白水

「白水」の言葉は陶淵明の詩から拝借しました。白水は米の磨ぎ汁のことで昔はそれを煮沸して…

白水

「白水」の言葉は陶淵明の詩から拝借しました。白水は米の磨ぎ汁のことで昔はそれを煮沸して洗髪に用いたとのことです。洗い流されて跡すら残らない白水。少しでもあなたの心に触れるものがあれば幸いです。

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詩 夏の夜の汗

大風の夜に 汗をかく 窓を閉めきった 夏の夜 窓を開ければ 風が叫び カーテンを連れてゆく 生ぬるい風があたり また汗をかく

    • ショートショート 片割れ

      *はじめに このショートショートは全てフィクションです。 * 写真の中の女性が僕を見た。 白黒の古い写真で、 中央の着物姿の女性が こちらを見ていた。 その顔にどことなく 懐かしさのようなものを 感じて見つめていたら、 僕は見つめ返された。 * 僕には幼なじみの娘がいた。 小さい時からずっと一緒だった。 大きくなると僕たちは、 ごく自然にお互いを 求め合うようになっていた。 それは渇きを潤すように、 僕の中にある空虚さが 満たされていくのを感じた。 遠い昔、

      • 詩 この月のように

        真夜中に月を眺めた 月は明るく輝いていた 「こんばんは」と呟いた もちろん月は何も言わない それでも僕はもう一度 「こんばんは」と呟く きっとこの月を眺めてる あなたに向かって きっとあなたは 月を眺めて誰かを思う その月を眺める顔を 僕は想像する 美しさとは遠くあるもの この月のように

        • 詩 空を泳ぐ魚

          初夏の気持ちよい日 青い空が深く広がる ここは広い空の底 僕は空を泳ぐ魚だ この広い空を泳ぐ 仲間と群れて泳ぐ でもいつも一匹だ 青い空が荒れてても 一匹でもがいている

        詩 夏の夜の汗

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        記事

          詩 何も持たない鳥たちは

          *はじめに 4月に満開だったときの山吹です。 今年も会えました。 * 何も持たない鳥たちは それでも冬を乗り越えて 春の陽ざしを飛び回り 溢れる夏へと辿り着く 何も持たない花だって 季節が来れば溢れる笑顔を 僕たちに見させてくれる この世界に生かされている 何も持たなくても用意されている そっと用意されている きっと用意されている それが信じるということだ

          詩 何も持たない鳥たちは

          俳句 ナヨクサフジ

          俳句 線細く 植田に映る にわか雨 雨宿り ガラス向こうに 夏の蝶 一筋に 線を引くかな 夏燕 紫や ナヨクサフジが 土手埋めて * <詩のようなもの> 近くに麦秋はないけれど 田んぼは水が引かれてて 苗が細い線のよう にわか雨の線も細い コンビニに雨宿り ガラス向こうを覗いてみれば 夏の蝶が舞っていた 雨は降ったり止んだりだ 僕の迷いを断ち切るように 一直線にツバメが飛び去る 目で追いながらも まだ迷う いつもの川原に来てみれば 土手は一面に ナ

          俳句 ナヨクサフジ

          詩 何でもない日

          窓から朝日が差し込み カーテンを開ける 部屋の掃除をして 洗濯物を干す 耳には好きな音楽を流し 軽い運動で身体をほぐす 穏やかなこころを 愛おしむ 僕は支えられている 僕はつながっている こうして一日が流れて 明日も同じ一日が来る 何でもない日が 愛おしい

          詩 何でもない日

          エッセイ 利休遺偈

          GWに三井記念美術館に行った。 「茶の湯の美学」というイベントが 行われていたからだ。 利休・織部・遠州の茶道具が展示されて いた。 三井美術館は財閥でもあった三井家が 記念美術館に寄贈したものが保管されて おり、イベント展示しかなく、 常設展示はしていない。 そもそも美術館が国の重要文化財である。 三井家が収集していた美術品の中に、 利休や織部、遠州の茶道具があり、 それが展示されていた。 昔、勅使河原宏監督の作品で「利休」と いう映画があった。 1989年モントリオ

