大江千里vs秦基博〈Rain〉聴きくらべ
「Rain」は、1988年大江千里さんが発表した楽曲。私は「大江千里世代」ど真ん中(ちょっと下?)だけど、この曲を知らなかった。
知ったのは、今から2,3年前の梅雨の時期。ラジオで秦基博さんのカバーが流れていた。
わーいい曲。秦基博、こんな曲もあったんだなぁ。
と思って調べたら、オリジナルは大江千里さんだった。
(noteで音楽のことを書き始めてからつくづく、思ったより知らない曲多いなぁ自分、と思う)
両方聴くとはっきりとちがうのは、歌声から感じる「体温」。
焦燥感といら立ちさえ感じるような、熱い千里バージョン。対して、どこまでも淡々と低体温、雨の中で呆然と立ち尽くすかのような秦バージョン。
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大江千里さんの歌声から「熱さ」を感じるなんて意外だった。
彼がJ-POPの世界で活躍していた90年前後、彼の声は、むしろすごく軽やかな部類だったのに。
以前オフコースの記事でも書いたけど、ここ2,30年のJ-POPの男性ボーカルは、ハイトーンで無垢な歌声全盛。
かつては色気があってつやっぽい、夜っぽい歌声の人がたくさんいた(藤井フミヤさん、石井竜也さん、ASKAさん、つんくさんなど)けど徐々に減って、ミスチル・ゆずなどに代表される、無垢なボーカル全盛になった。
そして21世紀に入って、さらに上をいく「無機質」な歌声をきくようになった。一見、感情を込めていないようにきこえるボーカル。
BUMP OF CHICKENなんて、こんな無機質でいいの?と最初は思った。
そして秦基博さんも。
でも彼らがすごいのは、淡々と無機質に歌っても、じわじわと切なさが押し寄せてくるところ。とっても巧みな、今どきの表現力。
スピッツの草野マサムネさんがこの系譜で、だからスピッツは今の若者にも愛されるのかな、と思う。
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なすすべもなく雨に濡れるような、切ない秦バージョン。
相対的に熱く感じられる千里バージョンは、雨の中で叫んでいるよう。20世紀の若者、熱いな・・(イメージ)
それにしても、大江千里さんっていい曲作る。
雨の日に、聴きくらべはいかがですか。
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