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ハゲと振り返るXperia 1シリーズ(後編)

Xperia 1 IIまで振り返って

前編でXperia 1 IIまで振り返りました。クリエイター向けに路線変更しニッチ戦略へと移行したXperia 1。ソニーの持つ強みを凝縮したXperiaでしたが課題は多く残されていました。そして後継機であるXperia 1 IIは前代の課題を克服し完成度を高めました。順調に進化を遂げXperia復活の兆しが見えてきました。そんなXperia 1 IIの後継機を見ていきましょう。

フラグシップらしくなった「Xperia 1 III」

Xperia 1 IIでソニーへの期待が高まった中で発表されたXperia 1 III。リーク情報では48MP+48MP+48MPでイメージセンサーの刷新と大判化に高画素化されると言われていました。私はウキウキでXperia Announcement 2021をリアルタイム視聴しましたが、まぁ満足できる内容で私も珍もにっこりでした。

まずはカメラ。
48MP×3は嘘でした。まぁ信ぴょう性の低い情報だったので期待はしていませんでした。そして一番期待していたイメージセンサーの大判化は無く、IMX557(1/1.76”)続投でした。他社フラグシップが1/1.3”級の大型イメージセンサーを搭載するこの2021年に1/1.76”のままだとはがっかりです。
しかし、悪いところばかりではありません。ようやくXperia初となるペリスコープ望遠を搭載し、それも70mmと105mmを切り替えられる世界初可変式ペリスコープ望遠でした。このお陰で3つのレンズで4つの画角を使えます。更に望遠のイメージセンサーはIMX663(1/2.93”)で前代の1/4.5”からかなり大判化されています。大口径で低照度にそこそこ強いペリスコープ望遠はフラグシップにふさわしい望遠カメラでした。

他には世界初となる120Hz駆動の4K HDR対応の有機ELディスプレイを搭載し、これまでの疑似90Hzからネイティブ120Hzに対応しました。これもフラグシップには必要不可欠な装備です。

『Cinematography Pro』や『Photography Pro』のような新しいクリエイティブアプリはありませんでしたが、『Game enhancer』が進化しました。ディスプレイの設定が変更でき、ゲームに最適化された画面でゲームに集中することができます。加えてオーディオイコライザーもいじれるようになり、ゲームが大好きな私は素直に射精しました。

そして心臓部であるSoCはQualcommのSnapdragon 888。ジュッセンパイヤーの再来とも呼ばれるこのSoCは爆熱、電池持ちカスのハズレSoCです。処理性能は高くゲームもサクサクですが、いかんせん発熱が酷くてパフォーマンスを維持できません。寒さの厳しい冬の雪国でゲームをするならポカポカで気持ちいいかもしれませんが、発売されるのは夏です。そして多くの人は暑~い本州の大都会に住んでいます。もうどうなるかはお分かりですよね。大半のユーザーはンアー!!(≧Д≦)となるわけです。

更にバッテリーが500mAh増量された4500mAhになりますが、結局SoCが邪魔してバッテリー持ちはうんちっちです。しかし筐体サイズをほぼ変えずに500mAh増量できたのはすごいことです。内部スペースに余裕があるとは考えられません。

と言った感じで大きな進化はペリスコープ望遠くらいしか無いわけですが、しっかりとフラグシップらしい仕上がりになり、完成度が高まりました。順調に進化したので次は大きい進化、つまり大型モデルチェンジを期待しています。特にカメラのハードウェアあたりをアップグレードするとXperiaはもう完成したと言って差し支えなさそう。後継機に期待です。

信者が呆れる大失敗作「Xperia 1 IV」

Xperia 1 IIIまで順調に確実に進化を遂げてきたXperia。私はそろそろ“大型モデルチェンジ”を期待し、Xperia Announcement 2022をとても楽しみに全裸待機していました。いざライブ配信が始まると胸はドキドキ、珍はボキボキでリアルタイム視聴していたのですが、その興奮はすぐに冷めることになるのです。
なぜならXperia 1 IVはXperia 1 IIIから大して進化していないどころか退化していたのです。なぜそう思ったのかを詳しく書いていきます。

まずはカメラ。私はカメラのハードウェアスペックのアップグレード、つまりイメージセンサー刷新と大判化を期待していたわけです。ところがどっこい蓋を開けてみると3世代連続でIMX557(1/1.76”)ではありませんか。はぁ。
557がないとき~! ワハハハ!!
557があるとき~! ・・・・・。
がっかりを通り過ぎて呆れました。
フラグシップハイエンドがこぞって1”級の大型イメージセンサーを搭載しているこの令和4年に1/1.76”の豆粒センサーを搭載するって、ここは平成ですか。1”級は無理だとしてもせめてIMX766クラス(1/1.56”)のイメージセンサーを搭載してほしかったのですが、ソニーにはそれすら無理だったそうです。
広角はさておき他の画角はどうでしょうか。
超広角は据え置き、望遠は85-125mmの連続光学ズームレンズに進化していました。私は当初、望遠が連続光学ズームレンズになったことと焦点距離が伸びたことに感動しましたが、この気持ちもまた裏切られることになります。
なんということでしょう~。望遠のイメージセンサーはIMX663(1/2.93”)だと思っていたらIMX650のクロップ(1/3.5”)を搭載していました。元から約1/3”だった小型のイメージセンサーから更に小型化するなんて馬鹿げています。でもまぁ焦点距離は伸びたからトントンなのかなと自分を納得させようとしましたが、実焦点距離はXperia 1 IIIの可変ペリスコープ望遠と変わらず、イメージセンサーが小型化したことによる見かけの焦点距離が伸びただけでした。擁護できる余地はなく、あまりのお粗末さに私は心肺停止状態に陥ってしまいました。

