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北欧在住雑記#3 街が目を覚す前。夜明け前のストックホルム。


早朝、夜中の散策は旅の醍醐味

旅に出る、あるいはどこか別の街に泊まる際の私の一番の楽しみは、目覚める前の街、そして寝静まった後の街を一人ふらふらと散策することである。

自分以外に誰ひとりいない街は広く、静かで、心地よく、人で賑わう昼の顔と対照的な静謐な雰囲気には なんだか別の世界に迷い込んだかのような錯覚すら覚える。

日中に隙間なく予定を詰め込み、体力の続く限り忙しなくあれもこれもとやりたいことをこなし、宿に帰れば即眠りに落ちるというようなエネルギッシュな旅行も楽しいが、せっかく宿泊するのであれば”泊まらなければできない”ことも楽しみたい物。まだ人々の起き出す前の早朝と人々の寝静まった後の夜中の散策は旅の醍醐味、是非試していただきたい物である。

もちろん、早朝はともかく、夜中に歩き回ることは危険も伴う可能性もあるので、その土地の治安を把握した上で、危ない人や危ない場所に近寄らない嗅覚も必要になるので、旅慣れ、散策慣れしていない人にはおすすめしない。

ストックホルムの静謐な夜の顔

さて、#1、#2で書いてきたように、2024年の元旦はストックホルムで迎えた。前日の大晦日、「年越しの花火」で午前2時前頃までは賑わっていた街も すっかりと寝静まり、元旦の朝5時前には前日の興奮の名残を所々にはらみながらもまだ目覚める前だった。

ストックホルムといえば「北欧のベネツィア」とも呼ばれる美しい水の都で、人気の高い観光地である。さらに、ジブリ映画『魔女の宅急便』のモデルとなったとも言われる旧市街(Gamla stan)の街並みも、観光客(特に日本人)を惹きつける魅力的な要素の一つ。他にもノーベル賞博物館や、晩餐会が行われる市庁舎など多くの観光施設もあり、季節問わず観光客で溢れる街である。

もちろん、人々が楽しげに観光している情景も良いものだが、人の全くいない街並みもまた良いものである。

人のいない街は写真撮影にも良い

特に、一人旅が専らな私としては、基本的に旅行中に人ごみの中で立ち止まってカメラを構えて撮影するなんてことはもってのほか。どれだけ治安の良い場所(日本でも)であっても、どんな人間が見ているかわからないところで、一人で無防備に隙を見せるべきではないし、カメラなど盗る価値がある高価な物を持っていることを大っぴらに示すべきでもない、というのが私の持論なのだが…

周りに誰もいなければ(もちろん早朝や夜でも本当に周りに人がいないか しっかりと確認はする前提)、多少 写真撮影に熱を込めても大事はないのである。そもそも、人ごみの中でカメラを取り出すこと自体に恥じらいや抵抗を感じる私としては、他人に気兼ねしなくて良い状況というのも非常に良い。

また、観光地ではよくあることだが、人が溢れる昼間には、なかなか撮りたい構図で写真が撮れなかったり、せっかく撮った写真にも知らない人が写り込んでいたりなどという残念なことがある。しかし、こんなことも周りに人がいなければ、気を使うこともなく思う存分写真も撮れるのである。もちろん、日の光のあるなしの影響は大きいがそれはそれ。

ちなみにストックホルムは白夜の季節(北極圏ではないので完全な白夜ではないが)には朝3時台には日の出を迎えるので、早朝の4時、5時頃であれば十分に明るい陽の当たる街並みを楽しむこともできる。

ストックホルムの夜の風景

では、ストックホルムの夜の表情を少し紹介しよう。

Stockholms stadhus(ストックホルム市庁舎)

ストックホルムの街を象徴する建物の一つで、ノーベル賞の晩餐会が行われる場所としても有名。美しい水の都として"北欧のヴェネツィア"とも呼ばれるストックホルムを象徴するこの建物はヴェネツィアのドゥカーレ宮殿を意識しており、20世紀のナショナル・ロマンティシズム建築として評価の高い建築物。

Riksdagshuset(スウェーデン議会議事堂)

スウェーデンの国会議事堂。湖の中の孤島に建つ1095年に完成したバロック様式の建物。

Norrbro

ストックホルム中心部の川"Norrström"に架る橋。Norrbroはスウェーデン語で"北の橋"。王宮の北側に位置する。

Kungliga Operan(スウェーデン王立歌劇場)

ヨーロッパで最も古いオペラ劇場の一つ。2024年1月現在は改装中。

Gamla stan(旧市街)

ジブリ映画『魔女の宅急便』のモデルとなったと言われているGamla stan(旧市街)。スウェーデンの古い街並みの残るエリア。この日は、前日のお祭り騒ぎの痕、というかゴミが散らばっていたり、少々残念な感じ。

Mårten Trotzigs Gränd

Gamla stanの路地の一つ。ストックホルム一狭い路地としても知られる。

Nobelmuseet(ノーベル博物館)

説明不要のノーベル博物館。旧市街、ストックホルム大聖堂の裏に位置し、昼間は観光客でごった返すストックホルム随一の観光施設。

Obelisken i stockholm(オベリスク)

王宮のすぐ側、旧市街の通りSlottsbackenにそびえる30m近い高さのオベリスク。ストックホルムの中心点とされる場所で、日中はその周りに多くの人々が屯している。

おまけ ストックホルムの湾口

王宮の麓の湾口の様子。ストックホルムの湾岸には数多くの船が停泊している。


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