【読書メモ】暴力と不平等の人類史ー戦争・革命・崩壊・疫病
持てる者と持たざる者の間の格差は、人類の文明が誕生して以来、拡大と縮小を繰り返してきた。昨今、経済的不平等が一般の言説において再び脚光を浴びるようになり、不平等を減らす方法についての提言には事欠かない。ノーベル経済学賞受賞者たちも、受賞歴では劣るが著作の販売部数では時に勝る同業者や種々雑多なジャーナリストにならい、所得と富の均衡の回復法を書き連ねた本の出版という儲かるビジネスに参入している。「格差」「不平等」といった言葉をタイトルに含む本が跋扈しているが、その歴史は長い。本書