詩)アクマ免疫学入門

この世を影で支配するアクマは

他人の手を借りねば　実は何も出来ぬ

依代は先人の無敵のアイデアに酔いしれる

彼の生来の常人としての感性は

絶えず遠心分離機にかけられているも

まったくの自覚なし

絶対優位に固執したアクマの一族

抑圧した民衆たちの呪詛返しには細心の注意を払う

基本　互いに争うように仕向ける

惰性の繁栄は　すべからく虚栄

奪って代わられるやもしれぬ

支配を維持するための強力なアクマのチカラが必要と

残酷さ極まった血の儀式を行い

身内の肉体にアクマのペルソナを降ろす

さあ　世継ぎに相応しいアクマよ　おいでませ

長（おさ）に倣い　恐怖をひた隠して踊り狂ううちに

そのペルソナが立ち顕れる

アクマは他人の手を借りねば　何も出来ぬ

それは肉体を持たねば活動できぬという意味でもある

彼らの悲願であるルシファーの召喚

成功するか否かは民衆の不安や恐怖の意識の総量

それが形成する磁場の振動状態に懸かっている

並行して　きゃつらの計画書を聖なるものと広めて

全世界の人々の心のデータ領域に滅びのアクマの種を蒔く

やがて条件が整えば悪趣味かつ尊大なアクマの存在を許してしまうことになるだろう

ただ　ある東の島国の人々の心には馴染みが薄く

◯書的のアクマの勢力たちは侵略できずにいる

驚くべきことに娯楽文化がそのままアクマへの免疫を作り出しているのだ

名状し難い存在すら　ゲームのラスボスとして屠殺される

さらにはデフォルトで第六天魔王

我らが織田信長が心に陣取っている

天下統一のついでに堕落し切ったアクマ寺を滅ぼした功績

現代においては英霊として数々のスピンオフ作品に出演

無所属　ノーギャラ　太っ腹　あんたが大将

絶賛活躍中であるからして現代の作法もつつがなく

その他もろもろの神仏の信仰それらに勝る人気と知名度

もう次のネタではラーメンで天下統一に精を出しているやもしれない

ついに宇宙の法則を乱す対価無視の召喚が可能となった

バァトルドゥオーム！

いかん　ついテンション上がってしまった

言いたいのは　もはや　古きダサきアクマでは

信長には太刀打ち出来ぬということだ

降臨の方法？

仕方ないここまで付き合ってくれたならお教えしよう

福音のテクニックを使う

自転車に乗った白人の宣教師の洗脳状態を観察して

編み出した方法だ

今から私が訊ねるから

さもありなんとハイと返事すればよい

信長って知ってる？

(ハイ)

だよね　やっぱり　知ってるよね

ふーん

信長を知っているということは

君は信長だよね

(そういやそうだわ　ハイ)

あとは貴方の信長で動き出す

そういうもんです

阿呆が！

？

あれ！？それ牙神幻十郎！

あはは　あるあるだよぉ

完)アクマ免疫学