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群馬県の醤油・味噌・漬物について知るイベント第3回「群馬発酵ごはん」試食会 at 発酵レストラン ジョイハウス別館に行ってみた。

「群馬発酵ごはん」って?

2023年3月3日に、群馬県醤油味噌工業協同組合が主催する「群馬発酵ごはん」の3回目が行われました!
いつもは縁の下の力持ちに徹しているけれど、なくなったら毎日の食生活が成り立たない存在の醤油や味噌を想像力豊かな料理人に活用してもらい、それぞれの個性を知ってもらうというコンセプトの試食会イベントです。
今回も抽選で16名の方が招待されました。

第3回目の参加店はこちら!

館林駅西口前にある正田醤油さんの本社に併設されている「発酵レストラン ジョイハウス別館」。
醤油を始めとした発酵調味料を使用した和食や洋食があり、生醤油を使った「発酵唐揚げ定食」が大人気です。

今回のお食事の献立は、
・オードブル
フルーツトマトと蟹のサラダ ポン酢ジュレ / 上州麦豚のミートパテ / 新玉ねぎのフリット ふき味噌ディップ / チーズの醤油漬け
・スープ
カリフラワーの味噌ポタージュ
・魚
鯛のソテー 醤油エスプーマ春野菜の味噌焼きを添えて
・肉
国産牛サーロインステーキ 醤油ソース 温野菜添え
・サラダ
グリーンサラダ
・デザート
醤油シフォンケーキ / レアチーズタルト / 味噌アイス かつおつゆカラメルかけ

そして、群馬県醤油味噌工業協同組合から参加されたのは、
「正田醤油」木内 修一さん
「榎田醸造」榎田 雅俊さん
「有田屋」湯浅 雄太さん
「岡崎醤油」恩田博美さん

それぞれのお店の商品を使用したお料理が出るそうです!

4つのテーブルが並び、それぞれのテーブルに1人ずつ組合員の方が座りました。今日のスケジュールを聞いた後に、群馬県醤油味噌工業協同組合の正田理事長からのご挨拶があり、胃袋を通していろんなことを学んでほしいとのお話がありました。
各テーブルごとに自己紹介と醤油の思い出などを語り、テーブルに並べられた醤油皿を見て、皆さん醤油の色の違いや多さに驚いたり、醤油の良い香りにこの後のお食事を楽しみにされてました。

マイベスト醤油はこれだ!
自分の一番を見つけた!?

まずは6種類の醤油味比べから始まりました!
醤油は、
・正田醤油 / 「2段仕込み」「柔」「こくみ醤油」
・有田屋 / 「さいしこみ」「丸大豆醤油」
・岡崎醤油 / 「うましる」

詳しいお話の前にマドラースプーンを使い全ての味をみて、どれが一番好みかを決めてくださいとのことでした。みなさんお水で口の中をリセットしつつ、真剣に悩まれていました。ファーストインプレッションでの投票をし、お気に入りの醤油を決めました。

職人醤油の高橋さんから、醤油は地味で目立たないけれど、大豆と小麦を使って1〜3年かかって作り、また煮詰めるのではなく「発酵」させたりと、手間のかかる食品だとお話がありました。
スーパーマーケットができた当時、チラシで特売を作り、いかに安く売るか!という競争の中心にいた醤油。その頃から「醤油=安いもの」になってしまったそうです。日本の食卓になくてはならない「醤油」だけれど、あって当たり前になっていた気がします。

群馬県の伝統と歴史を守る醤油の老舗を紹介

有田屋の湯浅さんから自社のお話と商品の紹介がありました。有田屋さんは濃口醤油とさいしこみ醤油の二種類をメインに製造しています。
湯浅さんはまだ20代とお若いですが、小さい頃から蔵にいて継ぐことを考えていたんだそうです。海外への輸出の機会が増え、物流のやり取りを通して自社の味作りから地場をフォーカスした販売促進に力を入れたいと家業に対する愛情を強く感じました。また、海外の人に来てもらうために日本食や発酵の勉強会なども増やしていきたいと話されていて、これからの群馬の醤油業界を引っ張っていく人なんだなあと感じました。

そして次に正田醤油の木内さんがお話してくださいました。
正田醤油は全国で3番目の醤油の出荷量なんだそうです!なかなか大手醤油メーカーに比べるとお名前を見ないなと思っていたのもそのはず、タンクで運んだりと業務用商品が多く、外食チェーンやスーパーなどへ多く卸しているとのこと。なので、スーパーには置いてない商品をここ「ジョイハウス別館」では味わう&購入することができます。
お肉を漬け込んでおくと酵素の力で柔らかくなるお醤油「柔」を使用した唐揚げは絶品とのことでした。

続けて岡崎醤油の恩田さんからお話がありました。
岡崎醤油は元々は酒造業から始まったそうです。その後、醤油と味噌の醸造を開始し、自社で出汁を抽出し「うましる」を発売。めんつゆや液体スープなどを作っているそうです。

そんな出汁のエキスパートの岡崎さんが用意したポットが配られました。
ポットは和風だしと中華だしの2種類あり、小さな紙コップに醤油を出汁で割って味見するというものでした。醤油はお好みのものを選び、味を比べました。ここではお料理前なので味見程度で終了しました。

群馬発酵ごはん初のフレンチを堪能!

