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彼女は彗星

空も海も風も超えて。成層圏より遥か遠く。
どこまでも飛び越える船に乗りながら君を想う。

パッチリ二重と、絹のようにサラサラの髪。
くすみピンクとキラキラしたものに目がなくて、
うんと美容に詳しい君はほうき星に乗ったよう。

如何なる時も、自分でやると決めた事は、
着々と遂行し、必ず勝利を勝ち取ってきた。

すんごいシッカリしてるのかと思いきや、
急に炊飯器のことを「チャーハン」って呟く。
そんな天然な一面をポロリと零していく。

私達は、いつもニコイチ。
部活のオフの日には、必ず彼女とデートして、
プリクラ撮ったり、パンケーキ食べたり。
おにぎり片手に何時間も笑い合ったっけ。

こんなに一緒にいるはずなのに、私はまだ
彼女の全貌を捉えたことがない。

声デカ・馬鹿・刺青・お歯黒の4択を出題して、
妄想彼氏を作って遊び出したり。
(彼女は刺青、私は声デカをセレクト!)

就活の時には、誰よりも声を張り上げて、
画面越しの面接官に、圧倒的な印象を与える。
(おじさんがビビって焦る顔が見たいらしい)

時を重ねれば重ねるほど、話せば話すほど、
彼女の知らない一面を、また1つ発見する。

こんなにも、可愛いく、尊く、不思議な生命は、
彗星から舞い降りた天使以外考えられないよ。

もし、彗星の彼女も同様に、私のことを、
地球上で出会った中で、誰よりも未知だと
認めてくれていたらそれは人生最上の喜びだな。

あと2時間。早く会いたい。彗星のあなたに。

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