春の終わり、夏の始まり 22
6月第1週の末、唯史と義之は近場の公園に出かけた。
広々とした敷地は自然が豊かで、池や遊歩道、ベンチが整備されている。
あいにくの曇り空であったが、時折風が吹くと木の葉がさわさわと音をたてていた。
花壇には色とりどりの花が咲き乱れ、歩いているだけで心が癒されるような雰囲気だ。
まず二人は、人気の少ない遊歩道を歩くことにした。
唯史は先日借り受けたカメラを、義之も愛用のフルサイズカメラを首からかけている。
「とりあえず、好きなように撮ってみたらいいよ。要はモニター見ながらシ