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SCP-041〜043

SCP-041

アイテム番号:SCP-041
オブジェクトクラス:safe

説明: SCP-041は中枢神経系に回復不可能な損傷を受けた人間の男性で、その損傷は珍しい種類の細菌性髄膜炎への感染が原因と信じられています。抗生物質は感染の除去に成功したものの、彼の脳と脊髄を包む薄膜が感染に対し為した反応は、体の残りの部分のために多くのニューロンを中枢神経系から切り離すというものでした。SCP-041は呼吸するには人工呼吸器に、心拍を保つには両室ペースメーカーに、栄養供給には経鼻胃管に頼らなくてはなりません。

見掛け上は、SCP-041は永続的な植物状態であるようです。しかし、SCP-041の近くにいる観察者たちは気付き始めます、SCP-041から半径10メートルほどにいる者同士の間で、お互いの思考が半ば音声のかたちで放送されていることに。その現象の源となるのとは別に、SCP-041には近くにいる者に自分の思考を放送する能力もあります。誰であれ、なにか観念を言葉により脳裏に浮かべたら、その思考は意図せずこの範囲にいる他の者たちに『心的可聴発話(mind-audible speech)』として転送されますが、これは既知の設備では記録できません(訂正:付録-01参照)。心的可聴発話は被験者が思考をするのに選んだ声で『聞こえ』ます。もっとも典型的にはこれは被験者の普段の声です(文書-01参照)。

視覚的な思考とイメージもまた放送できますが、受信するのは容易ではありません。イメージがもっとも効率よく送信されるのは送信者と受信者の両者が目を閉じており、送信者は環境や背景抜きの単一の物体に集中していて、受信者の精神が自覚的な思考に煩わされていない場合です。視覚的イメージを用いた被験者間のコミュニケーション、殊に記憶ではなく想像に根拠をおいたものは、一般に困難なものとなります。典型的には、一視点から見た高度に詳細な心的対象を思い浮かべようとするところで送信者は手間取りますし、他方で受信者はしばしば失われた情報のギャップを埋め合わせようとし、究極的には受信者は送られたものと異なるイメージを見る結果となります。もっともうまく放送するのが難しい図象は人の顔であるらしく、イメージが動いている人物の顔である場合には殊更に困難です。

思考を他者に発信できるからといって、SCP-041はとても『おしゃべり』というわけではありません。彼の能力に関して何か情報を明かすようSCP-041を説得する試みは今のところ実りないものとなっています。SCP-041は沈黙を保つのが常で、コミュニケーションを取ろうとする直接的な試みには普通反応を返しません。しかし、SCP-041はユーモアを解するようです、時折他者の会話にコメントを差し挟んだりするのですから。

瀕死だけどコミュニケーションが取れるSCP。多分人。彼の周りにいる人同士も思考が読めるようですね。

SCP-042

アイテム番号:SCP-042
オブジェクトクラス:safe

説明: SCP-042はEquus属の一員であると信じられている動物です。その毛並は小さな茶の斑点がいくつかある白毛です。肩までの高さは183cm(18hands)、体重は710kgです。その体重は財団による保護下に入って以来明らかに落ちていますが、これは物理的活動の欠如による萎縮と食事の拒絶の両方によります。強制的に与えられている液体栄養食により生存してはいるものの、痩せ衰え虚弱なままです。SCP-042には背中から二つの大きな骨の突出が見られ、背中全体に広がる強力な筋肉組織(現在は萎縮しています)に繋がっています。これらの骨は背部表面から37cmのところで終わっており、皮膚の開いたままのぼろぼろの傷から突き出しています。今のところ、これらの傷が治る気配は観測されていません、かさぶたはちゃんと生じてSCP-042が出血しないようにしているにも関わらずです。

SCP-042は無気力な態度を見せ、熟練の調教師がどんなに活動を誘発しようと試みても反応したことはありませんでした。何もしなければ、SCP-042はじっと地面に横たわっています。食べたり、飲んだり、用を足すために動くことはありません。疼痛反応による条件付けならば、SCP-042は起きて痛みを解消しようとするのでいくらか効果があると判明していますが、刺激の強さ、たとえ気絶するほどの刺激であっても最後には再び横たわろうとします。

SCP-042の知能水準に対する研究者の意見は割れています。SCP-042はただの動物であり他の同属より賢いわけではないと信じるものもいれば、SCP-042は実のところ知性を宿していると信じるようになったものもいます。パドック12に入る人々にアイコンタクトをするのが観察されるため、多くの人々はその見た目を『懇願』しているようだと述べています。SCP-042が事故に巻き込まれる機会が複数回あり、そこでSCP-042は備品や囲いで負傷したのですが、SCP-042に知性があると主張する人たちはそれはSCP-042により意図的に起こされたものと信じています。

翼が生えていたとされる馬。でも今は衰弱状態。何も食べられないなんて、可哀想〜。

SCP-043

アイテム番号:SCP-043
オブジェクトクラス:safe

説明: SCP-043はビートルズ"ホワイトアルバム"のビニールコピーであるように見えます。しかしよく見ると、そのレコードは溝がありません。にもかかわらずレコードは、針の開始位置によらず、最初から最後まで再生されます。

第29トラックに達すると、レボリューション9を演奏する代わりに、ディスクは回転を止め、かすかな呼吸音が聞こえてきます。
時折その呼吸の原因である存在は男性の声で話します。その存在は質問に返答し、音楽業界の深く広い知識や、音楽理論やたくさんのバンドやアーティストに関する知られていないトリビアを披露します。しかし、その存在はビートルズや、自身の個人情報に関する質問に答えることを拒否します。

ジャケットの内側に、小さな手描きのメモが見つかりました。

限定版: 1/1

有難う ジョン!

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ジョンというのはジョン・レノン?

出典

本家様

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