#6 メタバースに法律家が必要な理由②

こんにちは。紙尾浩道です。
ご覧いただきありがとうございます!
今回の記事では、メタバースに法律家が必要な理由お話しをします。

そもそも、お前誰やねんという方は、こちらの記事をご確認ください。


この記事の内容

この記事では、メタバースに法律家が必要な理由のお話しをします。

中身は詳しく知らないけれど、「メタバース」って言葉だけは聞いたことがある!という方も増えてきている実感がありますが、あなたは聞いたことがありますか?

メタバースとは、コンピュータの中に作られた、仮想空間のことを指すそうです。

そんな「もう一つの世界」には、法律家が必須だと思うのです。

ちなみに、すでにいくつかの法律事務所が、メタバース上に事務所を出したりしています。

この記事を執筆するキッカケ

この記事を書こうと思ったのは、ひと言で言うなら、「誰も言ってないけど、絶対に必要だよなぁ」と思ったから。

そのことを後から言うと、「後出しじゃん!」と言われそうなので、今のうちに証拠を残してやろうという魂胆。

ここはすごい面白いと思うんだけどなぁ・・・

面白さを説明してみますね。

前回の復習

一つ前の記事は、メタバースって世界を作ることなんだから、ひとまず、現実の世界はどうやってここまで来たんだっけというのを振り返ってみました。

世界には、争いがあって、その結果「法律」というのができて、その「法律」にも3つの特徴があることを説明しました。

まだお読みでない方はこちらをご覧ください。


「法律」の特徴とメタバースでの違い

おさらいしつつ、今回は違いの部分を考えてみます。

①最終的な判断者が必要

法律は、どれだけ文字に起こしても、最終的にその解釈が正しい!と判断する人が必要でした。

現代のほとんどの国において、その役目は「裁判所」が担っています。

となると、メタバースにも裁判所が必要なんだっけ?

この部分については、必要だとして、メタバース上に裁判所を作るという考え方がまず一番シンプルに思いつきます。

もっとも、じゃあ誰が「裁判所」役を担うかは、その世界を作り上げた人に拠ることになると思います。

自分がやる。または自分が決めたルールで、自動的に判断がなされるように仕組む。など。

他の考え方としては、この部分も多数決に近い考え方で(イマドキ風だとDAOで)紛争を解決するという考え方もあるでしょう。

ただ、冷静に振り返ってみると、メタバース上でのトラブルは、ある程度種類が限定されそうな気もします(できることを限ってしまえばよいので)。

現実世界では、結婚があれば離婚に際してのトラブルがありますが、そもそも結婚という仕組みを作らなければこのトラブルは生じません。

また、交通事故は、そもそも絶対に起こり得ないようにしてしまえばよいのです。

唯一ありそうなのは、報酬トラブル。
メタバース上の中で仕事をしてもらって、その対価を定めていたのに、何らかの理由で支払われない/支払いが遅れるなんてときにトラブルが生じそうですね。

こちらについては、事前に予測ができそうなので、個人的には、メタバースを設計する段階で、どのようなトラブルが起きそうかを予言する人と一緒に作り、裁判所機能はいらない(放棄する)なんてこともあり得るのかもしれません。

②世界に合わせて変更が必要

法律は、世界が変わると、それに合わせて、都度変更が必要でした。

日本の場合は、国会がこの、「変更」を担当していたわけですね。

メタバース上では、変更が必要なんだろうか?

この点については、そもそも、「世界が変わる」ということが少なそうです。

現実世界では、コロナが流行したおかげで、様々なルール・法律が変更を余儀なくされましたし、戦争の結果によって、法律体系を丸ごと作り変えられたこともあります。

しかし、ここまで急激な変化がメタバース内で起こるかは、正直、全く不明というところでしょう。

法律たるルールの変更は、①で述べたような考え方で、そもそも「変化が起こるような世界の側を変える」という方が早そうですが、ある程度、そこに既得権益が発生して来た後に代えようとするならば、やはり、「ルール」の側を変える必要がありそうです。

③多数の賛成が必要

多くの民主主義国家では、法律は、国会などの立法府で制定されます。

と、なると、決め方は多数決。

ごく一部例外的に、絶対的な権力を誇った君主(王様)が決めてしまうことがありましたが、それだと怖すぎるということで、多くの国が多数決を採用。

メタバース上では、この決め方に縛られる必要があるのか?

この点は、①でも少し触れたとおり、独裁でも構わないと思います。

もっと言えば、最初から「この世界に入るなら、このルールは絶対に守ってもらうとすることもできてしまうんです。

反対に、DAOのようにみんなで決める方法もあります。
およそ全部のことを決めるのは無理なので、限定的に、「支払が遅れた人はこうする」など、テーマごとには多数決を採用することもできるかもしれません。

結論

メタバースは「新世界」を作る作業なので、根底から作りこむことができます。

従来の「法律」が持っていた特徴も、必然ではなく、ひっくり返してもよさそうということが分かりますね。

最後に

最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
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