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群馬県の醤油・味噌について知るイベント第5回「群馬発酵ごはん」 食事会 at PIZZERIA PESCA! に行ってみた。

「群馬発酵ごはん」って?

2023年11月1日に、群馬県醤油味噌工業協同組合が主催する「群馬発酵ごはん」の5回目が行われました!
いつもは縁の下の力持ちに徹しているけれど、なくなったら毎日の食生活が成り立たない存在の醤油や味噌を想像力豊かな料理人に活用してもらい、それぞれの個性を知ってもらうというコンセプトの試食会イベントです。
今回も抽選で12名の方が招待されました。

第5回目の参加店はこちら!

JR前橋駅に併設されているイタリアンレストラン「PIZZERIA PESCA! 前橋駅店」。
焼き立てのピッツァとパスタはもちろん、厳選素材が際立つ本格イタリアンが堪能出来ます。

そして、群馬県醤油味噌工業協同組合から参加されたのは、

・「有田屋」湯浅 雄太さん
・「せい」清水 正行さん
・「岡直三郎商店」佐下橋 智史さん、小島 有里菜さん
それぞれのお店の商品を使用したお料理が出るそうです!

司会担当は毎度おなじみ職人醤油の高橋 万太郎さんが担当しました。
発酵ごはんの始まりには、有田屋の湯浅さんがご挨拶を行い、組合や発酵ごはんについて簡単に説明し今回のイタリアンと商品の組み合わせに期待を寄せました。

そして、PIZZERIA PESCA! の大塚さんから今回の意気込みを聞けました。
サンプルとして醤油、味噌が約20種類送られてきて、その中からどれをチョイスして使用するのか約15人のスタッフで試行錯誤しながら決めたそうです。
調味料の世界を新たに知ることができ、楽しんで試作したとおっしゃっていました。

ワインのような醤油の世界!?

高橋さんから、職人醤油さんのパンフレットを見ながら醤油の説明がありました。
淡口から溜まで熟成期間によって6種類に分類しているそうです。

その中でも熟成期間が短いものは白ワイン、長いものを赤ワインと例えていました。
「白」「薄口」は見た目も薄く、白ワインと同じようにさっぱり系の料理に合うそうです。塩やレモン、オリーブオイルをかけて食べる淡白なものが合いそうですね。
「甘口」「濃口」はよく家庭でも使われるタイプで、白ワイン赤ワインのどちらにも対応できる万能なものだそうです。
「再仕込」「溜」は、赤ワインのようにステーキや赤身の魚など、味の強い素材やソースをかけて食べたいものにおすすめとのことでした。
そして醤油をクラフトビールにも例えていました。
醤油は大豆と小麦と塩で作りますが、作り手が違うことでそれぞれの蔵の味があるということも醤油を楽しむ一つの要素だなと思いました。

テーブルに3種類の醤油が並べてあり、ティースプーンでテイスティングしました。

テイスティング醤油
・正田醤油 有機醤油 (こいくち)
・岡直三郎商店 有機再仕込み (さいしこみ)
・有田屋 さいしこみしょうゆ (さいしこみ)

濃口醤油は普段からよく使うタイプのもので馴染みがありました。
再仕込醤油は濃厚で風味が豊かでした。
これらの味の違いを知ることで、使い方によって醤油のバリエーションを楽しむことができそうです!
参加者の皆さんも、何度も味比べをしその違いを確かめていました。

その後、岡直三郎商店の佐下橋さんのお話がありました。
佐下橋さんは約10年もの間職人として働いており、通常は蔵の中で製造に携わっているため外でお話しすることはあまり得意ではないと述べつつも、お店の醤油を紹介してくれました。
醤油の製造には出荷まで約3年かかるなど、その情熱と愛情を感じました。
一緒に来ていた小島さんは今年の新卒採用らしく、勉強しながら楽しみたいとおっしゃっていました。

限定メニュー対決!世代別ピッツァ&パスタ選手権

今回のイベント内容について説明がありました。
ピザとパスタがそれぞれ3種類ずつ提供され、参加者は一番美味しいと思う料理に投票をするという企画のようです。
投票用紙に1〜3つの星をつけて評価し、さらに同じテーブルの仲間と協力してチーム票も決めるとのことでした。
3つのメニューの作り手はPIZZERIA PESCA! の中の若手、中堅、ベテランと世代別対決になっており、投票で選ばれたメニューはPIZZERIA PESCA!六供町本店で限定メニューとして提供することが決定しているそうです。

