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6月5日について話そう。

窓に流れる景色に、とても懐かしいと感じる場所があります。
過去にそこに住んでいたんじゃないかな。。と思ってしまうほどの。
川を隔てて見えるその家は、白岩の上に建ち、朱と碧の屋根が緑の木々に覆われ、香りのカタマリのような物となって私の感傷に触れて来るのでした。。
その場所を通るのは、年に数回と少ないのですが、いつもマイクロバスの中で1人、その窓に流れる景色を不思議な気持ちで眺めていました。

その後、少し大人になった私は数年ぶりにその場所を通る機会がありました。それまでは、大勢が乗ったマイクロバスの車中に眺めていましたが、この時は2人での移動の車中。
徐々に近づいてくるその場所を思いながら私は、
「この先に、凄く懐かしく感じる場所があるんだよね。」とつぶやくと。
ハンドルを握りながら「え、それ私もある。」と。
「ふ〜ん。。そうなんだ。じゃあお互い、その場所を教え合おっか。。」

助手席に流れる窓の景色を先追いして、私がその場所を指差すか差さないかのその瞬間、

「ここ!!」と2人同時に指を差してしまう。
「えぇっ・・・。」・・・・・ 「気持ち悪る〜〜〜っっ」
「いや、つか、怖いでしょ。。」
その場所はあの香りの余韻を引きながら過ぎて行きました。

ハンドルを握っていたその女性は、5年後にめでたく結婚。
挙式は10月1日。(ちなみに私の誕生日 www)

俗に言われる「赤い糸で結ばれたお相手」。
そんなの絶対にないと私は言い切れます。。
けれども、「絶対と言い切れる」その理由には、「そうあって欲しい」と
思う、強い願望が隠されているのかもしれません。

そう、今日はそんな過去の女性の誕生日なのでした。。


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