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私事番外仕事

仕事が大嫌いだ。
仕事についてポジティブな話をしよう。がんばる。

まず、お金がもらえる。
次に、一定期間働くと有給が付与される(使えるとは言っていない)。
さらに、一定期間働いて雇用保険料を払うと失業保険の受給資格を得ることができる(会社がきちんと納めていれば)。
あと追加で色んな人に会える。職種によるが。

頑張って捻り出してこれが仕事をするメリットだ。
少ない。デメリットが多すぎるし大きすぎる。
実はこの記事は1500字くらい書いて面白くないな、と思って書き直している。現職場に対する愚痴ばかり出てきて本当につまらなかった。
私自身が仕事に対して熱くなるタチではないのが原因だ。誰も悪くない。
仕事が好きで好きでたまらない!仕事大好き!という大人に会ったことがない。
本当は会っているのに気付いてないだけかもしれない。
ほぼ日手帳を使っているが、ほぼ日手帳に出てくるような人たちは仕事が好きそうだ。
きっと自分に合った向いてる仕事でやりがいもあってお金もたくさんもらえるのだろう。
私に合ってる仕事ってなんだろう。なんだったんだろう。
天職診断をやればアーティスト、芸術家みたいなものしか出てこない。社会とあんまり仲良くなれないのに何かしらの創作活動で身を立てていくほどの技量もない。どうしろってんだ。
いかん。前回消した記事と同じ轍を踏みかけている。
みんな仕事ってどう割り切ってるの?割り切ろうとすればするほど嫌になってしまう。
ああいかん。もうこれ以上仕事に対して書けることはない。
私がしたい仕事の妄想について話して終わろう。

 私がしたい仕事、それはあの世の猫の毛皮色付け師の仕事だ。
これから地球に降り立つ猫の毛皮の色や模様を決めるのだ。
 うちの猫はそれぞれキジトラ・三毛・三毛の毛皮でこの世に来ている。
 長男のキジトラ猫は「コトラー」という。小さいトラ猫だったのもあるし、本を書いたことのある人の名前にしたかった。「漱石」「潤一郎」「康成」なんて日本の名前が似合わない顔をしているし、どうしようか、と思っていた時にマーケテイングでお馴染みのフィリップ・コトラーを思い出したのだ。
本を書いているという条件に当てはまるし、小さいしトラ柄だ。
 彼はあまり頓着がなさそうというか、多分カタログなんかを見て
「これ」
と小さい手で指さしたりしたんだろう、と思っている。
「全身これですか?白いところを多くする方もいらっしゃいますよ?」
「きょうだいが これにするっていってたから」
「かしこまりました」
みたいなやり取りで今の姿になったんだろう。長男の猫には同じ模様の兄弟がいて、同じキジトラ模様だった。彼は他の猫と東京のおうちに引き取られていったのだ。
もしくは、人間との共生に最も適していて、尚且つ昨今の猫ブームにおけるキジトラの優位性について研究した結果なのかもしれない。
 三毛の長女は「サンケ」という名前だ。そのままの名前だが彼女の模様は複雑で美しい。
 長男猫と同じお母さんから生まれた猫で、お母さんも三毛猫だったので彼女は生粋の三毛猫なのだ。
 顔から背中にかけてを明るい茶色と黒で染め上げ、お腹側だけは真っ白の柔らかい毛で覆われている。尻尾などは初めて見た時、どのような模様になっているか私にはわからなかった。
色ガラスを何重かに重ねたような、茶色と白と少しだけ黒の混ざった縞々の模様だ。
彼女のこだわりが随所に散りばめられているように感じた。
「ここはもっと黒で」
「もっと茶色は縞にできるかしら?」
「黒はそのままで 黒をサバトラにすると全体がぼやけるから」
「目元はそうね半分は黒 半分は茶で」
「ハチワレは縁起がいいのよ?ご存じなくて?」
彼女は三毛猫らしい、お姫様気質なのだ。
彼女の真っ白なお腹の毛は、横一文字に一本だけ茶色い模様が入っている。これも彼女のこだわりだろう。
 末っ子で次女の三毛は「ギャリコ」という名前だ。
 彼女だけ他の二人と血がつながらない、新参者の猫だ。
鳴き声が「ギャーン」「エ゛~ン゛」とかなりだみ声でかわいらしくなかったこと、そして女の子、作家、猫、という流れからポール・ギャリコからいただいて命名した。
長男コトラーが甲斐甲斐しく世話を焼き、いっぱしの大人猫になった。サンケは今でもあまりギャリコが得意でないようだ。
 彼女の模様も複雑である。三毛猫の模様は複雑なものだが、背中に塗り残しのように直線的に白い線が入っていたり、かと思えば頬から耳にかけての白い毛が、耳の切れ目に吸い込まれるように配置されたりしている。
大雑把に塗られたような、緻密な計算があるような、よくわからない模様なのだ。
 一緒に暮らし始めてからの彼女を見るに、計算で行われているというより彼女の落ち着きのなさが原因のような気がする。
「お客様!困ります!ああ!そこに上らないで!ああ!えのぐ!絵の具が!」
といった結果、三毛猫用絵の具をぶちまけ、好き放題暴れてこの世界に降りてきたんだろうなあ、としみじみ考えてしまう。
更に彼女は、アゴと足の裏に同じ濃さの飛び地模様がある。白い部分にほんの少しなのだが、色から想像するにカフェラテか何かをこぼしてそのまま来たのだと思う。
そのせいか彼女は私がコーヒーを飲んでいるときにカップの中身の匂いを嗅いでは
「おかしいな 毒だ」
という顔をしている。
 私は自慢ではないが、人より多少なりとも美術の心得のようなものを勉強したことがあるし、手先も人並みか少し器用な部類に入る。
あの世でも仕事をするのは些か不満ではあるが、生まれていく小さな猫たちに最高の模様を提供したいという気持ちは他の人よりも強い。
今まで猫と暮らしてきた知識や経験を活かすこともできるこの仕事が、あの世の仕事で就きたい仕事ナンバーワンなのだ。

本当の仕事にもこれくらいの情熱を見いだせればいいのに。と思いながらこの記事を終えることにする。
とにかく言えることは、うちの猫は世界一(各年齢の三毛の部・キジトラの部)かわいいということだ。

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