私  「ん、んん?ここは?」
看護師「ふさふささんが目を覚ましました!」
私  「ェ、Xperia 1 IVはどうなったんですかっ!!?」
私  「私はそれでも買うつもりなんです!価格は据え置きですよね?!」
主治医「落ち着いて聞いてください。」
主治医「Xperia 1 IVは4万円も値上げして発売価格が19万円です。」
私  「ふぁっ!?」 ピーーーーーー(心肺停止)
主治医「いかんいかん!電気ショック持ってきて!!」

このお粗末ぶりで発売価格が19万円であることを知った私は再び心肺停止状態に陥ってしまいました。
果たしてこの価格が納得できる価格なのかを調査すべく他のスペックも確認していきましょう。

カメラ周りのソフトウェア。
ハードウェアが全く進化していなかったのはわかったのでソフトウェアで挽回してくれ。そう思いカメラソフトウェアの変更点を調べてみたが、大きな変化はなし。ソニーがソフトウェアに力を入れることがないことも、開発力がないこともわかっていたので期待はしていませんでしたが、がっかり。
強いて言うなら全画角で4K 120fpsのスローモーション撮影ができるようになったことが大きな進化です。Vlogブームを見越して静止画から動画へと力を入れたことは良いことです。ソニーのクリエイター向けの動きを見ていると間違った進化ではないと感じます。しかし、私は静止画しか撮らない上に発熱で1時間動画撮影するのも大変で、すべてが中途半端です。

そしてスマホの心臓部であるSoC。
Xperia 1 IVのSoCはQualcommのSnapdragon 8 Gen 1。発熱が酷く、消費電力量も多いこのハズレSoCをどこかで見た覚えがありませんか。そう、あのXperia Z4を苦しめたSnapdragon 810です。ソニーは一度失敗しています。あの経験を元に対処してくるに違いない。誰もがそう信じていました。
ところがどっこいXperia 1 IVはあのジュッセンパイヤー顔負けの爆熱ホモSoCであるSnapdragon 8 Gen 1をあろうことかベイパーチャンバーを搭載せずに、グラファイトシートとソフトウェア制御だけで熱対策をするというQualcommもたまげるクソムーブをかましたお陰で、スマホとしてまともな性能を維持できません。
救世主岸田氏が転職したらこれかよ。怒りが止まりません。キッシーかむばっくぷりーず。

それに合わせてバッテリーもXperia 1 IIIの4500mAhから500mAh増量した5000mAh大容量バッテリーを搭載しています。が、結局ハズレSoCのせいで電池持ちはよくありません。しかしながらバッテリー容量を増量したのにも関わらずXperia 1 IIIから約3gも軽量化できたのはソニーの謎技術です。筐体サイズも変わりませんし、内部スペースに余裕があるとも考えられません。どうなってんねん。

ハードウェアはこのくらいにして次は本体ソフトウェアを見てみましょう。
どうやら新たなクリエイティブアプリとして『Music Pro』を搭載しています。クラウド上でソニーのスタジオクオリティの高音質化処理を施してノイズや雑音、残響音を低減してくれる「Stodio tuning機能」。いわば場所を選ばずどこでも音楽制作ができるという優れもの。
しかし、音楽制作する一般人をそんなにいないでしょう。しかもその「Stodio tuning機能」は月額580円を支払わなければなりません。誰が使うねん!とツッコみたくなります。

結論から言えば大失敗作です。4の呪いに侵されているのか4世代目はハズレがちです。
こんなん(Music Pro)載せただけで4万円(値上げされたようなもんやん)やろ。はっきり言うて。おーん。

信者が呆れる
ソニーのお荷物
失敗の刻告げる
爆熱スナドラ

全米が泣いた神機「Xperia 1 V」

ところであなたは朝食は米派ですか?それともパン派?
当然こm。え?あ、パン派?
それはそうとして日本はお米の国です。稲作は2000年以上の歴史があり、今もなお日本人に愛されています。
そんな米粒一粒一粒が歓喜の声をあげ、涙する神機が2023年にようやく現れることになります。
ちなみに私は朝食はパン派です。もちろん5枚切のね。

歴史上類を見ない大失敗作Xperia 1 IVを見せつけられ、その後継機でもあるXperia 1 Vにはなーんの期待もしていませんでした。一応、Snapdragon 8 Gen 2を搭載することは知っていたので多少マシになるとは思っていましたが。
しかし、発表直前に公開された動画には「Next-gen Sensor」と。
おい!それってYO!イメージセンサー刷新じゃんか!アッアッアッアッアッ!!‼‼
私はXperia 1 Vへの期待が勃起のごとく高まりました。
そしていざXperia Announcement 2023のライブ配信が始まると珍がバキバキのボキボキで痛くなるほどの興奮を覚えることになります。

