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「SaaS」ってなに。ITツールを使った営業とマーケティングの話

こんにちは。みなさん調子はどうでしょう。

コロナの影響で外出自粛が要請され、会社から出社禁止の令が出ている人も多いと思います。

けれど、いざ在宅勤務しようと思っても、会社に資料がある。や、ネット環境がアクセス負荷に耐えられず仕事にならず、暇を持て余して佐藤健のYouTubeを見ている。という人も中にはいることでしょう。

企業としても、普段からこういった事態に備えることが出来ておらず、生産性が落ちているところはかなりあると思います。

事実、アメリカ企業のテレワーク導入率が世界最多の85%なのに対し、日本企業は18%程度にとどまっていると言われています。

※もちろん業種的にテレワークを実現できない会社は多いので、そこにとやかく偉そうなことを言うつもりはありません。

それに対して政府としても危機感を覚えていて、厚生労働省からは発表されている『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』という報告書の中で日本企業にDX(デジタルトランスフォーメーション)を求める指針とその理由が記載されています。

☞『DXレポート』かなりザックリ言うと
・このまま日本企業がIT活用せずに生産性向上を目指さない
・ビジネスモデルを変革しない
と、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性がありますよ。チョーヤバいんだよ。という文書

じゃあ解決するための鍵はどこにあるのかというと、最近流行りのSaaS、PaaS、IaaS等のクラウドサービスにあると言われています。

そんな横文字知らねえやぁい!

というどこぞの江戸っ子たちのために、今回は『SaaSビジネス』『新規顧客獲得から顧客満足度維持』の企業活動を行う際に今後耳にするであろう代表的な横文字群について、僕自身IT初心者ながら解説していきたいと思います。

1-1 SaaSってなに?

SaaS(Software as a Service)の略称で「サース」、「サーズ」と読みます。

これまでパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、クラウド上に置き換え、インターネット経由でサービスとして提供・利用できるようにした形態のことです。2006年~2008年にかけてその名を知られるようになってきました。

例)Microsoft office365, G-suite, Dropbox, Salesforce, freee, LINEWORKS ,その他グループウェア


1-2 特徴とメリット

特徴はデータをインターネット上に保存することができ、PCだけでなくスマホやタブレットなどの多様な端末からアクセスできる点です。

<メリット>
☞ 複数人がデータの共有、同時編集ができる
☞ インターネット環境があれば場所を選ばない
☞ 利用端末にソフトウェアをダウンロードする必要がないので導入から開 始までがはやい。導入コストがかからない
☞ ユーザー側でアップデートやセキュリティの管理が必要ない

例えば、外回りの多い営業職では、出張先や外出先から同じ情報を見れるので、どこでも業務が行えたり、わざわざ会社に問い合わせる必要がなくなります。

1-2 デメリットは?

一見メリットだらけに見えますが、実は利用上注意しなくてはいけないことがある点も事実です。

<デメリット>
☞ セキュリティ面での不安
☞ 障害時の対応の遅れ 
☞ 囲い込みの問題

 ブラウザを使ってソフトやデータベースにアクセスできるのでセキュリティ面でリスクがあります。サービスを提供しているプロバイダ側が高セキュリテイを保持しておいても、利用するユーザ側による情報漏洩のリスクもはらんでいます。

 基本的にSaaSの障害耐性は高いと言われています。しかし、障害が起きた際にはユーザー側は手も足もでず、復旧までの間サービスにアクセスできなくなってしまうので、逆に業務が滞ってしまう可能性もあります。

 また、万一プロバイダが倒産、サービスが終了した場合には、簡単にシステム移行ができない場合があります。


2 主なソフトウェアの種類

企業の中に様々な部署や業務があり、それぞれに対応した製品が出てきている為、SaaSのサービスは数多く存在しています。

企業資源管理、労務管理、会計管理  etc...

そんな中でユーザーである企業が売り上げを確保するために必ず必要なものは何でしょう。そう、その企業の製品、サービスなどを利用する顧客です。

新規顧客を獲得し既存顧客に利用し続けてもらうことが、利益の源泉となるため、いかにそうした企業活動を効率的に回していけるかが鍵になってきます。しかし、過去の営業・マーケティング活動は担当者の経験や勘に任せることが多く、ノウハウを蓄積することもできませんでした。

例えば、説明会・セミナーを行っても参加者に対してのフォロー、アプロ―チを行うかどうか等のその後の行動は担当者によって異なることがほとんどできませんでした。

しかし現代、SaaSの登場によって、ツールによって自動化された営業・マーケティング活動であれば担当者に任せきりではない最適化された活動が可能な状態に変化しています。代表的なマーケティング支援ツールには『MA』,『SFA』,『CRM』の3つがあり、それぞれ担当領域を図式化してみると下記になります。

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ここからはこの図をもとに『MA』『SFA』『CRM』について説明します。


3 マーケティングオートメーション Marketeing Automation(MA)

