短編小説:こんにちは、赤ちゃん
「わたし、もうここには来ないと思います」
昼の面会の終りに担当看護師にそう伝えて、大学病院から半年前に購入した白いマンションに帰って来たわたしは、その次の日、本当に保冷バッグに冷凍した母乳を詰め込んで病院に行くということをやめた。
(もうあそこには行かないんだから、搾乳なんかやめよう)
そう思ったのに、わたしの気持ちを全く理解しないわたしの乳房は3時間毎に律儀に母乳を生成し、乳房の持ち主であるわたしがそれを無視していると、今度は限界まで満ちた母乳はわたしの両乳房を岩のよ