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"星のや京都"の楽しみ方 |体験編その1

星野リゾートでは、それぞれの施設でその土地ならではのアクティビティが用意されています。

我が家では毎日お香を焚いていることもあって、以前から香道に興味がありました。そこで、今回どうしても体験してみたかったのが香木の香りを鑑賞する「聞香(もんこう)」です。

京都の山田松香木店さんのホームページによると「聞香とは、文字どおり、香炉から『香りを聞く』ということであり、嗅ぐのとは異なり、心を傾けて香りを聞く、心の中でその香りをゆっくりと味わうという意味」なのだそうです。

さて。
チェックインから1時間後、念願の聞香体験の時間です。
フロント棟隣の小さな和室に通されました。

初めて目にする聞香の道具を前に少し緊張

はじめに、日本におけるお香の歴史などについて星のやスタッフさんから説明を受けました。この時のお話、内容がとてもわかりやすく、話すスピードや間合いなどもいい感じ。ガイドという仕事をしていると、説明や案内を聞くときに話し手の話し方なども気になってしまいます(^^;

歴史を学んだ後は、いよいよ体験です。
雅やかな紙を開くと灰山を作る道具などが入っていました。上の写真に写っている、源氏物語絵巻?を描いた紙には小さな香木(伽羅)が入っています。

灰山をつくる前の灰は、本当になんの変哲もない…灰

聞香炉の灰は予め入れてありますが、途中でスタッフさんが温めた炭団(たどん)を灰の中に埋め込んでくれます。これで灰が温まります。

香炉を左手で回転させながら、火箸を使って灰を山のような形にします。
その後、灰押(はいおさえ)で灰山を軽く押さえて形を整えます。綺麗な模様を付けたいので慎重に・・・

初めてにしては綺麗な山ができたのではないでしょうか(自画自賛)

次に、自分の手前にくる方向に線をつけ、さらに灰山の頂点から炭団に届くまで垂直に火箸を差し込んで、火窓と呼ばれる穴を開けます。

真上から見たてもなかなかの出来栄え(自画自賛)

その上に銀葉挟(ぎんようはさみ)で四角い銀葉(ぎんよう)を乗せ、最後に香木を乗せます。

銀葉と香木を乗せる瞬間は息を止めるほど緊張しました

準備が整ったら、香を聞きます。
香炉を持って、香りが逃げないように右手で香炉を覆ってゆっくりと香りを吸い込み、香炉から顔を逸らして息を吐く。

大河ドラマ「篤姫」で、お近さん(ともさかりえさんが演じた、小松帯刀の奥さん)がコレやってた〜!と心の中で思いながら、ミーハーなワクワク心を抑えつつ、静かに香を聞きました。「どうする家康」でも家臣からの報告を聞きながら松潤が聞香していましたね。戦国武士たちも心を落ち着かせていたのでしょうか。

そして、興味深かったのは夫の香木との香りの違い。

同じ伽羅でしたが、夫の香木は私のよりも少し甘く香りました。灰山の高さの違いにより温まり具合が異なることで、香り方が変わるようです。見た目にはほとんど同じ灰山なのに違いが出るなんて面白い。
普段焚いているお香も同じく、その日のお天気や湿度、自分自身の状態で香り方が違います。香りを楽しめる心の余裕を持って日々を過ごしたいと思います。

初めての聞香体験は、無心に、そして心静かになれるとても良い時間でした。これを日常に取り入れるべく、聞香道具一式を購入した中村家なのでした。

二日目の体験に続く・・・

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