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『PERFECT DAYS』

2024/1/15
主演=役所広司
監督・脚本=ヴィム・ヴェンダース

年末に観て超良かったって聞いたので行ってきた。なるほど、頑張って仕事終わらして「さあ!」って気持ちで観るとすごい満足感あった。
同期に、今日このメンツで映画観るねんって言ったら、「パーフェクトデイズ?」って返ってきてびびった。「いまやってる映画で、そのメンツで観そうなのそれかなって思った」らしい。すご。

ドア開けて、曇天で、あの笑顔になれる人は、盆栽とか愛でてるの納得できる。どうしてこのおじさんはこんなにふっくらしてるのかなって思いながら観てた。(日々の小さな発見を愛しているのはわかるけど、それだけじゃきっと不十分。)
でも、姪っ子を迎えに来た妹がごっつい車に乗ってたのと、そのシーンの少しやりとりを見て、あぁこのおじさんとてつもなく育ちが良くて、そこから逃げ出してきたんやってわかった。
質素な暮らしの美しさ、素晴らしさってのは(とくに日本に憧れを持つヨーロッパ人の視線として)たしかにわかるけど、選択した結果の貧乏じゃなかったらこんなふうにはふっくらしないと思った。

前に渋谷区に住んでたから、知ってるトイレがいっぱい出てきて面白かった。『渋谷トイレ図鑑』的なタイトルでも通ると思う。あと製作者が日本人だったらあんなにスカイツリー映さない気がする。鳥居とか銭湯とかこもれびとか。役所広司の家がめっちゃのび太の部屋や!と思ったけど、あんまり周りの共感を得られていない。幸田文の『木』が出てきてうれしい。

さすがに気になったのは、次々といいかんじの女の子が出てきて、そのいずれも主人公の「ぼく」に対して好意的であること。ちょっとね、ギャルゲ展開すぎる。弱さを高らかに歌えるのはそんな「ぼく」を受け入れて好きになってくれるファムファタール的な女の子がいるからやって村上春樹とスピッツを並べて批判していた友だちのことを思い出して、そわそわしてた。でも、観客の眼差しはあたたかかったというか、映画館であんなにふふふふって笑いが起こることってあんまりないから新鮮だった。

観終わって、満足で、沖縄料理食べて、今日月曜なの信じられん、パーフェクトデイ!って言いながら帰った。

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