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みきちゃん

わたしは小さい頃、とんでもなくわがままで泣き虫な子どもだった。そして、本当にいい人に囲まれて育った。
今わりと素直でいられるのは、その人たちのお陰だと思う。

幼稚園で一緒だったみきちゃんもその一人だ。
わたしは5月生まれで、当時は女の子の中で後ろから3番目くらいに大きかった。
数少ないわたしより大きい子の一人がみきちゃん、4月3日生まれだった(人の誕生日をめちゃくちゃ覚えているタイプ)。

みきちゃんはすごく優しい子で、いつも人に譲ってくれるような子だった。
いつだったか遠足の時に、先生の隣争いが起きて、なぜそんなことをしたのかまでは覚えてないけど、いつも良くしてもらっているのにわたしはその子のことをひっぱたいてしまったのだ。ひっぱたいたことは親にも何度も聞かされて覚えてて、思い出すたびにああ……という気持ちになる。

でもみきちゃんはその後も優しく接してくれた。幼稚園児なのに自分をひっぱたいた奴にそんなに優しくできるなんて聖人だったのだろうか。

みきちゃんのしてくれたことで、ものすごく印象的なことがある。
幼稚園を卒園した後、小学校1年生の6〜7月頃に横浜に引っ越した。そしてその年の秋、もともといた小学校の運動会に遊びに行った。

数か月空いてしまうとみんなにどんな反応されるかわからなくて、心細かったんだけど、みきちゃんがわたしのところにきて、抱きしめてくれた。

多分、お気に入りのぬいぐるみを抱っこするみたいな感じよりは、お母さんが子どもを抱きしめるような気持ちでそうしてくれた感じ。

小学1年生でそんな愛情表現出来る子、いる……?

理由はわからないけど腕を骨折して肩から包帯で腕をつっていたのとか、自分の身長に合ったものより小さめの鉄棒を使って頭を怪我しちゃって、おでこに

もう全然連絡を取るよしがないんだけど、年に何回か思い出して、みきちゃん元気にしてるかなだと思ってるし、優しくしてくれたことにお礼を言いたい気持ちになる。

そんな4月3日。


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