映画レビュー(95)「大河への道」

プライムで拝見。
千葉県香取市。市役所の総務課に勤める池本保治は、地域振興の会議で郷土の偉人・伊能忠敬を主人公にした大河ドラマを誘致する提案をする。
知事がご指名の脚本家がまた難物で、池本は頭を抱える。何とかシノプシスを作り始めるのだが、史実では伊能忠敬は地図の完成の三年前に死んでいたことがわかる。
現代の物語と、作家のモノローグから始まる江戸時代の伊能隊の物語が並行して進む構成にまず感心した。さらに映画ならではの面白さは、両方のドラマで同じ役者が別人を演じる。それが過去と現代の相似形な関係を描いてまた秀逸。人間は今も昔も同じなのだと。
原作はどんな小説だろうと思ったら、立川志の輔さんの創作落語とのこと。なるほどなと膝を打った。物語の原型は、落語や講談などの口承文芸なのだという確信を強くした。
物語を創作する人は必見の作品だ。
大河への道


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