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くるくる、くるくる

喫茶店の男女共用トイレで用を足した。
断じて言う。私がしたのは小さい方だ。

異変はトイレの扉を開けた時に既にあった。

恐らく前の人のだろう。
それが男か女かわからないが浮力があるうんこが一粒浮いていた。

少し不快ではあったが別に気にせず、座っておしっこをして流すレバーを動かした。

渦が起きて流れていくタイプのトイレだった。
ズボンをあげて外に出ようとするとドアノブに手をかけてふと振り返った。
水面には浮きうんこがぷかぷか漂ったままだった。

なんか嫌だ。
このままだと次の人にオレのうんこと思われてしまうじゃないか!

だからちょっとトイレットペーパーをちぎってペーパーに道連れにして貰う作戦をとった。
さらに「流す・大」をよりグイッと、だ。

ズゴゴゴ…

音の割には水流が弱い。
見守った…流れなかった!

私は諦めて外に出た。
するとそこには若くて美しい金髪の少女が待っていたのだった。

あー!!よりによって!
でももう引き返せはしない。
私は自分の席に戻った。

数分後、トイレから出てきた金髪少女がチラリと私を見て去って行った。

あーあ、オレのと思われちゃったぁ〜
なんか凄い悔しかった。

2階から外の窓に目をやるとさっきの金髪少女が、家族と何やら楽しげに話しながら歩く後ろ姿があった。
何気なくそれを目で追っていると、

手をくるくるくるくると回すジェスチャー
笑う
店を振り返る

うんこが浮いててくるくる回ってたよ!
まじウケる〜
多分あのジャパニーズのだよ〜

だろうな!
オレのじゃないのに!
あー悔しい!

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