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コーディネーター・アラジンのブログ #128 卒業生講話2024(1)

The Role of a Shrine Maiden: Unveiling the Duties

例年、3年生が卒業して、明日から後期入試が始まるというこの時期には、社会人の方や卒業生を招いて、1年生や2年生たちが、お話を聴くという会があります。

今日は、去年の3月に白馬高校を卒業してちょうど1年というFさんに「巫女」という仕事について、お話しをしてもらいました。

Fさんの勤務先は、あの有名な安曇野市の穂高神社。職業は巫女。

穂高神社の奥宮が上高地の明神池にあるので、毎年秋には、山の安全を神に感謝する奥宮例大祭(明神池お船祭り)があり、こんな船にも乗るそうですよ。

明神池お船祭り

巫女というとみなさんはどんな仕事をしているイメージですか?

生徒からは、「おみくじ!」「お祓い?」「舞を舞うとか...」と答えが返ってきます。

お守り頒布、御祈祷補助、舞奉仕、外祭、リゾートビューふるさと号神社案内、御朱印書き...

お守りの頒布つまりお守りの販売はよく見かけますね。二つ目の御祈祷補助といのは、巫女さんは神楽鈴を参拝客の頭上で振り鳴らしてお祓いをするそうです。

神楽鈴を鳴らす巫女たち


次の舞奉仕では、行事ごとに様々な種類の舞を舞うそうです。その種類とは、式神楽・穂高の舞・吾妻胡蝶・豊栄の舞・浦安の舞などがあるそうです。さぞ厳かに舞われるのでしょうね。

4つめの外祭とは、外へ出向く仕事で、主に地鎮祭などの仕事です。地鎮祭は家を建てるときなど、工事が無事に終えることと、家の安全を祈ります。
その際、巫女さんは、司会・進行役や、細かく切った紙を土地に撒いてその土地に安全を祈ります。

5つ目の仕事は、穂高神社ならではですね。JR東日本の観光列車「リゾートビューふるさと号」は、長野駅(長野県長野市)と南小谷駅(長野県北安曇郡小谷村)を、信越本線、篠ノ井線、大糸線経由で結ぶ観光用の快速電車で、穂高駅に停車します。しかも白馬方面に向かうときは、30分以上の停車時間があるため、穂高駅からは徒歩3分で穂高神社に行けるので、この列車のお客さんを、穂高神社まで案内し、神社の説明をする仕事があるそうです。また、列車の出発時刻には、駅でお見送りもするそうです。
(このブログ#72を参照してください)

JRとのタイアップで観光客を増やし、参拝者も増えるこの企画に巫女さんの存在も大きく関わっているんですね。

御朱印帳の記入となると、やはり字が上手でないといけませんね。採用試験の際は書道の審査はなかったそうですが、書道の初心者のFさんにはこれからの修行が必要ですね。

穂高神社の御朱印

さて、巫女の仕事をFさんが選んだ動機について話してくれました。それは、友人が近くの神社で巫女のアルバイトをしているのを見て、自分もやってみたいと憧れたそうです。そのあと、神社に足を運び、その厳かな雰囲気や神社の特徴や成り立ちに触れ、ここで働きたいという気持ちが強くなったそうです。

後輩たちのアドバイスを例年、卒業生が語ってくれます。

Fさんの場合は、やっておいてよかったこととして、高校2年生のときにデュアル実習で白馬村役場に出向き、イベント運営の仕事に関わらせたもらったことで、幅広い年齢層の人と出会う機会が多くあり、コミュニケーションをとることで、社会人としての礼儀やマナーを学び、人前で何かをすることへの自信につながったそうです。

また、やっておけばよかったこととしては、外国人観光客も多いので、英語の学習をしっかりやっておけばよかったと話してくれました。

巫女というある意味特殊な仕事ですが、やはり、どんな職業に携わることになっても、社会人としてのマナーやコミュニケーション力というのが大切ですね。

最後に彼女が残してくれた言葉はこれです。

卒業してたった一年で見違えるほど立派になって、丁寧な言葉使いで後輩たちに自信をもって自分の今を語ってくれました。

巫女という職業を身近に感じることができました。穂高神社はいいところなのでしばしば行くことがありますが、また違った目で見ることができるので、今日の講演は私にとってもいい勉強になりました。ありがとうございました。