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JASRACに出された独占禁止法の排除措置命令についてとその経緯

7/19のノルマゼロに向けて、生意気なことを発信してみるの24日目です。JASRACの話は相変わらずよく燃えるなぁと改めて思いました。2年前と比べるとかなり弱火になりましたが。

引き続きデマ潰しをやっていこうと思います。イーライセンスが、JASRACに起こした独占禁止法の裁判については良く槍玉に上げられますのでこちらについて少し説明を。

まず放送等への利用に際して排除措置命令が出たという点を根拠に存在そのものを否定される方がおられますが、あくまでも放送等への利用に出された物であってJASRACが展開するその他のサービスに出された物ではありません。放送業界への参入にあたって、JASRACの包括契約が参入障壁になっているので改善をするように求めたものです。

テレビ局などからすれば一定金額を支払えば管理楽曲を自由にあつかえる包括契約は非常に安上がりで、かつJASRACは海外の著作権管理団体とも提携を結んでいるため利用可能な楽曲が膨大な量になります。一方新興のイーライセンスは楽曲数が少なくいくら値段を安くしても使ってもらえないという問題がありました。

この問題に際して、公正取引委員会が「今の仕組みは排除型の私的独占だから独禁法に違反」と言う事で排除措置命令が出されました。JASRACはこれを不服として争い一旦JASRACは無罪の審決が出ます。

イーライセンスはこの審決が下されると参入障壁が残ったままなので、審決を見直すよう東京高裁に訴訟を提起して審決のやり直しが認められました。と言う事で一旦はJASRAC無罪となったものの、差戻しが行われたため無罪かどうか、独禁法違反かどうかは不明な状況へと戻ります。ここでJASRACは不服としていた排除措置命令を受け入れ改善に取り組みます。

取り下げた理由ですが時代の変化、技術の進歩によって放送によって使われた楽曲の割合が算出できるようになったため、とのことです。要するに一か月の間トータルで何時間何分何秒曲を流しました。そのうちJASRACは何割でしたのでその割合分をお支払いします、という契約が結べるようになりました。他の管理団体の楽曲も使いやすくなったため参入障壁は取り払われたと言う事です。

よく包括契約は独占禁止法違反というような指摘がなされますが、その指摘の元は「独占禁止法の裁判があった」という事実の切り取りでしかありません。中身は放送業界への参入障壁となっていたものに対しての裁判であって、JASRACそのものや包括契約などが独占禁止法に違反しているとするものではありません。

現在では秒単位での計上が行われており、各信託者(権利を預けた人)には何秒単位で使われたとする報告が届けられています。アコーディオン奏者で作曲家の長坂憲道さんはご自身のblogにてJASRACより届いた分配の報告を掲載されていますので、ちゃんと権利者に届いていないと思われる方はそちらもご一読ください。
https://ameblo.jp/v-accordion/entry-12428307069.html

本日は以上です。明日はオーケン事件や雅楽への請求等、根強くかつ代表的なデマを何点か潰していこうと思います。

7/19にノルマゼロ、1枚目からチャージバック70%のライブをやります。演者にお金を回そうという試みですのでご興味ありましたらよろしくお願いします。あとデマ潰しとかが面白いと思っていただけましたらtwitterのフォロー等頂けましたら幸いです!



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