今回のメニューはこちら

  • 鮮魚とアボカドのタルタル

  • 生ハムとチーズのブルスケッタ

  • グリーンサラダ 3種類のゴボウドレッシング

  • みたらし団子のピッツァ

  • 漬けメカジキの和風ピッツァ

  • たくあんとチキンの西京焼きピザ

  • 冬野菜のかき揚げ味噌パスタ

  • 上州麦豚の味噌ボナーラ

  • 塩麹漬け豚の味噌栗ームパスタ

  • 赤城牛のグリル お醤油とマデラワインのソース


まずはサラダが運ばれてきました。

PIZZERIA PESCA! では、提供しているオリジナル「生ドレッシング」をPESCA! FLAVOR! で販売しています。今回、は新商品のゴボウドレッシングにお醤油を加えて作ったドレッシングを味比べできるサラダでした。1つ目は正田醤油さんの有機醤油(こいくち)で、さっぱりと酸味がありゴボウらしさを感じられました。2つ目は有田屋さんのさいしこみしょうゆ(さいしこみ)。色に対してまろやかな口当たりが印象的でした。3つ目は岡直三郎さんの有機再仕込み(さいしこみ)。パンチのある濃さがあり、クセになる味わいでした。どのドレッシングも美味しく、それぞれの特性を楽しみながらサラダを味わいました。

前菜には2種類のブルスケッタが登場しました。

1つ目は「鮮魚とアボカドのタルタル」で、醤油との相性の良い、バルサミコ、マグロ、アボカドを使用したそうです。このタルタルはさっぱり爽やかで、粒胡椒がアクセントとして効いており、醤油との組み合わせが素晴らしかったです。

次に、「生ハムとチーズのブルスケッタ」は、濃厚な生ハムとクリームチーズのムースに味噌パウダーが絶妙なアクセントとなり、お酒のつまみとして楽しむことができそうな1品でした。


せいの清水さんから、自社開発の「味噌パウダー」についての説明がありました。

この味噌パウダーは現在4種類の味があり、今回のイベントでは「ORIGINAL」と「KOJI SWEET」の2種類が提供されました。日本では発売前とのことです。味噌パウダーはフリーズドライや通常の味噌汁の味噌とは異なり、溶けづらいパウダーとして作られているそうです。そのために何百時間もの時間をかけて製造されているそうです。この製法により味噌パウダーを商品化し、新しい使い方やアプローチを提供しています。ただし、高品質な製品のため、お値段はやや高めに設定されているとのことでした。

斬新なアイデア続々! ピッツァ対決スタート!

ピッツァ①「みたらし団子のピッツァ」若年チーム
まさにみたらし団子をトッピングにした斬新なアイデアです。
生地にみたらし餡と可愛い白玉団子、そして生クリームがのったデザートピッツァでした。
白玉は手作りで、バーナーで炙られていて、風味と食感が楽しめました。

ピッツァ②「漬けメカジキの和風ピッツァ」中堅チーム
生のメカジキを醤油とレモンで漬け込んでおり、レモンのさっぱりとした風味が特徴とのことでした。
さらに、長ネギも醤油を使って炒めており、焦がし醤油感も楽しめる要素となっています。
醤油の塩味が強調されているため、ピッツァには珍しい大根おろしが使われていました。
これにより、さまざまな風味を楽しむことができる、ユニークで美味しいピッツァに仕上がっていました。

ピッツァ③「たくあんとチキンの西京焼きピザ」ベテランチーム
たくあんを燻製醤油で炒めており、より香ばしさを引き立てています。
また、チキンは米味噌で西京焼きに仕上げられているため、風味豊かな味わいが楽しめます。
たくあんの食感と塩味がちょうど良く、ピッツァ全体の味は濃厚ですが、チーズとの組み合わせが絶妙でぺろりと食べてしまう美味しいピッツァでした。

3つのピッツァを食べながら皆さんどれが良かったか、投票するために話し合いました。
美味しいピッツァと各テーブルにいる組合員さんのお話のおかげかとても盛り上がっていました。

パスタの準備の間に、全国醤油組合の専務理事、般若さんからのお話がありました。
般若さんは、全国各地に存在する醤油屋さんのことや、気候や作り手のこだわりによって醤油の味が変わるとお話されていました。
また、醤油は地域の食生活に密接に結びついており、その伝統や文化を守る大切な要素であることを強調しました。
ただ、残念ながら醤油製造者が年々減少している現状についても触れ、地元に醤油屋さんが存在することを知って、それらとつながる機会を提供したいと願っています。
最後に、醤油を知ることが食事をより美味しくする手助けになることを伝えてくださいました。

味噌の魅力を味わう、パスタ対決!

