ感じだと思う。同意を得られにくい比喩だが伝わるだろうか。

DAY 29: A song you remember from your childhood

前述のとおりDAY 12のpreteen years、DAY 13の70’sと何が違うのかというハナシになるが、子供の頃聴いた…という括りで考えると、昭和50年代初頭のローカル静止画CMのBGMとしてのディスコクラシックスなので当たらずとも遠からずではないだろうか。ディスコに繰り出せる年齢の頃にリアルタイムで聴きたかった気持ちもないではない。

DAY 30: A song that reminds you of yourself

最も難しくて最後まで何の曲にしようか決まらなかったお題、自分自身を想起させる音楽。音楽に自分自身を想起してもらおうなど如何に承認欲求の鬼といえども烏滸がましさ&気恥ずかしさこのうえなく、30日間の最後に相応しいハードルの高いお題ではある。烏滸がましさを乗り越えた選曲がコレで、バンドはやっていないけど悪い大人の手本ではあり続けたい、という希望も込みである。憧れますよね、悪い大人の手本(小林製薬風)。そしてこのMVを久々に観た結果、狭くて汚くて全てが詰まっているライブハウスに行きたい気持ちが増している。行きたいですよね、狭くて汚いライブハウス(小林製薬風)

以上。世界が元に戻るのかどうか分からないが、元に戻った世界で大きな音で聴きたい曲ばかりなのでspotifyのプレイリストも作成した。よかったら聴いてほしい。当然サブスクに入ってない曲もある訳でそれは各々CDを買うなりなんなりしてほしい。今回に限っては文章こそがオマケだ。とにかく聴いてほしい。あなたの #stayhome のお供になれたら幸いである。


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