          エッセイ 利休遺偈

          短編小説 姉妹

          *はじめに 物語背景は1980年代をイメージしています。 このショートショートは全てフィクション です。 * 僕は新卒で4月から地元にある小さな会社 に入社した。 親元から離れるのが嫌だったというわけ ではない。その方が何かと便利だったから だ。 入社してすぐに研修が行われ、僕たち新人 は研修センターで合宿のようなことを やらされた。 小さな会社なので研修センターといっても 取引先の会社の研修センターを借りたと 聞いた。 まあ、僕にはそんなことはどうでもいい。 その研修

          短編小説 姉妹

          詩 残花

          春の終わりと共に 山吹の花は散り 緑の葉に覆われた 一輪だけ残った花は 緑に埋もれてしまい 黄色い色はよく見えない 青ざめたその花は 散ってもいないのに もういない

          詩 残花

          詩 土砂降りの午後

          土砂降りの午後が愛おしい びしょびしょの靴を脱ぎ捨て 長靴はいて水たまりを歩く 少し寒い空気は心地よく 傘をさして歩く街は 僕を自由にしてくれた 土砂降りの雨に流されたのは 鬱鬱とした僕の涙だ 傘を投げ出し立ちつくし ざあざあと僕を洗う 僕は長靴さえも脱ぎ捨てて 裸足で道を歩き出す 顔を濡らす雨は心地よく 濡れる足も光っていた

          詩 土砂降りの午後

          短歌 夏の夜に 空けた窓から忍びよる  その冷たさに こころ抱きしめ 紅茶淹れ 立ちのぼる湯気見つめてる  湯気の向こうに 君を見つけた しあわせは どんな顔していたろうか  これだけとして これまでとして 白水

          短歌 夏の夜に 空けた窓から忍びよる  その冷たさに こころ抱きしめ 紅茶淹れ 立ちのぼる湯気見つめてる  湯気の向こうに 君を見つけた しあわせは どんな顔していたろうか  これだけとして これまでとして 白水

          俳句 釣り掘

          *前書き GWに山近くの池(釣り堀)で 慣れない釣りをしたときの句 * 夏めくや 池の水面に 浮かぶ浮き 岩魚釣れ 慌てて針抜き 吾探す 祈るよに 針の返しよ 外れよと 輪をかいた トンビに取られて 空青く

          俳句 釣り掘

          詩 初夏よ

          柔らかい風が通りすぎる その風に僅かに花の香を嗅ぐ ベランダにイスを持ち出し 小さなテーブルにティーカップを置く 干したばかりの洗濯物が揺れる その膝は僕の帰る場所となり その胸は僕の安らぎとなり 風の香を嗅ぐほどに思いだす

          詩 初夏よ

          エッセイ 「海辺のカフカ」

          *はじめに 2002年に出版され世界中で読まれた本を、 僕は今読んでいます。とても楽しく。 僕と同世代の年齢では僕くらいでしょうか。 今頃この本で感動しているのは。 村上春樹の昔の本を買い漁っているのは。 * 僕は村上春樹の本を読んだことがなかった。 あることがきっかけで、 僕は「笠原メイ」という名前を知り、 誰なのかをネットで調べたら、 村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」に 出てくる登場人物だと知った。 僕は気になって「ねじまき鳥クロニクル」 を古本屋で3巻買って読み

          エッセイ 「海辺のカフカ」

          詩 残春の雨

          八重の桜を散らした雨は 木漏れ日をピンクに染める 地面に咲いた満開の桜 風に吹かれて舞い上がり 車が通れば飛び散って 皆に踏まれて 明日にはなくなる 嵐のように降る雨は 残り少ない春を知らせる 忘れやすい僕に まだ春はいて 別れも告げてないと 冷たい雨で教えてくれる

          詩 残春の雨