なんということでしょう~。これまで3世代続いた豚まん臭い豆粒センサーがようやく戦力外通告され、新型のイメージセンサーに刷新されました。
しかも世界初の2層トランジスタCMOSのExmor T for mobileのIMX888(1/1.35”)です。実際はIMX888は52MPで1/1.35”で、Xperia 1 Vはセンサーのアスペクト比の都合上、48MPにクロップしているため1/1.43”ですがそれでも十分なセンサーサイズです。
加えて2層トランジスタCMOSですから暗所に強くノイズの少ない良い写りをします。あまりの感動に下の涙が止まりません。
しかしながら残念なポイントもいくつかあります。
1つ目は超広角と望遠が据え置きであること。広角だけ2層トランジスタCMOSのため暗所で撮影中に画角を切り替えると画質と明るさの差に悩まされます。動画だとなおさら。
2つ目は望遠が据え置きということはあの豆粒センサーで画質がXperia 1 IIIに劣るペリスコープ望遠を使わなければならないということです。ソフトウェアでXperia 1 IV比でマシにはなったんでしょうが、ハードウェアが弱すぎます。広角のイメージセンサー刷新が最優先なのはそうなのですが、望遠も高画素化と大判化してほしかったです。
3つ目は相変わらず手ぶれ補正がうんちっちなこと。過去のどの発表会でも手ぶれ補正が強化されたとはアピールされておらず、ほぼ変化なしだと予想されます。実際、低照度での撮影でブレやすく感じますが、三脚で絶対手ブレさせないマンの私には関係ありません。

お次にカメラソフトウェアを見ていきましょう。
Xperiaにようやくまともな夜景モードが追加されました。早速夜景で試してみたのですが、肉眼だと真っ暗なのに普通に明るく撮影できて感動しましたね。それも他社ほどシャドウを上げず自然な写りで。
しかし、これにも残念なポイントがひとつあります。それは強制的に夜景モードをONにできないことです。AutoとOFFしか存在しないためにXperia 1 Vが夜景だと判断しない限り夜景モードがONになりません。
次にクリエイティブルックが搭載されました。ソニーの一眼カメラαに搭載されている機能です。これにより様々な表現が可能になり、より撮影体験を向上させました。これは素晴らしい進化です。
最後に全画角でAF/AE追随30fpsのバースト撮影が可能になりました。いや速すぎんだろ。元からXperiaはバースト撮影が強かったですが、Xperia 1 Vで別次元へと進化しました。これさえあればエッチなシーンも撮り逃しません。

そして心臓部のSoCはQualcommのSnapdragon 8 Gen 2。はい勝ち確です。本当にありがとうございました。
Snapdragon 8 Gen 2は高い処理能力を備えながら発熱が抑えられ、消費電力量も少ない近年稀に見る神チップです。
これによりXperia 1 Vは高い性能を安定して維持できます。ここ2年間は発熱が凄まじくスマホクーラーを装着しなければPUBG MOBILEも満足に遊べませんでしたが、このXperia 1 Vではそれを必要とせずにゲームができるので快適です。Qualcommは反省して二度とジュッセンパイヤーJr.を生み出さないでください。

その他はほぼほぼXperia 1 IVと変化なしです。強いて言うならデザイン刷新と素材変更くらいです。しかし、カメラ刷新と神チップ搭載でここまで変わるとは驚きです。そう思うとXperia 1 IIからXperia 1 IVまでの2年間はなんやったんかと怒りが込み上げてきました。

そしてみんな気になる発売価格は194,700円!安い!安すぎる!
私は即予約しました。
というかXperia 1 IVはこれ以下のくせになんでほぼ同じ値段してたんだよと、またまた怒りが込み上げてきました。

Xperia 1シリーズを振り返って

Xperia 1 IVというソニー信者なら誰もが目を背けたくなる大失敗作も残念ながら存在してしまいましたが、着実に進化を遂げています。毎年完成度を上げ続け、ソニーらしい製品を出してくれるのは大変ありがたいことです。
他社のスマホが優れていることは知っていますし、実際そちらの方が売れています。しかしながらXperiaの代わりはXperiaしかありません。Xperiaでしか味わえないエクスペリエンスがあり、感動を提供するクリエイティブカンパニーであるソニーにしかできない製品です。
加えてXperia 1シリーズでニッチ戦略へと移行したことは大成功だと考えます。実際に私は尖ったあのXperia 1に惚れ、今もなおXperia 1シリーズに魅力を感じています。
次のフラグシップXperiaがシリーズ変更するのか、それとも続投するのか、そもそもXperiaブランドなのかは知りませんが、これからもソニーらしいXperiaを作り続けてほしいものです。

ハゲの一言

2023年に優勝するまで暗黒期が長く続きリーグ優勝は18年間、日本一は38年間できなかった阪神タイガースを応援している気分です。だからXperiaファンは実質阪神ファン(暴論)。

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