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映画「ゴジラ-1.0」(2023)を観た

 全部ぼくの感想。深い洞察とかはしていません。映画「シン・ゴジラ」(2016)の話もします。

 Amazonプライムビデオを開いたらトップページに表示されていたので、観た。
 神木隆之介氏のファンであるぼくの友人のお陰で公開されたことは知っていたし、その友人からかなり面白いということも聞いていたが結局映画館で観ることはなかった作品だ。かなり期待して観始めた。
 昨年の10月にアマプラで「シン・ゴジラ」を観たのもあって、両作品を比較しながら観るかたちになったが、対照的でどちらも面白い作品だと感じた。
 現代と戦後、国ひいては世界対巨大生物と民間の少数対巨大生物、みたいに。(友人が、あえて対比になるように構想されたと教えてくれた。すごい)

 突然だが、ぼくはもともと怪獣映画とか破滅的展開の映画があまり好きではない。背景や人生や家族のある人間が語られることもなく呆気なく死んでいって、“数”になって、その数が表す“状況”になるのが恐ろしいからだ。でも「シン・ゴジラ」も「ゴジラ-1.0」も最後まで観られた上に好きな作品にもなった。
 「シン・ゴジラ」では物語のテンポがよく、淡々とした映像がまるで報道のようだったし、基本的に問題を解決するための最前線を映し続けていたから上で述べたことをあまり気にせずにいられたのだと思う。何より、圧倒的な脅威に対して人と資源と技術力のすべてをぶつける豪快さが面白かった。火器もたくさん出てきてブチ上がった。詳しくなくても分からなくても格好いいものは格好いい。加えて、ぼくの人生に縁のある立川市が撮影場所となっている部分があり、そこでもちょっと嬉しくなったりした。
 「ゴジラ-1.0」はずっと最低最悪の展開が続き、より絶望感が強かった。今までの人生で、こんなに穏やかなシーンで落ち着かなかったことはない。時代設定的に仕方ないけど国も世界もなんもしてくれないし。しかし、どん底を経験したばかりの人間たちが立ち向かっていく。世のために死ぬのではなく、一人一人がこの先を生きるために。また、主人公の救済の物語になっているのもぼくにはとても好みだった。あれを成し遂げたとき、彼は自身と家族と、国、未来、何も失わずに今度こそ守りきって、肩の荷が降りたのだと思う。ぼくは夜明けのストーリーが好きなので、登場人物が這い上がって歯を食い縛って生きる筋書きがぐっと来た。
 作中では主人公のトラウマやサバイバーズギルトに触れるが、その描写も映画に凄味を与えていた。舞台設定からこの作品は全員が状況や経緯の差はあれど“生き残り”で、“生き残り”が生きていくための話なのかなと感じた。

 話は逸れるが、神木隆之介氏が演じる壊れた人間が上手すぎてすっげ~~~~~~と思った。目元に力が入って三白眼になっているのとか、瞬きが少ないのとか、目の焦点が合っていなくて遠くを見ているのとか、喋っていないときは一点を見詰めたまま固まっているのとかがあまりにも“マジ”で良かった。そんな彼が、ラストで憑き物の落ちたような顔をしていたの、本当に感慨深い。

 あとやっぱり火器は格好よかった。

 致命的に人を覚えられないので名前が思い出せないのだが、映画後半で対巨大生物の作戦立案者となる“学者”が好きな登場人物。

 激アツ。最高。たぶんまた観ます。

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