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『東アジア動乱 地政学が明かす日本の役割』

『東アジア動乱 地政学が明かす日本の役割』

著者:武貞秀士
出版社:KADOKAWA(角川oneテーマ21)
発行年:2015年1月10日

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(内容紹介)
ランドパワー、シーパワー、イスラム勢力図
3グループに集約する世界
摩擦の裏側にある地政学的な要因。
対立を乗り越えるための糸口とは?
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 漠然としたことを書きます。結構前の話になりますが、ある時期からいつの間にか書店で「地政学」関連の本が目に付くようになりました。書店の戦略だったのでしょうか。それとも時代的な流れだったのか。それはさておき、お恥ずかしい話、そういう学問の分野? があることを知らなかったので、いっちょ読んでみようということで本書を買いました。結構寝かしてしまいましたが……。
 世界は3つに分けられるということが、まず驚きました。〈陸上輸送路を利用して貿易するランドパワー、海上輸送路を活用して貿易をするシーパワー、そのどちらからも影響を受けないイスラム勢力〉(p.3)の3つのグループだそうです。日本はシーパワーのグループに属するようです。本書を通して、そういう観点から各国の動きを見てみると、「なるほど、理にかなったことをしているんだな」と自分の視野が少し広がったような気がします。本書の発売が2015年なので、この物差しで最近の国際情勢を見るとどういう背景があるのだろうと思いました。そういう関連書籍を探してみようと思わせるくらい地政学が興味深かったです。また、ナポレオン1世がこういう言葉を残したらしいです。

「一国の地理を把握すれば、その国の外交政策が理解できる」(p.30)

 うーん、言われてみれば確かにそうですが、言われないと気がつかなかったです。むしろ、裏をかえせば、間違った外交政策をとる国は、自身の国の地理を把握していないということになるのでしょうかね。
 例えば、モンゴルは典型的なランドパワーだそうです。そして、〈モンゴルは地政学的な悪条件を抱えている国である。隣国は中国とロシアの2つだけだ。必然的にこの2カ国との関係が非常に強くなる〉(p.204)。そのため、貿易の多角化を目指し、日本や北朝鮮などにも目を向けているそうです。
 そんなこんなで、政治と地理の関係性、すごいおもしろいです。

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