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『鳥獣戯画ノリ』(拡大版) 874字

「と言う事で、本作戦のコードネームは『鳥獣戯画ノリ』だ」

局長の言葉に僕は内心、地球を侵略から守る任務にしては「ふざけてる」と思った。

察したのか、局長は続けた。

「敵を欺くには、ふざけてる位の名称で丁度良い。早々に着手せよ」

「承知しました」

僕は「地獄谷」に急いだ。



今回は女性局員Sも一緒だ。

実は、以前から彼女を好ましく思っていた僕は、不謹慎だがちょっと嬉しかった。
(何やら彼女も満更でもなさげ?気のせいか?)

だが、局員同士の恋愛は御法度だ。
僕は極力、事務的に接する。

「ですが、こんな場所に一体何があるのでしょう?」

「例の温泉に浸かる猿達の中に、宇宙人が紛れていると言う情報があった。今回の我々の任務は、それらを生きたまま捕らえる事だ」

「了解しました……」

今、地球上では他にも、人間や動物に擬態した様々な敵性宇宙人達が暗躍しているのだ。

「我々は恋人同士と言う設定なので、それらしく」

「了解です。私……実は前からYさんの事が好きだったので、正直嬉しい。でも、こんなのって許されませんよね……(潤んだ瞳)」

「S君……」


人間、駄目だと禁じられると益々燃え上がるものだ。

僕らは思わず任務を忘れて、渓谷を見下ろす吊り橋の上で熱烈なキスを交わした。

と、次の瞬間、僕は自分が落下していくGを感じた。

「なっ!?」

橋の上にいるSの目は、黄色く光っていた……。





その後、警察の聴取やら何やらあるも、目撃者達の「女に抱きつかれて舞い上がった男が、誤って転落した」との一様の証言もあり、本件は不慮の事故として処理された。







「以上、今回の任務は完了だ」

「了解。我々の対『鳥獣戯画ノリ』作戦、『鳥獣戯画ノリ・ツッコミ』の成功、実に喜ばしい。これで我々先遣隊員の唯一のオアシスも守られた」

「今頃は奴ら『敵もサルもの』と、さぞかし悔しがっている事だろうな」



「しかし、地球人の男はチョロいな。蛙型の奴ら(ケロン人)を煽動するまでも無い」

「だな。官も民も上も下も『ハニトラ』でイチコロだ」



『猿型宇宙人』達は、そう言って嘲笑い合った。



<了>874(罠よ)字
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皆様へ

「悪ノリ」して応募作の拡張版をアップしました(どんだけ〜(汗))


悪しからず御笑納下されたし。🙇‍♀️



尚、画像は『Japaaanマガジン編集部』様記事より拝借しました。(ce1a75b8cbf6637464ad54d8f2af0d96.jpg)

そんなこんなで
皆様には、御安全に良き週末をお過ごし下さいませ✨
いつの日も✨LOVE❤️

アッシュ拝

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