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「吉原七不思議」・・・怪談でも不思議でもなく。


江戸最大の遊郭街、吉原。
そこに、本所七不思議にあやかったのか、江戸時代には吉原七不思議というものもあったらしい。
だがそこは吉原。怪談ではなく、ちょっとした遊び、シャレのようなものとして、うたわれている。

例えば。

「茶屋あれど茶は売らず」

吉原で茶屋と言えば、「引き手茶屋」の事。つまり遊郭の紹介所のことを言います。
もちろん、街道沿いの茶屋のように、お茶を出したりはしてくれません。

もう一つ。

「やり手といえど取るばかり」

やり手とは「遣り手ババア」のことで遊女の管理や客との応対をする。
「やる」と言っても金を「取る」だけという皮肉から生まれたのだろう。

他にも、

「年寄りでも若い衆」
「大門あれど玄関なし」

などという、地口のような言葉が残っている。

同じ七不思議でも粋な感じがする。

こういう感覚を持ち続けると、いくつになっても「若い衆」と呼ばれるくらいの
未熟さを持ち続けることが出来るかもしれない。

おごり高ぶる人生より、はるかに心地よい。

おわり


*加筆修正

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