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文章を書けるようになって、いいことがたくさんあった。

人生で初めて明確に「文章を書くのが上手になりたい」と意識したのは、中1のときだったと思う。それから数十年。

上を目指せばキリがない世界で、満足できる日は訪れないけれど、それでも書き続けることで書くことに慣れてきて、今日ここまでですでにいいことはいっぱいあった。得をしたとも言えるかもしれない。『文章を書けるようになると、人生得することが多いんじゃないか説』を、わたしひとりの体験談で検証してみようと思う。説を信じるかどうかはお任せします。


たとえば、自分のことをわかってあげられる。わたしは昔から、自分の心の扱いづらさに頭を抱えてきた。でも、それを文章にするとちょっとすっきりする。悩んでは書いて悩んでは書いて。それで自分の輪郭が見えてきた。わたしはこういうときにこう考える癖があるな、だったり、わたしの本心はこっちなんだろうな、だったり。頭の中でこんがらがったあれこれを、文章や言葉を使えばひとつひとつほどいてあげることができる。いわゆる「生きやすい」人間にはまだまだほど遠いけれど、書いてなかったらわたしはもっと感情をこじらせていたかもしれない。

たとえば、就活の場面でとても役立つ。自己PRや志望動機、それから面接での回答。ひとつひとつに文章力は活かせると感じる。何を伝えるか、どの順で伝えるか、どのように表現して伝えるか。それを変えるだけで、同じ経歴であっても相手への伝わり方はまったく変わってくるはず。

たとえば、人間関係の余計なストレスが減る。会社員だったころ、営業職の社員に「このメールを送ったら、お客さんがとてもお怒りになって。どうしたらいいですか…」と泣き顔で相談されたことがあり、どう見ても送ったメールの書き方が問題だったので、その後の返信を代わりに書いたところ丸くおさまった、というできごとがあった。わたしは人と対立したり揉めたりするのが苦手なので、そのときに「文章が書けて助かったー」と心底感じた。おそらくこういう場面が、気づかないうちに日々積み重なっているのだと思う。文面でのコミュニケーションが多い現代では文章力はとても活きるんじゃないか。

たとえば、人に喜ばれる。ちょっとした手紙やメッセージ。そういう場面でも、決まった言い回しではない自分らしい文章が書けると、相手にとても喜んでもらえる。結婚式のスピーチをお願いされるときも「これが言いたいけどなんて言ったらいいかわからない」と悩まなくていい。人に気持ちが届けられる、人に喜んでもらえるって、じんわりとした幸福感がある。

たとえば、最高の趣味になる。書くことに慣れてくれば、どんどんたのしくなる。大好きな趣味になる。わたしは心地よい音楽をかけて、あったかい紅茶を飲みながら文章を書いているときが何よりも「あ〜〜しあわせ~」って実感する。お金がかからず、年齢や体力にも左右されづらく、記事や作品は残り続け、周りには「書くのが好きだなんてすごいね!?」と褒められ、さらには(書いたものを通して)人とつながることもできるという、実にノーリスクハイリターンの趣味である。

たとえば、自分のサービスや商品を人に届けることができる。これは個人事業主だったり自分で仕事をしていると特にそうだと思う。どんなにいい商品やサービスやスキルがあっても、それを知ってもらえなければ意味がない。届けるにはやっぱり、言葉や文章が必要だと思う。わたし自身は、これまでSNSなどで仕事をいただくということをあまり積極的にやってきた方ではないのだけど、それでも何度か経験はあるし、日ごろから発信を続けていればいざサービスができたときにすぐに届けることができると思っている。文章は誰にでも書けるしな…と思っていた時期も長かったけど、実はそんなことはなくて、文章が書ける・発信ができるというのは、結構強いスキルなのかもしれない。


たとえば、日々のささいなことをたのしく感じられる。書き続けるということは、書くつもりで毎日を過ごす、ということではないかとよく思う。この瞬間なんじゃないか、この景色なんじゃないか、この会話なんじゃないか。そうやって、自分が書きたい、書くべき場面を見逃さないように日々アンテナを立てて生きるようになる。それって、苦しいときもあるけど、それ以上にたのしい。見逃すはずだった日常の機微、心の機微を掬ってあげられる。むかし友達に喜んでもらいたくて熱心に書いていたmixiなんて、今読み返すとできごとはしょうもないけど、書かなかったらその瞬間がすっかり消えていたんだと思うとさみしい。

そのほかにも、賞状がもらえるとうれしいし、LINEの返信も困らなくていいし、過去の文章を読んで未来の自分が励まされたり笑ったりできるかもしれない。いいこと尽くめ。ああキリがない!ほんとに、キリがないくらいわたしは得をしているのだ。


おわり

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