パスタ①「冬野菜のかき揚げ味噌パスタ」若年チーム
冬野菜として蓮根とかぶを使用しており、食感が良くかき揚げにぴったりでした。
さらに、糀屋さんの味噌を使用してペペロンチーノ風に仕上げていて、仕上げにレモンの皮を加えていて後味をさっぱりとしていました。
見た目のあっさり感からは予想できないほど、太めのパスタにしっかりとした味が良く絡んでいて、ピリ辛な味噌のペペロンチーノを楽しめました。

パスタ②「上州麦豚の味噌ボナーラ」中堅チーム
提供時にチーズが上に削りかけられ、香りが広がり食欲をそそりました。
日本人の口に合う味わいに調整された究極のカルボナーラは、豚肉は味噌で1週間熟成させ、玉ねぎは飴色になるまで焼いて甘みを引き出すなど、こだわりを感じました。
また、平打ちのタリアテッレを使用することでソースがパスタに絡みやすく、隠し味として黒胡椒ではなく山椒を使うなど、食材と調理法に工夫が凝らされた独創的な料理でした。

パスタ③「塩麹漬け豚の味噌栗ームパスタ」ベテランチーム
塩麹に漬けた豚肉が柔らかく仕上げられており、塩味は控えめで甘さが際立っています。
さらに、栗についてはフランス産のものが使用されており、そのねっとりとした食感と甘さが味噌と絶妙に合っていました。
栗の優しい風味がクリームパスタに絶妙にマッチしており、女性に人気が出そうなメニューと感じました。
後半になり満腹に近づいていたにも関わらず美味しく楽しむことができました。

ピッツァとパスタの対決は、さまざまな創造的で美味しい料理が紹介されどれも食欲をそそりました。
どの料理も、今回の主旨を考慮し独自のアイデアと素材を用いて、新しい味わいを提供してくださいました。


醤油味噌でピッツァ&パスタ対決!勝利は誰の手に!?

群馬県醤油味噌工業協同組合の會田さんより、投票結果が発表されました。
なんと!ピッツァもパスタもベテランチームでした!おめでとうございます!

選ばれたメニューは、
「たくあんとチキンの西京焼きピザ」
「塩麹漬け豚の味噌栗ームパスタ」

これから限定メニューとしてピッツェリアペスカ六供町本店で提供されるということなので、ぜひ皆さんも食べに行ってみてくださいね!
PIZZERIA PESCA! 本店【公式】インスタhttps://www.instagram.com/pizzeriapesca_honten/

そして今回のメニューの締めは「赤城牛のグリル お醤油とマデラワインのソース」でした。
グリルされた赤城牛に、ニンニク醤油を使用したソースがかかっていました。
フォンドボーとマデラワインを煮詰めた王道のソースにニンニク醤油を組み合わせることで、食べやすさと深みが生まれ、おいしさが引き立てられていました。
食べ応えのあるお肉も柔らかく、最後まで美味しく楽しむことができました。

広めていこう!群馬の醤油・味噌

参加した方々や料理人の皆さんもイベントを楽しまれているのがとても伝わってきました。
イタリア料理ということもあり、食べやすく話しやすく、全体的に賑やかな雰囲気でした。
「群馬発酵ごはん」は群馬県の醤油と味噌の魅力を地域の人々に知ってもらい広めていく、とても素晴らしいイベントです。
地域の食文化や食材と一緒に発信し、地域コミュニティを豊かにする取り組み、活動を今後も楽しみにしています。

最後に第2回「群馬発酵ごはんキッチン」のご案内です。
このイベントは、「料理教室」として参加者が自身で調理する機会を提供します。
会場は前回と同様に「道の駅まえばし赤城」で、前橋市の和食店「菜穀和食むくび」の店主、岩崎暑正さんを先生にお迎えして開催いたします。
プロの料理人が素材の力を最大限に引き出すためのアイディアを教えてくれます。

第2回 群馬発酵ごはんキッチン 概要
日 時:2023年11月25日(土)1部:11時〜13時/2部:15時〜17時
場 所:菜穀和食 むくび(群馬県前橋市敷島町265-3)
定 員:15名様(先着順)
参加費:2,000円(1名分)

お申込み方法
以下のリンク先の応募フォームに必要事項を入力ください。
先着順での受付となります。
https://forms.gle/tM3DPEHaEY1aYC6T8

お早めにお申し込みください。
応募期間:2023年11月15日(水)23時59分
※只今1部、2部ともキャンセル待ちとなっております。

醤油・味噌の世界を知ってみたくなりましたか?
ぜひ応募してみてくださいね♪

文:NiRO inc. 小池 香


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