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フリーランス1年目にできなかった考え方。



フリーランス1年目だったときのわたしに会えるのなら、言いたいことがある。

「すぐお金になる仕事だけが、仕事じゃないよ」。

わたしはこの考え方ができなかった。長期的に仕事を考えるということが、できなかった。わたしは会社員としてやってきた職種でそのままフリーランスになったパターンなので、今の自分のスキルでできる仕事、経験のある分野の仕事をとにかく受けて、その分の対価をきっちりといただく、ということをやっていた。時給換算したときにいくら以上であればいいなという基準を持って、それに合わないと損をした気持ちになったりもした。どんな仕事がやりたいとか、やりたくないとか、どうなっていきたいとか、そんなことをさほど真剣に考えていなかった。ただ、収入が下がることは嫌だった。

そんなわたしが、いろいろあって今年は不妊治療を最優先するためにストレスやプレッシャーを極力感じない生活をしよう、体調がわるいときにがんばらなくていいようにしよう、具体的には仕事を控えようと決め、締め切りがある仕事や人と時間の約束をしなければならない仕事はしないことにした。自分で締め切りを決めさせていただける仕事だけやっていた。ちょっと極端だけど。だからわたしは今年はほとんど仕事してなかったな、と思っていた。

ただ、学んではいたし、書いてはいた。

そして今年も終わりに近づいてきて今。実は、学んだり書いたりしていたことが、思いがけず芽をだそうとしてきている。具体的にいうと、新しい分野で来年以降の仕事が決まった。わたしがずっとやりたかったことであり、締め切りもそこまできつくない、これからのわたしの努力次第では何十年と長く続けていけそうなことである。まだ戸惑っている部分もあるけど、挑戦してみようと思っている。

発信とかもまさにそうなんだろうなと思う。すぐには形にならないけれど、続けると何かになるかもしれないもの。ちなみに、最初は収益化などさらさら考えていなかったこのnoteも、過去の記事(を有料にしたもの)を最近買ってくださる方が出てきた(大感謝)。コツコツ書いて発信していると、こんなことが起きるのだなあ。


フリーランス1年目のわたしのように、なんでも時給換算して、すでに実っているものすなわち今の自分にできる範囲の仕事の収穫を繰り返していく働き方をしていたら、到底得られなかったものだと思う。目先の収入にはならなかったけれど、今年わたしはとんでもなく大きな未来をたぐりよせたかもしれない。

種をまいて、それを育てていくこと。その工程も、フリーランスの仕事だったんだ。きっと、バイタリティに溢れた人はその収穫と種まきを同時にがしがしやっていけるのだろうけど、わたしのようなすぐ頭がいっぱいになる人間には、じっくりと学ぶこと、育てることに専念する時間が必要だったのかもしれない。通帳残高が減るストレスはあるから、人にはまっったくおすすめしないけど。

先日夫が、わたしに対して「収入にはなってないけど、仕事はしてたもんなあ」と言った。そっか、仕事はほぼできていないつもりだったけど、今年もちゃんとフリーランスだったみたいだ。今回つながった仕事を、どこまで実らせて収穫できるかはこれからの自分次第だなあと、今、ぽたぽた焼きを食べながら考えている。


おわり

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