マーケティング活動を自動化するためのツールです。上記の図では緑色で示されている領域で活用されます。

例)Marketo,SATORI,Adobe Marketing Cloud(Adobe),Pardot(Salesforce)

市場には多くの潜在顧客がいますが、不特定多数にアプローチをかけることはできません。そこで企業は、顧客の情報を展示会やセミナー、名刺交換をすることで入手します。電話番号やメールアドレス等企業からアプローチできるようになった顧客を『リード』、見込み顧客を獲得するこの段階を『リードジェネレーション』と呼びます。

見込み顧客を獲得すると、次のステップは、リードに対して適切なコンテンツを適切なタイミングで発信し、アプローチをかけていく段階です。

一人ひとり異なる興味・関心内容に即したコンテンツを提供し、継続的にコミュニケーションを取り続け、ニーズが顕在化したタイミングを逃さずに営業アプローチすることが重要ですが、これら一連の業務を手動で行おうとすると、莫大な工数が生じてしまいます。そこを担当するのがMAです。

どのお客さんがどんなページを見た。どんなメールを開封した。

というのをMAツールでログを取り、分析することで、あらかじめ設定しておいたメールやメッセージを自動送信します。そうすることで、自社製品への興味関心を高めていき、購買への見込み度合いをスコアリングしていくのですが、スコアが一定以上になった”見込み高”のリードを『ホットリード』と呼びます。



4 セールスフォースオートメーション Sales Force Automation(SFA)

MAから抽出されたホットリードに対して効果的な営業活動を仕掛けていくためのツールがセールスフォースオートメーションツール(SFA)です。上図では黄色で示した領域です。後述するCRMツールと重なる範囲でもあります。

例)salescloud(salesforce),e-セールスマネージャー,Senses,kintone(cybozu)

ホットリードの情報をもとに営業担当がどのような営業活動をしたか、その際の見込み顧客の反応はどうだったのか、次にどのようなアクションを想定しているのかなど、営業活動をデータベース化する事が出来るサービスです。

下記の大きな5つの機能が備わっているものをSFAツールと呼びます。

・顧客情報管理
・案件情報管理(案件の進捗、売り上げ金額、見込み確度・時期)
・営業マンの行動管理(提案商材数、受注率、顧客への訪問回数)
・予実管理(予算に対する実績の割合)
・レポート管理(営業活動の報告、週報や日報)

SFAツール導入のメリットとしては、

顧客との向き合い方がどう売り上げに影響するのかを分析することで営業活動を”見える化”

活動報告を簡易にできたり、必要な情報をすぐに見ることが可能なため営業活動が”効率化”

各担当の営業担当のノウハウが蓄積され、ベテランが退職したとしても蓄積したノウハウで次世代を育成することが出来るので営業活動が”標準化”されます。


5 カスタマーリレーションシップマネジメント Customer Relationship Management(CRM)

日本語では「顧客関係管理」と訳され、顧客満足度(Customer Lifetime Value=CLV)を維持するため、つまりある顧客が購買後も自社のリピーターであるためにどうフォローしていくべきか、を管理するためのツールです。

上図だとオレンジ色で示されている部分です。

例)Microsoft Dynamics CRM(microsoft),SAP CRM,Sales Cloud(salesforce),kintone(cybozu),Oracle CRM(Oracle)


CRMのツールには以下の機能が備わっています。

・顧客データの管理(プロフィール、属性、購買履歴・志向)
・プロモーション機能(顧客の嗜好に応じて最適な広告をSNS等でダイレクトに表示)
・サポート機能(問い合わせやクレームの管理、顧客に応じた問い合わせ傾向の蓄積)

CRMツールの導入メリットとしては、

顧客情報を”見える化”して蓄積することで、部署や部門を横断して顧客サポートができる点です。

例えば、過去にそのお客様からどんな問い合わせがあってどう対応したら、リピートして購買してもらえた。

また、問い合わせ部門にきているクレームに対する対応状況を確認して営業部門で即時にフォロー。

といった使い方で、顧客と良好な関係を構築していく事が目的です。


まとめ

ここまでSaaSとはどういう業界なのか。どんなツールがあるのか。代表的な3つは何かについて説明してきました。

そんなん知ったところで、何の役にも立たねーよという人もいるかもしれません。
本当にそうでしょうか。

マーケティング部門ではこういったツールの活用が必須になるでしょう。

営業部門では今後、営業活動の効率化が為されていく中で自分なりの付加価値をつけられるところはどこなのかを知ることが出来ると思います。

僕個人の考えとしては、

営業活動を全自動化して人が機械のように動くだけ、になる可能性は極めて低いと思います。なぜなら、お客さんの表情から受注確度やキーマンを読み取ったり、ちょっとした情報から商談を膨らませたりする必要があるからです。

また、効率化された企業活動からは新しく時間が創出されます。そこをどうプラスに活かしていくかが、今後、個人にとっても会社にとっても分岐点になるのではないでしょうか。

つまり人間であることの付加価値を発揮しつつ、新しい働き方を見出す事が求められてくるのだと思います。

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