見出し画像

地元の食文化を発信する魅力的な食の祭典!「群馬発酵ごはん」番外編

2023年6月17日に、群馬県醤油味噌工業協同組合が主催する「群馬発酵ごはん」の番外編が行われました!
「群馬発酵ごはん」とは、いつもは縁の下の力持ちに徹しているけれど、なくなったら毎日の食生活が成り立たない存在の醤油や味噌を想像力豊かな料理人に活用してもらい、それぞれの個性を知ってもらうというコンセプトの試食会イベントです。
今回は関東醤油協議会の定時総会に併せ、希望者が群馬県前橋市大手町にある近代和風建築の迎賓施設「臨江閣」に集まりました。

レトロな木造建築「臨江閣」


まずは今回の舞台となる臨江閣を観光ボランティアさんに案内していただきました!
1884年に群馬県の迎賓館として建てられた臨江閣は、本館・別館・茶室から成る、国指定の重要文化財です。本館は明治17年9月、当時の群馬県令・楫取素彦(かとり もとひこ)や市内の有志らの協力と募金により迎賓館として建てられました。当初は「迎賓館」と称し、明治時代には明治天皇や大正天皇(当時は皇太子)などの皇族が滞在したそうです。皇族方がお越しになるために上に部屋のない唯一のお部屋や、利根川が一望できるお部屋、当時のトイレなど、なぜこのような建造物になったのかお話が聞けてとても勉強になりました。
県外の方も説明を興味津々と聞きながら臨江閣を一周しました。

番外編の参加店はこちら!

「群馬発酵ごはん」第2回 試食会でお料理をご提供いただいた「和食店 うめむら」さん。
自家栽培の野菜と長崎五島列島などの鮮魚をメインとする、上品な”おばんざい”が評判のお店です。

今回のお食事は出張料理ということでお弁当にしていただきました!お弁当は上下2段に構成されていました。

献立はこちら

  1. 桜えびと天然きのこの炊き込みご飯

  2. 大根菜ふりかけ(白ごはん)

  3. ちりめんじゃこと実山椒煮(白ごはん)

  4. 鶏のみそ漬焼

  5. やまと豚のあみダレ焼き

  6. 天然えび粕味噌漬焼

  7. たらこ粕味噌漬焼

  8. 上州牛時雨煮

  9. 鰆の西京焼き

  10. 燻製醤油煮玉子

  11. 新じゃがいも味噌だれ

  12. ガス海老揚げ煮

  13. 豚もつ汁

群馬県醤油味噌工業協同組合から「正田醤油」「有田屋」「糀屋」
それぞれのお店の商品を使用したお料理が入っているそうです。

綺麗なお庭から光の差し込む別館の1階の西洋間にて「群馬発酵ごはん」が行われました。
皆さんお席につき、司会進行の職人醤油 高橋さんのご挨拶を経て、正田理事長からのご挨拶があり、お食事が始まりました。

お弁当に詰め込まれた発酵ごはん

料理人の梅村さんから、自己紹介と今回経緯をお話ししてくださいました。
今回発酵ごはんのために群馬県醤油味噌工業協同組合 事務局長の會田さんと相談しながらお弁当での提供を考えたそうです。
コロナ禍で一度始めたお弁当ですが、この時期は気温や湿度にも気を使うことから現在はやっていないようですが発酵ごはんのために特別に作っていただけました。
また、お弁当にするにあたり醤油味噌を使用するルール上、味の濃いめなメニューが増えてしまうことが課題だった様です。
お野菜は梅村さんのお母様が栽培したものも使われており、ハート型のきゅうりが添えられたポテトサラダがとても可愛かったです。

高橋さんからの「何から食べて欲しいですか?」か、という質問に梅村さんは「ご飯」と答えました。
お弁当にはご飯が2種類あり、炊き込みご飯とふりかけのかかったご飯がありました。
ご飯は吉岡町にある契約農家さんが作る群馬県産のお米を使用しており、わらびなどの山菜も地元で採れたもので醤油・味噌以外にも群馬の美味しいものを知ることができました。
女性の参加者さんには大根菜や山椒のふりかけがとても好評でした!

料理長おすすめの発酵ごはんメニュー

「鶏のみそ漬焼」
糀屋さんの麦みそを使用したお料理で、麦みその感じがよく出たので自分でもうまくできたと思いますとお話しされてました。
麦みそをお料理にどう使ったら良いのかを考え、風味に印象が強いのでそれをどうにか出せたら良いなと思ったそうです。

「やまと豚のあみダレ焼き」
発酵ごはんの良さ、趣旨に合うなと思い、糀屋さんの甘酒にお肉を一晩漬け、厚切りのお肉を柔らかくしているそうです。
タレは普通のお醤油の味とは違う正田醤油さんの二段熟成を使用し、作ってる時から自分でも食べたくなるくらいの自信作と仰られていました。

「群馬発酵ごはん」の始まり

ここで、「群馬発酵ごはん」の経緯について會田さんと高橋さんからお話しがありました。
2人で話し合い、アイデアを出し合ったことから始まり、その中でプロの料理人に醤油味噌を渡して料理をしてもらい、一般の人にも食べてもらうイベントが面白いのではないかという話になったそうです。
群馬県の醤油味噌をPRするために何が必要かを考える中で、料理人たちに興味を持ってもらうことが大切だと考え、参加した料理人たちに醤油味噌を渡し、自由に料理を作る機会を与え、彼らが醤油味噌に触れ、興味を持つきっかけを作りました。
梅村さんはそれにより、土地や作り方によって企業ごとに異なる醤油味噌が存在することを知ったそうです。
イベントを通して、一般の人に醤油味噌の魅力を伝える方法を考え、料理教室のようにレシピを公開することで、参加者に醤油味噌の活用法を提案したそうです。

會田さんは、イベントを少人数で行うことで参加者とのコミュニケーションを大切にしました。その結果、参加者と組合員や料理人との対話を通じて、イベントから群馬の醤油味噌が広がっていく可能性を感じたそうです。

糀屋 飯島さんは、実際にイベントをやってみて感じたことをお話ししてくださいました。
お客さんと話すことにおいて、お客さんの聞きたいことや質問に答え、掛け合いをしながら説明していくことで、素朴な感動があったり、新たに疑問が生まれたりするので、単純に生産者として一方的に話をするよりもいい距離感で交流ができるとのことでした。
普段はスーパー等で購入してもらうことしかできないけど、台所で実際に使用してもらう人の意見を聞ける機会だし、今後も続けていきたいとお話しされました。

會田さんと高橋さんは、この企画が県外に広まれば良いなと考えているそうで、「茨城発酵ごはん」「埼玉発酵ごはん」などそれぞれの土地の醤油味噌を使い、どこの地域でも地元の醤油味噌をPRできる企画だということを参加者の皆さんにアピールしていました。
参加していた県外の関東醤油協議会の方々も興味を示していたので、実現を楽しみにしています!
梅村さんも、群馬県で「発酵ごはん」が有名になるように県外にも発信していきたいと今後のイベントへの想いを話してくださいました。

群馬発酵ごはんは、地域の食文化を広く知ってもらい、地元の生産者や料理人、そして食品製造業者などに活動の場を提供する素晴らしいイベントです。
地域の食文化を支える生産者や料理人たちの情熱を感じることができ、地元の食材と発酵食品の魅力を再発見する絶好の機会ですので、ぜひ今後の「群馬発酵ごはん」も期待しています!


醤油・味噌の世界を知ってみたくなりましたか?
次回開催については未定ですが、イベント決定次第お知らせさせていただきますので、ぜひご応募ください♪

文:NiRO inc. 小池 香

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?