フレンチに醤油や味噌は邪道とされてきましたが、近年は「ジャパニーズフレンチ」として日本の食材を使い、醤油や味噌を使用することが増えてきました。

まず運ばれてきたのはオードブル。
甘みの強いフルーツトマトにはポン酢の酸味を合わせることですっきりとした印象になっていました。有田屋さんのポン酢は香りが良く、濃いめなので今回はジュレにして合わせたそうです。
新玉ねぎのフリットには榎田醸造のふき味噌が良く合い、シャキっとした食感も楽しめました。

スープはスタッフの方が1人ずつサーブして周り、会場にいい香りが漂いました。カリフラワーの味噌ポタージュは、カリフラワーがふんわりと香る、優しく濃厚なスープで、衝撃的でした。味噌の表面を炙って加えることによって、発酵臭やカリフラワーの臭みも消え、香ばしい香りが残るそうです。
茹ですぎてしまったカリフラワーをミキサーにかけ、牛乳と味噌を加えれば家庭でも作れるとのことなのでぜひやってみたいと思いました。味噌は1リットルに対して大さじ1杯くらいだそうです。

お食事中に料理長のお話も聞けました。
なんと、18年ぶりに正田醤油以外の醤油を使ったとおっしゃっていました。
今回決まった醤油を何に使うのか試行錯誤しながら、メーカーごとの特徴や個性を知ることができ、勉強になったとお話ししていました。

そして、本日味噌を提供してくださった榎田醸造の榎田さんからご挨拶がありました。前橋市にある大正10年創業の伝統あるお店には、味噌はもちろんですが、じっくりと時間をかけて漬け込んだ漬物の商品も多いとのことです。自社農場で育てたわらびや、赤城山の麓で育った山うどをはじめ、地元産の野菜を中心に使用しているそうです。

お魚に使われていたのは、醤油を泡にしたエスプーマというソースでした。濃いめの醤油ソースと絡めながらいただく鯛のソテーは、皮目はカリッと香ばしく、中はふっくらとやわらかかったです。付け合わせの春野菜に使用されていたのは、ゆず味噌でした。香ばしく表面を焼いたゆず味噌はしっかりとした味なのにとても爽やかで旬の野菜と美味しくいただきました。

組合員の方の席替えがあり、お話も弾む中お肉が運ばれてきました。
正田醤油の「柔」に漬けて焼いたお肉はとても柔らかく、サーロインの脂身の甘さや赤身の旨味も感じられ、とてもジューシーで美味しかったです。岡崎醤油の「うましる」を使ったソースで和風に仕上げられていました。
サラダにも醤油とうましるのドレッシングがかかっていて、さらに食欲をそそる味付けでした。

参加者のみなさんの緊張も解け、各テーブルでの話も盛り上がってきました。キャンプに醤油を持って行って醤油飯を作った話でお米に合う醤油の話題になったり、季節によって熟成の期間が変わるなど組合員さんのお話を興味津々に聞く方など、皆さんイベントを楽しんでいる様子でした。

こだわりの出汁を求めて

岡崎醤油は正田醤油と同様、外食チェーンやスーパー、コンビニなど、裏方への出荷が多く、中でも加工食品が多いとのことでした。
特に開発に力を入れており、出汁にこだわり原材料から自社で出汁を取っています。出汁を取る時には香りが残るようにすることで旨味を作っているそうです。今日のお肉やサラダに使われていた「うましる」でそのこだわりの出汁の風味を強く感じることができました。

デザートは優しく香る醤油のシフォンケーキや、有田屋さんの「しょうゆさぶれい」を崩してタルトにしたレアチーズケーキ、うましるのカラメルがかかった味噌アイスと、醤油味噌のオンパレード!ボリュームが結構あったのですが、味の濃淡や食感の違いなどを楽しむうちにペロリと食べてしまいました。

驚きと感動の連続

今回参加された方にお話を聞いたところ、お醤油は普段も使うけどフレンチとしての使い方に驚いたとの声が多数ありました。中でも、「醤油がデザートでこんなに活躍するとは」と塩味が強くても甘いものって美味しい!と感動されていました!他にも、生産者さんとお話しできる機会が嬉しかったなど、もっと群馬の醤油味噌を広めていってほしいとお話しされていました。

群馬県の醤油味噌を世界へ!

今回3ヶ所のお店で「群馬発酵ごはん」が行われましたが、どのお店も初めての醤油や味噌に向き合い試行錯誤し、最高の料理を提供してくださいました。
醤油や味噌はあまり注目されない食品ですが、料理人に協力してもらい、それぞれの強みや美味しさを最大限生かすことで、少しずつ群馬県の商品、企業を知ってもらうとても良いイベントだったなと感じました。
ぜひこれからも様々なお店、形でこのイベントを続けていって欲しいです。
そして、群馬県の醤油味噌を全国、全世界にもっともっと広めていけることを願っています。

文:NiRO inc. 小池 香

群馬県醤油味噌工業協同組合
ぜひ今後のお知らせや活動もチェックしてみてくださいね!
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Instagram:gunmasoysaucemiso
Twitter:群馬県醤油味噌組合
HP: gunmano-syouyutomiso.jimdofree.com

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