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言葉の奥行き

「このエッセイ、ゆきっぽくて非常に良いね」

去年と同じ場所、同じ時間、同じ服装の君に、
1年間かけて綴ったラブレターを本にして渡した。

時間をかけて、丁寧に読み進める君の横顔が、
この世界の何よりも美しいと思う。

初デートに感じた忘れられない胸の高鳴り、
中々会えずに淋しくなってしまったあの夜、
離れていてもそばにいると実感した日のこと。

木漏れ日の中で、共に振り返る思い出達は、
1人で綴った何百倍もキラキラ輝いていて。

“寂しい”と”淋しい”
2種類ありましたが、どんな意識をして、
使い分けているのですか?

ハッとした。

今日まで一度も喧嘩しなかったのは、単純に、
君が優しいからなのだと思っていた。

そうじゃない。

私自身も気付かない程の小さな感情の揺らぎを、
こうして零さずに掬い上げてくれるからなんだ。

言葉の奥の奥の奥にある空気まで、読み取ろうと真正面から向き合ってくれるからだ。

私が言語化出来るまで、じっと隣で待っていて
くれるからだ。

「話してくれてありがとう。頼られるって幸せ」
「選ばせてくれてありがとう。楽しかったよ」

決して「どういたしまして」とは言わない君の
心根の温かさが、私達の平穏を紡ぎ続けている。

だから私も。

君の人生史上最も温かい人間でありたいし、
いつだって百点満点の笑顔で君と向き合いたい。

また1年後、これを読んでもらえる頃には、
君の「たおやかさ」に少し近づけますように。

これからも世界で1番大好きなんだから!

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