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自由な議論を楽しむための「安心ターミナル理論」

今日はファシリテーションで重要な「安心ターミナル理論」というセオリーを紹介しようと思う。

先日、とある会社の中期経営計画策定のための役員会議にアドバイザー的な立ち位置で関わる機会があった。
役員は社長以下16名。平均年齢は50代後半だろうか。いわゆる日本の立派な大企業だ。
その会社では、今まで僕のような外部の人間を交えた議論をする機会はなかったらしく、それだけこの機会にかける意気込みの高さが伺えた。

1日かけた会議だったが、僕に明確に与えられた時間はそのうちの2時間だった。
この2時間を使って何かを話してくれ、というオーダーだ。もちろん中期経営計画に関わることという前提はある。しかし、その中で「自由に話してくれ」というまっさらなオーダーだった。

そして、僕はこの2時間を、役員の皆さんと対話をすることにした。僕からの一方的なプレゼンではない。双方向の対話だ。
初対面だし何が響くかわからない。僕の独りよがりの話を聞かせるより、役員の皆さんが何に悩み、何を課題と思っているのかを踏まえて話した方がいいと思ったからだ。

そして、結論から言えば、この自由討議はとても良い場になったと思う。
とある役員からの「言ってることはわかるけど、そんな変革に正直あんまり現実感がないんです。現場に精一杯で…」という吐露をきっかけに、社長も含めて立場に関係なく活発な意見交換の場になった。

この本音飛び交う場は、下手したらカオスになってしまう。みんなの議論が熱を帯び、感情的になったり、コントロールが効かないまま着地ができなくなる可能性もある。
真剣な本音の議論はそういうリスクと隣り合わせだ。そんな場で、僕の身を助けたものがある。

それが、冒頭に書いた「安心ターミナル」という存在だ。
ちなみに、この「安心ターミナル理論」というのは検索してもどこにも出てこないはずだ。僕が勝手にそう言ってるだけのなんちゃって理論だからだ。
(ちなみにこの手のなんちゃって理論は、他にも「バッティングセンター理論」や「テクノロジーの水前寺清子理論」などいくつかバラエティがある)

さて、では「安心ターミナル理論」について紹介しよう。

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